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事件のハナシ

一人っきりの病室の午後。


ゆったり、ゆったり、時がすぎていく。


そんな中、コンコン


ノックをする音が聞こえて驚いた。

どうぞと声をかけると現れたのは可愛らしい少女だった。


―誰??


そう思うと同時に悲しくなった。私が彼女のことを忘れているから…だから見覚えがないのだろう、そう思ったから。そして申し訳ないキモチで胸がいっぱいになった。


しばらく謎の沈黙が続いた、結局それを破ったのは彼女の方だった。


「私のこと、分かりませんよね…?」


「…ごめんなさい」


「そぅですか…」


彼女はすごく悲しそうに見えた。


「やっぱり、分からないか…むいてないのかなぁ」


「えっ??」私はそのつぶやきの意味が分からず、困惑した。


彼女はいったい……


「私、こう見えても警察官なんです。今日は事件の時のお話しをしようと思ったんですが……」



「えっ…?」


「あ、記憶喪失でしたっけ。警察官って知ってますか?」


「はい。えーっと、私の知り合いじゃないってことですか?」


この言葉を彼女は変に解釈してしまったようだ。


「えっと…警察官というのはこの国の安全を守る仕事をしている人のことでして、まぁ実際そんなかっこいい仕事じゃないんですけど―」


「いや、それは分かってますよ!とにかく、私の知り合いじゃないんですよね?」



私は笑いながら訊ねた。どうやら、私が[警察官]の意味を[自分の知り合いじゃない]という意味に勘違いしていると、勘違いしたらしい。



なんてややこしい話しだろうか。



そんなこんなでハナシは続く。


「えぇ、私とあなたは知り合いでもなんでもない赤の他人ですよ!でもなんでそんなこと聞くんですか?」


「いろいろ、です」


良かった!!彼女のことは最初からしらなかったんだ!


私はだれも傷つけていなかった!


心に花が咲いた気がした。



あ、れ…?事件のハナシは!?(つづく

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