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黒の指揮官  作者: 冬城 一夜
異世界での生活
17/33

16話 仲間来たりて

息が白いです!!!この世界にも四季あるのかなぁ?昨日とちがって大分冷え込んでるし、冬はあるよね。


コート持ってきてよかった~。


っていうか早朝に来たのに、なんで冒険者ギルドはこんなに混んでるんだろう。


――早朝に手続きを済ませて出かける為に、逆に早朝は混んでいたりします。


「ぁーー寒いなぁ、こんな日は温泉に浸かりながら日本酒で……あぁ、日本酒がのみてぇなぁ」


あぁ、温泉いいよね、温泉。


「お酒はあんまりだけど、温泉いいよねぇ温泉。サラミとかおつまみも美味しいよねぇ」


思わず聞こえてきた声に返事をしてしまう。


「んだなぁ、サラミとかミミィに言えばつくってくれねーかなぁ?」


「んーーいけるんじゃないかな?ミミィって何でも作れてすごいよね」


あれ???日本酒?温泉?この世界に?????この喋り方って……


「そうそう、ミミィは俺の嫁って。ん………ってぁあああああ!?マスターじゃねぇか!?「え?そのお決まりのセリフは、ガボたん!?」


テーブルからこちらに身を乗り出して見つめているのは、竜人の戦士。


人間じゃないけど、この喋り方、反応といい、ガボットに間違いない!


「え?えええええ?!なんでここにいるの!?」


「やっと見つけたぜ、ちくしょおおおおおおおおお」


何事かと、冒険者たちの視線が一斉にこちらに集まる、しかしそんなことを気にはならない。


「いやいや、なんでとかねーから。ギルドの幹部連中全員きてっから!」


「は?いあいあ、何が?なんで?ねぇ!?」


意味がさっぱりわからない、みんな来てる?どういうことだろうか?この世界にいる?戻れないのに??いや、どうやって???


「まぁ、まてマスター。俺らこの街でギルドホールを借りてんだわ。そっちいこうぜ、そっち。騒がしいしよ」


にっと笑うガボたん。通称ガボたん、ガボット等。向こうの世界のやってたMMOの知り合い。


「え?嘘?すごいね!」


「ほらほら、いくぜいくぜ?」


急かされるようにして冒険者ギルドから手を引かれ連れていかれる。




中央広場から少し外れたところにある、石造りの2階建ての建物。結構立派な邸宅という感じ?すごいなぁ。


「移動中に他の連中に連絡したから皆大慌てできてんぜ?まぁ、ほら入ろうぜ?俺らの持ってた要塞にくらべりゃちっけえけどな。」


大きな玄関を抜けて2Fに上がり、ドアを開けるとそこはホールになっており、大きなテーブルと椅子がいくつか置かれている。


「あらあら?その可愛らしさと動作はティアちゃんじゃない~?本物ね?」


いきなり背後からぎゅぅっと抱きしめられる。胸が胸が後頭部に!幸せな気がする!真っ赤になってわたわたしてしまう。


「あぅ、誰ですか!」


慌てて振り向くと、胸の谷間にぎゅむっと抱きしめ直される。幸せな状況から視線をあげるとダークエルフのおねーさん。


黒髪に金色の瞳。ウェーブのかかったロングヘア。


「えーっと、カミーラさんかな??」


「正解~~♪」


ぎゅううっと抱きしめられる、苦しいですっ。じたばたと暴れているとひょいっと首筋を掴まれて離してもらえる。


「おぅよ、マスター。まったくやっと見つかったかよーー!」


ランニングシャツにズボンのマッチョなお兄さん。緑髪のぼさぼさ頭の2Mを超えるでっかいコレは………


「ガウスだ~ここでもでっかいんだね~!」


にこにこと笑っているとでっかい手で頭をガシガシと撫でられる。


「他にもミミやら、ゲーニッツ、ホーネット、紳士も幹部全員きてるぜ???」


「え?なんで??皆いるの?どうやって?」


首をかしげてみあげる。


「なぁに言ってるのよ?幹部会のチャットでイリーナがゲームに当選したとかURL出してから来なくなって、ティアちゃんまで行方知れず。みんなそのURL見てみるに決まってるでしょぉ?」


ひょいっと抱えられて、椅子に座るカミーラさんの膝の上に座らされる。


「あぁん、もうティアちゃんかわいーわぁ。オフの時も可愛かったし、これなら男でもいっかなって思ってたらここじゃ女の子だもの。おねーさん嬉しいわぁ」


ぎゅうっとまた背後から抱きしめられ、頬を撫でられる。真っ赤になってるのが自分でわかります、恥ずかしいやら嬉しいやら、頭に当たる感触が幸せです。


「遅くなった。ただいま帰還した」


ドアをあけて入ってくる銀髪に碧眼、眼帯をしている。明らかに軍人さんっていうオーラをだしている。


「ゲーニッツ大佐までいるの?!」


「そうだぜー?大佐がマスターこねぇからって色々と調べてくれたんだぜ?」


え?調べるって????






