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「勇者様、今日は本当にありがとうございます」
「お礼を言うのはこっちの方だよ。いつも助けてもらってばかりだからね」
「そんなことはありません。私は勇者様に助けられています」
「そう言ってもらえるとありがたいな」
「はい」
「さて、少し休憩したら明日に備えて休もうか」
「そうですね」
二人は部屋に入ると、ベッドの上に腰掛けた。
「ふう……」
僧侶は大きく息をつく。
「疲れたかい?」
「いえ、大丈夫です」
「無理しなくていいからね」
「はい」
「ところで僧侶」
「何でしょうか?」
「実はちょっと相談があるのだが……」
「えっ、何でしょうか?」
首を傾げる僧侶。
勇者アレックスは言った。
「僧侶はお金を持っているかな?」
「はい、持っていますけど……」
「いくらぐらい持っているだろうか?」
「そうですね……」
僧侶は財布を取り出した。
「今、私が持っているのは……」
そして中に入っている金額を確認する。
「…………」
しばらく黙っていた僧侶だが、やがて顔を上げた。
「すいません、勇者様。私、今は手持ちが無いみたいです」
申し訳なさそうに言う僧侶。
しかし勇者は笑顔を浮かべていた。
「いや、謝る必要はないさ」
「でも、もう少し倹約するべきでした。あんなに高いメニューを頼んでしまって、本当にすみません」
僧侶は本当に落ち込んでいるようだ。
そんな彼女に勇者アレックスは声をかけた。
「僧侶、そんなに落ち込まないでくれ」
「はい……」
「君は俺のために色々としてくれたじゃないか」
「勇者様のため?」
「ああ、俺は君に感謝しているんだ」
「感謝ですか?」
「そうだとも」
力強くうなずく勇者。
「ありがとう、僧侶」
「いえ、勇者様のお役に立てたなら何よりです」
「だから、今日は俺が僧侶にお礼をしたかっただけなんだ」
「お礼?」
「そうさ。僧侶にはいつも助けてもらっているからね」
「勇者様……」
僧侶は感動した様子だ。
その目に涙が浮かんでいた。
「勇者様、私はあなたと出会えて良かったです」
「僧侶……」
見つめ合う二人。
「勇者様、私は一生あなたの味方です!!」
「僧侶……」
「これからもずっと一緒に頑張りましょう!!」
「ああ、もちろんだとも!!」
二人は熱い抱擁を交わした。
「勇者様、大好きです!!」
「僧侶、愛してるよ!!」
勇者と僧侶はキスをした。
チュッ!
「勇者様……」
「僧侶……」
唇を離す勇者と僧侶。
二人の目は潤んでいる。
「勇者様……」
「僧侶……」
「勇者様……」
「僧侶……」
「勇者様……」
「僧侶……」
「勇者様……♡」
「僧侶……♡」
再び抱き合い、何度も口づけを交わす勇者と僧侶。
「勇者様……もっとしてください……♡」
「僧侶、好きだよ……♡」
こうして勇者と僧侶は夜遅くまでホテルで過ごしたのであった。