14話 人間模様
お引越し完了です!大公家の長女になってしまいました。
もうまさに、何がなんだかさっぱりわからないぜって感じです………なんなんでしょうか?
ちなみに、あのあとリュカさんがお屋敷に殴りこんで?きまして。駄々をこねにこねて、一緒にお屋敷で暮らすことになりました。
しかも、引越しはご飯食べてる間にメイド&執事さんズで終わっていたらしいです。早すぎです。
金髪のきれーなメイドさんと渋いこう、セバスチャンって呼びたい感じの執事さんが僕の専属となりました。
「セバスと申します」
なんっ……だと!?セバスチャンだ!!!お約束だ!
「マリアと申します」
2人揃って優雅にお辞儀される、おぉぉ、上流階級って感じだ!
キラキラとした瞳で見あげてくる微笑に美少女。2人は困惑してた。
「ティアです、よろしくお願いします」
ぺこりとお辞儀をされると、驚いた様子で止められる。
「ぁ、先にいっとくとやめるのは無理だからね!お礼いったりとか、もう染み付いてるからなおらないからね!」
と胸をはって言うと、なんか微笑ましい感じの視線を受けた。くそぅ、外見のせいでダメダ!いや、別の意味で必殺技になってるけどさ。
さすがに同室は認められずにリュカさんの部屋はとなりです……部屋をそのまま移動した感じで、散らかり具合もそのまんま完璧に再現されていて、ストラウス、フさんやウォルフガングさんもため息をついてました。
私のアトリエと倉庫にあった鉱石類とかも全部お屋敷に移されたんだけど。
ストラウフさんが子供のような瞳で儂に武器と鎧をっ!と見つめてきました。いいよー、おじいちゃんになら作ったげるねってふざけて返事したら泣いてた。
そして抱きしめられた。孫でもよいが娘じゃからお父様と呼ぶようにって言ってるところで、ウォルフガングさんが後ろに立っていて、それは私のとかなんとか喧嘩をはじめ、3人に増えました。え?お父様がです。
だって……ね?男3人が素敵な笑顔で3人をお父様と呼ぶように!って言って迫ってくるんだからさ………。
…………結論として、ウォルフお父様、ラウフお父様、ラウスお父様となりました。なんでだーーーーー!!!!
後日、ティアが大公家の養女になった事と年齢を知ったエミリオは
「ティアちゃんが27!!結婚できるじゃないかあああああああああああああああああ!合法だ!」
という魂の叫びが夜の帝都に響いたようです、今のままでは地位と名声が釣り合わない!!!と真面目に魔術研究をはじめ
若き天才が目覚めたと言われたとか、言われないとか。
図書館の司書や、図書館に来ているのは、帝国の技術部や、魔法開発室の連中が多くエミリオと同じくそれを知った彼らの仕事ぶりが加速したとかなんとか。
――少し時間はもどって
ご飯の日の夜、男3人が執務室とかかれた部屋で話しています。
「しかし、兄者よ。よかったのかの?養女にしてしまっても?」
ストラウスが問いかける。
「兄者の魔眼で見えたというのなら、真実ではないのかの?」
「あぁ、確かに見えたのですよ。様々な種族を率いて黒い軍服を着、司令官として指揮をとって砦を防衛していた」
ゆっくりとうなづくウォルフガング。
「相手方も人であったが戦力は10倍近い、それを見事勝利していた」
「しかし、兄者よ。人物や性格は問題あるまいが、指揮官というのは無理があるまいか……?」
大公家には代々魔眼が受け継がれる。その数は3つ。ただし、親から子供へではない。
所持者が認めた後継者へと受け継がれていく。それ故にこの3人といっても双子のストラとウォルフガングは血がつながっていないし
先代達との血のつながりも親と子ではない、特殊な関係である。
ウォルフガングが受け継いでいるのは、真実の瞳。相手の本質を見ることができる。
それで見たティアの姿が、男の時ではなく、男の時でMMOで砦防衛をしている時のものであったのだ。
ストラウス元帥は、停滞の瞳。視認範囲内において時間を停止させることはできないが、遅らせる。
ストラウフ大隊長は、戦鬼の瞳。瞳自体に力はないが、驚異的な身体能力などを発現させる。
「あそこまで鮮明に見えたのだ、間違いは無い。そもそも未来は見ることは出来ない、故に過去に経験したこと。前世の記憶を持っていればそれが見えることもあるかもしれぬ」
「………兄者よ、さすがにそれは表にだせぬの」
「そうだの、前世の記憶を持っているかもしれない。が、それは関係なかろう。なぁ兄者よ」
そして3人が同時に口元を歪めて笑う。
「可愛い娘ができたのだ、それで十分であろう」
その夜近隣の店舗や酒場の酒が消えたとか。
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