色々と自分がこの世界に来てからの向こうの世界での出来事の説明を受けた。イリーナが幹部の集まるチャットで出したURL。それからイリーナがネットに来なくった。


どうせ皆は仕事忙しいのに新作MMOだとか言ったから、そのゲームに時間割いて夢中なんだろうと思ってた、その後僕が来なくなって、恐らくそのMMOに追いかけて行ったであろうこと。


しかし、それでも僕が連絡1つ寄こさないのもおかしい、連絡もつかないので何かあったのか?と。


試しにそのURLを開いたガウスが、登録画面を進めてこの世界に戻れないと言われたところで、違和感を感じて幹部チャットでその事を話す。


異世界トリップじゃね?とガボットが言う冗談、ゲーニッツ大佐万が一ということがある、万全を!という話になったこと。


そして皆ネタだと思っていたゲーニッツ大佐が某国の特殊部隊の隊長だというのが、実は本当で色々と調べてくれて、僕は向こうの世界に存在するので、実際に会ったこと。


しかし行動や会話に違和感があったので、オフ会で以前会ったメンバーを集めて向こうの僕に会ったのだが、何かが違うので問い詰めたこと。


そしたら異世界の今の僕の身体の子と魂が入れ替わっており、その子が色々説明をしてくれたらしい。


こちらへ来た僕とは違い、向こうで僕の代わりをしている今のこの身体の持ち主には、僕としての記憶や思い出なんかはほとんど有って理解しているらしい。


だから、もう元の世界に戻れない事や、こっちの世界の事を、僕の思い出が自分の中にあるから友達として覚えてるのでと説明してくれたらしい。


それで幹部会で話が行われて、全員が納得してこの世界へ来ることにしたらしい。自分と入れ替わりになる人物への手紙まで残して。


ただ、時間のズレがあって、同時に登録したのに2,3日ずれたり、場所が全然違ったり、一緒の街に居たりで合流に時間がかかった事。


けれど向こうの僕になったティアに冒険者ギルドの事なんかを聞いて、合流する合言葉なんかを決めてやり取りし、お金の稼ぎ方なんかも前もって相談したりして準備万端できたらしい。


しかもみんなして上位の冒険者になってるっていうんだから、なんなのさ!


「なんでっっ、みんな来てるのさ!!!!」


泣きそうになりがながら説明が終わった瞬間に叫ぶ。


「なんでってなぁ?俺ら家族じゃねぇか」


「あらあら?私はティアちゃんの居るところなら地獄でも追いかけてくわよぉ?」


「そうだぜ?マスターが困ってたらどうするんだ?」


「共に闘った戦友を見捨てはしない」


もう、なんなんだよ。なんでいるんだよ!皆のばかやろー!


「ふむ、話は落ち着いたかな?小腹が減る時間でしょ?」


料理ののった大皿を器用に片手に1つづつ持ちながら入ってくる、金髪の獣人。


こう爽やか系のイケメン。イケメン爆発しろぉぉぉぉ!黒い猫耳と尻尾がすごいギャップがあって、男が見ても萌えそうな感じがするよ!


「ミミィさん!」


「うん?お腹空いたでしょ?そう思って作ってたよ」


お皿にはサンドイッチやら、サラダ、玉子焼きがのっている。


「ミミィさんお店は?!」


「うん?野暮な事は聞くものじゃないよ?」


そういって優しく頭を撫でられる。


「さっき連絡が有ったけどイリーナを探しに王国にメルギスの奴が行ってるんだけどね、どうも見つけられなくて難航してるらしいよ」


「え?イリーナいるの!?」


「あ?やっぱり王国かよ。あいつの事だしダンジョンだろうと思ったぜ。しかしマスターと一緒にいねぇっていうのは予想外だったよな」


鉱山都市に行かないと!って言ったらホーネットさんが途中の街まで転移魔法で送ってくれるらしいので、この日は遅くまで皆としゃべってました。


次回MMOとティアとの関係や人物が一気に増えたので説明を入れたいとおもいます。

まとめるのに少しかかりますのでおまちくださいませ。

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