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黒の指揮官  作者: 冬城 一夜
異世界での生活
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17話 お義父さん娘さんをください

ティアがギルドメンバーと再会した日の深夜、大公家前。


「うむ、やはりお父様というものには会っておかなければいけない」


胡散臭いというしかない、黒のスーツを来て紙袋をかぶった変態、だが紳士である。


「うはwwwwリアル豪邸wwwwwマスターすげぇwwwww」


これは筋肉ダルマ、もといガウス。


「ええっと、インターホン押せばいいのか?けど深夜に失礼じゃね?」


変なところで真面目なガボットである。


「いいっていいって、行こうぜ?wwwwwお父様と対面wwwww娘さんを嫁にくださいwwww」


「確かに色々確認したいことはあるけど………ガウス、異世界に来てまでネタに走らなくても……」


3Mほどは有る門を堂々と「飛び越えて」3人が敷地内へと侵入、そのまま屋敷の玄関を開く、なぜか鍵はかかっていない。


「ふむ?こういう場合展開的には絶対に………」


「ちょwww紳士さん、それフラグw」


そう言った瞬間に影からさっと出て来る執事とメイドさんズ。


「あれ?どう考えてもアレって戦闘員……っていうか、戦闘力高くね???1:2で戦うと負けるような?」


ガボットが目立つ鎧姿で現れたメイドさんや執事さんを見て呟く。

(というか忍びこむのに黄金の鎧ってどうなんだ?)


「ほう、珍しい客人じゃな?」


のっそりとガウスのようにズボンとシャツだけで部屋から出て来るストラウフさんとストラウス兄弟。


「うは、アレなんかボスキャラっていうか魔王って言われても納得するレベル」


そしてその2人の後ろから現れる老紳士、ウォルフガング。


「………最初のお城をでたら魔王が部下を精一杯つれて待ってましたって感じがするのだが、よし、私に任せてもらおう」


ついっと紳士が1歩前へでる、構える執事、メイドを視線だけで下がらせるウォルフガング。


「私は、ティア様が部下、紳士という。俗称などではなく紳士という名である。我らがマスターが養父になられたと聞き人物を確かめさせていただく為に、夜分失礼だが訪問させていただいた」


(さすが社会人、言い訳が巧い!)(紳士さんマジ紳士)


「ふむ、力量差が分かりますか」


「「なかなかの逸材じゃのぅ」」


3人が感心したようにうなづく。


「で、本来の目的は遂行せぬのかの?手加減はしてやるぞ?」


ストラウフ大隊長がガウスの前へと進み出る。ガボットの前にはストラウス元帥、紳士の前にはウォルフガング宰相。


(うはw同じような筋肉なのに、根本的なモノが違う気がする。俺、この戦闘が終わったら田舎へ帰るんだぜ、そして喫茶店を開くんだ)


(全て受けて防ぎ、物理で殴る!!!これで勝つ!!)


(なんか2人に比べて私の相手だけ別格なのはなんなのだ?見た目的には一番弱そうなはずなのに、BADENDループしか見えない)


ガズンっと重たい音と共にガウスとストラウフの拳が交差する、体つきはガウスのほうが大きく巨人の血も相まってガウスのほうが強い……はずであった。


次の瞬間にガウスはまるでアニメのように吹き飛び、床を転がっていく。


「ごっふっっ、いやいや、手加減とかってレベルじゃなくって。これでも俺Cランクの冒険者……汚いチート汚い」


床に這いつくばって顔を歪めているものの、まだまだ元気そうではある。


(いかなる攻撃であろうと、防げる!)


ガボットが瞬きした瞬間に目の前から消えたストラウス元帥、気づいた時にはガボットは空を舞っていた


(おぉぅ、俺飛んでる!i can fly!じゃなくて、有りの儘に今起こったことを話すぜ?)


ガッシャンっと金属音と共に床に叩きつけられる。


「ガウス何があったか見えたか????気づいたら俺は空を飛んでいた」


「いんや、俺から見ててもさっぱり見えなかったぞ?」


横に落ちてきたガボットの問いにガウスが答える。


そして、ウォルフガング宰相と睨み合ったままの紳士。


(ぉぉぃ、どう考えてもBADEND直行。どうするよ!)


「その様子ですと、恐らく我らがギルドホールを出る時には既に身元等調べ終わってこちらへ向かうことも承知しておられましたか」


「そうですね、その程度出来ぬようでは務まりませぬから」


静かに会話を交わす2人は、その場の他の4人からは腹の探りあい等高度な展開をしているように見えるのだが………



―紳士脳内―


ははは、魔王とか魔神って言われても納得してしまうな、底が見えねええええええ。


しかし、我には向こうの世界の同志より託されし崇高なる使命がある、ここで散るわけにはいかない。考えろ!!!


1,お父さん娘さんを僕にください 2,ティアの父は私だ 3,ひんぬーについて語る 4,ようじょつよい 


だめだ、どの切り札も絶望的に思える。ここは潔く!!!


―紳士脳内終了―



「この格好を含めてが「私」であるので、常識から見て無礼とは思いますがご容赦願いたい」


「構いませんよ」(この男の内が見えぬな、戦闘はともかく色々「出来る」ようですね)


心のなかで潔く誤魔化してみましたと笑いながら、場を誤魔化す紳士であった。


この後屋敷から帰る男3人に感想を聞くと口を揃えてこう言うだろう。


異世界に転生して才能を与えられて、特別だと思っていました。選ばれた勇者プレイとか出来ると思っていました、調子に乗っててすいませんと。









――

冒険者は細かい区分を除き、G→F→E→D→C→B→A→Sと右に行くほど冒険者として優秀ということになる。


C++「Cランクでは最上位」であるティアのギルドメンバーは、世間一般で上級冒険者に入る。Gは駆け出し、Eで中堅。Cで上級者、Bになれば英雄クラス、Aは世界に数名のみである。Sはひみつ。


同じAランクでもA+→AA→AA+等と細かく分けられるが、省略させていただく。


ちなみにランクは目安であってランクが高ければ強いというものではない。Eに負けるCランクも居る。相性や各自の戦闘スタイル、戦闘状況で変わるからだ。


純粋にコツコツと無難な依頼だけを重ねていった堅実な冒険者という変わった者も一部には存在するが……。


ちなみに彼ら3人の名誉の為に言っておくとティアの周囲が「異常」なだけなのだ。


リュカやカーターの両隊長ですら、ギルドメンバーが1:1では勝てるかどうか微妙な所である、確実に勝てるのはゲーニッツ大佐ぐらいだろう。


ティアが安心のチート性能なのは言うまでもない事です。

男の子の憧れ?おとうさん娘さんをください!であります。



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