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黒の指揮官  作者: 冬城 一夜
異世界での生活
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外伝 エミリオ魔法教室

ある日の魔術学院、訓練場。


「それじゃ、ティアちゃん。今から始めるけど魔法は使えたよね?」


休みだというのに、魔術学院は大騒ぎだった。「あの」エミリオが魔法を女性に教えると聞いて男女問わずその様子を見に来ているのだ。


「ぁ、はい。ぇっと物を加工する簡単な魔法ですけど」


(おぃ、加工魔法って簡単か???)(私に聞かないでよ!)(加工魔法って超難易度だぞ?作る物にもよるけどな)


「あの、エミリオさん?なんかさっきからボクへの視線がすごいんですけど……」


気のせいじゃないよね、コレ。ちらっと横をみるとさっとかなりの人数が隠れるのが見える。いや、ばればれだよ、皆。


「有象無象など居ないも同じです、気にしてはいけません。加工魔法は以前に見せてもらいましたが、他の魔法はさっぱりってというのがちょっと……魔力は感じられますか?」


「魔力ってよくわからないですけど」


エミリオが困ったように考え込む、加工魔法ができて魔力が感じられないってやっぱり、変?


「じゃぁ手みててくれるかな?」


目の前にエミリオが手をかざす


「?」


小さく首をかしげてじっと見ると、心なしかエミリオの顔が赤い。


「なにも感じない?」


こくんっとうなづく


「ぅーーん、常人でも敏感な人なら感じられるぐらいの魔力を集めてみたんだけど。んーーっと、これはどうかな?」


そういって、手を握られる。仄かに温かい。体温とかじゃなくって。


「どうかな?」


(ティアちゃんの手ちっちゃいなぁ、上目遣いが可愛い。あぁ、どうしてこんな妹ができなかったんだろうか。毎朝起こしてほしい)


「んっと、温かい?体温と違う感じがする?」


「自分の中にそれは感じられるかな?」


(おぃ!あのエミリオが他人に魔法おしえてるぜ?!)(なんなのあの娘!私なんて言葉さえ返してもらえないのに!!)(あぁ、エミリオ様の笑顔素敵ですわ)


うぅ、視線に殺意やなんかを感じる気がするです。リュカさんに聞いたけど普段どんな態度なんだろう?


「ぅーーーん?」


身体に意識を向けて見る…………お腹空いたかも?


「ぷっっ、あははは。ティアちゃんお腹空いたの?」


はいっと飴玉を渡される。口にだしちゃってたらしい、恥ずかしいけど飴玉は頂きます。


「んーーっと、そうだね。じゃぁこうしようか」


地面に胡座で座るエミリオ、ぽんぽんっと膝を叩いている。そこに座れと!?座れと申すのですか?!


「エミリオさん、さすがにそれは恥ずかしいよ?」


照れてほんのりと赤く染まる頬、エミリオの表情に変化はないが、心の中で悶絶していた。ちなみに物陰から見ている視線のいくつかも悶絶しているようだ。


(なんなんだ!あの子!すげぇかわいいぞ!?)(エミリオが魔法を教えてる子だってよ)(なんだと!?魔法なら俺が是非にとも教えさせていただきまするぜ?)

(落ち着け。この学院でエミリオ以上の成績のやつなんていねーよ)(ティアちゃんっていうのか、妹にしたい……)


どうにも、これは譲歩してもらえそうもない。みんなに見られてるところで膝に座るとかどんな罰ゲームですか?


「うぅ……恥ずかしいよ」


ちょこんっとエミリオの膝の上に腰掛ける。背中から抱きしめられるようにして密着する。


「じゃぁ、ゆっくりとお腹の辺りから手まで魔力を移動させるから、まずは感じる事に集中してね?」


(うぉぉぉぉ!?すげぇ良い匂いと感触が!!!いやいや、落ち着け落ち着くんだ。これは魔法の授業でやましいことはない。ティアちゃんのお願いだからな!)


(YESロリータ NOタッチ!!!あぁ、時が止まればいいのに)


「ぅん、なんとなくほわーってするのがわかるかな?」


「じゃぁ、何度か繰り返すからね?自分の中でも同じようにできるかやってみて?」


ぅーーん、ほわほわを動かす?ぅぅぅん、難しいな。よくわからない。20分ぐらい何度も何度も繰り返してくれるエミリオ。


「っと、できたね?」


ふんわりと自分の右手に何かを感じる。これが魔力??なんとなくはわかる気がする。


「じゃぁ、それを左手に動かしてみて?」


ゆっくりと身体の中を通して左手に移していく。


「うん、すごく安定しているね。すごいすごい。じゃぁ見ていてね?」


エミリオの手に集まった魔力が熱く感じる?炎??? ぼっとエミリオの手のひらの上に火球が現れる。


「時間をかけて魔力を集めて、自分の中でイメージを練ったから魔法陣や詠唱はしていないけど、このほうが分かりやすいと思うけど、どうかな?」


この魔力に色をつける感じかな?ちょっとちがう………


ゆっくりと手のひらの魔力が燃えるイメージをしてみる。ロウソクほどの大きさだが小さな火が手のひらの上にでる。


「おぉぉぉ!!!できたできたー!」


喜んだ瞬間に消える炎。


「消えちゃった……」


「今の感じわかるかな?魔力が把握できた途端に制御は完璧だったから、今のそれを何度も繰り返せば魔法の威力も上がるし詠唱も短くすむようになるよ」


撫で撫でとエミリオに頭を撫でられる。むぅ、僕のほうが年上なのだが、教えてもらったし今は機嫌がよいので特別に許す!


(あぁ、髪の毛サラサラですごくよい感触が……家に連れて帰りたいなぁ。うちの家の幼女もとい養女にならないかなぁ)


「ティアちゃんは可愛いね(ティアちゃんはすごいね)」


「ぁ、いや、ティアちゃんは凄いね。加工魔法もこれで腕前があがるかもしれないよ?」


エミリオ……いま本音と建前間違えたろ!!(笑


「うん、ありがとう!」


「それで、ここの学食美味しいんだけど、一緒にどうかな?テラスもあるし、料理も豊富だよ?珍しい料理もおばちゃんが知ってれば作ってもらえたりするよ」


おぉぉ!豆腐とかお味噌汁ないかな、ないよねぇ?なんか無性に食べたくなる時があるんだよね。


悲しげな表情で遠くを見つめるティア。エミリオは無言で頭を撫でる。


ふっと気づくとまた頭を撫でられている。はっ!?いつのまに!


「故郷の料理たべたいんだね」


小さくこくんっとうなづく。


「そうですね、ここで食べられなかったら、よほど珍しいか遠いのでしょう。出世したら是非再現させて食べさせてあげます」


目があうとにっこりと微笑まれる。なにこのイケメン。爆発しろーー!!





いつも読んでくださってありがとうございます。

今日はかけなかったエミリオの魔法教室を書いてみました。

即席ですので、いつも以上に荒いと思います。ごめんなさい。

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