プロローグ
夜波 カコはいつもどおりの下校をしていた。
茶髪がサラサラとなびき、美しさを引き立たせる。
喉が渇いたか、カコは自動販売機に立ち寄った。
120円を入れて、小型のウーロン茶のボタンを押そうとすると
プシュッ・・・!
自分の手とは違う何かがボタンを押した。
カコはその知っている腕を睨んだ。
カコ「トウマ・・・・。」
トウマと呼ばれた少年は笑顔を見せる。
トウマ「お前ってやっぱりウーロン茶派?ここはやっぱり炭酸だろ?」
カコ「と、いいながらも私のウーロン茶飲んでるし。」
トウマはカコのウーロン茶のふたを開け、飲んでいた。
トウマが二口飲むとカコに返す。
カコ「いらないわよ。間接キス入りだなんて・・・。」
トウマ「いいじゃん。まだ小学生だぜ?俺たち。」
カコ「レディに失礼よ。」
カコの口調からするに、トウマはカコの本性を知っているようだ。
トウマ「飲めって。お前の金だろ?」
カコ「いい。あげる。」
トウマ「じゃあ金返すからさ。」
トウマはポケットを探る。
カコ「返さなくてもいい。あんたが飲んで。」
カコはトウマを一瞬一瞥すると茶髪をひるがえし、
家へ真っ直ぐ帰った。
そしてカコは家の玄関に駆け入る。
そして・・・
「大嫌い。」
カコはトウマの顔を思い出しながら誰もいないドアを睨んだ。