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Chapter 13 : 新たな旅立ちと時間の制約

無名の少年・レンが、圧倒的な実力で「ケン」を打ち破った戦いの余韻も冷めぬまま、運命の歯車は音を立てて動き出す。

深夜、謎の装置が鳴り響き、妹・ルナの震える声が届く。しかし再び現れた“あの声”が、全てを奪っていく――。


そして翌日、レンは新たな組織「ファイターズ5」への正式加入を果たす。だが、彼の胸には焦りと葛藤が渦巻いていた。


「残された時間は、たった二ヶ月…!」


妹を救うため、訓練を乗り越えるしかない――

時間という残酷な敵に立ち向かう、少年の新たな戦いが始まる



ケンは戦闘区域を後にし、怒りを顔に滲ませながら歩いていた。

まさか――あんな無名の男に負けるなんて…「レン」など聞いたこともない。


一方、レンはその場にしばらく立ち尽くし、静かに深呼吸していた。疲労が体に残る中、それでも彼の顔には穏やかな笑みが浮かんでいた。


帰り道――

街灯は薄暗く、人通りもまばら。レンはゆっくりと歩きながら地面を見つめ、ぽつりと呟いた。


「勝てるとは思ってたけど…想像より簡単だったな。」


そして、ちょうど時計の針が午前0時を指した瞬間。

ポケットの中の奇妙な装置が震え、電子音が鳴り響いた。


レンの目が大きく見開かれる。急いで装置を取り出し、耳に当てた。


「ルナか…?」


「お兄ちゃん…レンっ!」

聞こえてきたのは妹・ルナの泣きそうな声だった。

懐かしく、そして怯えが混じった声。


「まさか…また声が聞けるなんて…もう、二度と話せないと思ってたのに…!」


レンは思わず涙をこぼしそうになったが、必死に堪え、静かに問いかけた。


「大丈夫か?この前、どうして叫んだんだ?」


ルナは震える声で答えた。


「…今は大丈夫…ただ、あの男が突然近づいてきて…何もしてこなかったけど…黙って…すごく怖くて…」


レンの胸を締めつけていた不安が、少しだけ緩んだ。


だが、言葉をかけようとしたその瞬間――


ルナの声がプツリと途切れ、

代わりに、あの不気味な声が再び響いた。


「残り時間は……五分だけ。時間切れだ。じゃあな。」


通信は、一方的に切られた。


レンは装置を強く握りしめ、歯を食いしばった。


「この野郎…!」


***


翌朝――


レンはファイターズ本部へと向かった。

試験に合格したことで、「ファイターズ5」に正式に所属することが決まったのだ。


そこで彼は、初めて新しい隊長と対面する。

その男の名は――ジェイソン。


厳しい表情と鋭い眼差しを持ち、圧倒的な存在感を放っていた。

ジェイソンは、レンを含む合格者たちの前に立ち、低く力強い声で言い放った。


「今日からお前たちは、正式なファイターズ5の一員だ。だが、いきなり任務には就けない。まずは数日間の集中訓練を受けてもらう。」


「この訓練を通じて、それぞれの実力と適正を見極め、チーム内での役割を決める。」


周囲の新人たちは期待に胸を膨らませ、ざわざわと騒ぎ出す。

だが、レンは黙ったまま。

ただ、じっと地面を見つめていた。


(訓練…?そんな時間、俺にはない…。残された猶予は、たったの二ヶ月――!)


それでも、彼は何も言わず、表情を変えることもなかった。

その内面に渦巻く焦りを、冷静な仮面の裏に隠して。


――レンの本当の戦いは、これからだ。

ファイターズとしての道を歩み始めるその裏で、妹を救うためのタイムリミットが、確実に迫っていた。





本格的な訓練が始まる中、レンの心を締めつけるのは、迫りくる“二ヶ月”という期限。

果たして彼は、限られた時間の中で強くなれるのか――

そして、ルナを救うことができるのか。


次回、「訓練開始!動き出す者たち」

少年の運命が、さらに加速する!

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