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Chapter 19 :鋼鉄の頭脳たち


敵を倒すのは、力だけじゃない。

一瞬の判断、冷静な観察、そして…誰よりも先を読む頭脳。


それを証明する者が、今ここに現れる。


一人は、影のように動き、

戦場を駆け抜ける闘士。


もう一人は、戦わずして勝つ策士。


次々と脱落していく仲間たち。

ルールは非情——「一度の傷で即退場」。


そんな中、訓練場を支配するのは、

意外な“あの男”だった。


「鋼鉄の頭脳」が、すべてを逆転させる。


静かに仕組まれていた、もう一つの戦いが、今、幕を開ける——!


カイとレンが別れた後、戦いはより苛烈さを増していった。


訓練場の東側、ハルは一体のロボットから不意打ちを受け、 頬に小さな傷を負った。だが、それだけで即失格。 ルールは絶対だった——いかなる傷も敗北を意味する。


一方、レンは激戦の渦中にいた。


周囲を囲む複数のロボットたち。 弾丸、キック、同時多発の攻撃、 さらには精神を揺さぶるような言葉のプログラムまで…


しかし、レンは一歩も引かない。


彼の目は冷静に動き、身体は未来を読むかのように反応していた。 素早い回避と正確なカウンターで、次々と敵を倒していく。 まるで影の嵐だった。


…だが。


最後の一体にトドメを刺した瞬間、 背後からもう一体が静かに迫っていた。


無音のまま、拳が振り下ろされる。


「…っ!」


レンは素早く身を引いて回避するも、 頬にうっすらと傷が走った。


次の瞬間、訓練場に鋭いブザーが響く。


──失格。


「くそっ……」


鏡に映る自分の傷を見つめ、 拳を強く握りしめるレン。


「不意打ち…だが、次は負けない。 これは…まだ始まりに過ぎない。」


ーーー


一方その頃、カイは一人で静かに動いていた。


残る訓練生はわずか。 ロボットたちの数は増え続けていた。


だが、カイは戦わず、姿を消した。


金属の壁の影、息を潜めて観察する。 そしてふと、口元に笑みを浮かべる。


「…時は来た。」


突如として飛び出し、全てのロボットを引き寄せる。 その動きは混乱しているようでいて、計算されたルートだった。


跳躍。


宙で身体を回転させ、天井の一点へと到達。 そこには、監視システムの中枢が存在していた。


「行け…!」


一撃。


その瞬間、天井の配管が破裂し、 水が訓練場に溢れ出す。 電気系統がショートし、ロボットたちは次々と停止した。


…だが、最後の一体が放った弾丸が、 唯一残っていた少女の肩をかすめる。


──失格。


すべてが静まった。


カイは静かに地面に着地し、満足げに微笑む。


(最初からこれが狙いだった。 ジャイソンは中央システムの存在をわざと隠していた。 これは戦闘じゃない、“頭脳”のテストだった。 そして、俺はそれを突破した。)


ーーー


ジャイソンが観覧席から静かに降り、 ゆっくりとカイに近づいていく。


「やるな、カイ。 ここまでやるとは思わなかった。 射撃も格闘も一流じゃないが… お前の頭の切れは、リオをも超えるかもしれん。」


その言葉に、カイは小さく笑みを浮かべる。


──その言葉を、彼はずっと待っていたのかもしれない。


ーーー


周囲の訓練生たちは、ただ立ち尽くしていた。


あのカイが…?と、目を疑う者もいた。 早々に脱落したハルでさえ、口を開けて呆然と見つめていた。


遠くからそれを見ていたレンは、 心の中で複雑な想いを抱えていた。


(驚異的な頭脳… あの身のこなし… だが、武器の扱いは不安定…)


そして、自嘲気味に微笑む。


(俺は逆だ。 武器の扱いには自信があるが、戦略は苦手だ。 …もしかして、互いを補える存在かもしれない…)


だが、次の瞬間。 その笑みは消え、警戒の色が浮かぶ。


(…いや。 たとえそうでも、まだ疑いは晴れない。 もしかすると、カイこそが…犯人かもしれない。)



すべてのロボットが沈黙し、訓練場に静寂が戻った。


だが、心の中の騒音は──まだ止まない。


カイの天才的な一手に驚嘆する者。

自らの敗北に悔しさを噛みしめる者。

そして、その影に…深まる疑念を抱く者。


レンの中に芽生えた“予感”。

それは、羨望か、それとも——警告か。


次回、心の距離がさらに交差する。


《第20章:疑念と信頼の境界線》


──信じるべきか? それとも、疑うべきか?



---


カイの行動、あなたはどう思いましたか?

彼は本当に仲間なのか? それとも、裏に何かを隠しているのか?


コメントでぜひ、あなたの考えを教えてください!

次の展開は、あなたの一言から生まれるかもしれません

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