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「えっ!?」

ソラリスは驚き、急いで城門へと向かった。

そこには大勢の人が集まっていた。

「あれが勇者様……」

「おお、なんて凛々しい姿だ……」

「ああ、勇者様にならこの国を任せられるわ……」

人々は勇者を讃えていた。

「すごい人気だな……」

「ええ、さすが勇者様です」

ソラリスは横にいた人に聞いてみた。

「あの、あれが勇者様ですか……」

「きみは誰だい?」

「あっ、すみません、私はここで働いている者です」

「ふむ、なるほど」

「ところで、勇者とはどういう方なんですか?私はあまり詳しくなくて……」

「そうか、知らないのか、まあいいだろう、教えてやろう」

「お願いします!」

「では教えよう。勇者というのはだな、魔王を倒したという伝説の男だ」

「ふむ……」

「この世界を脅かす魔物たちを次々と退治し、人々を救った英雄なんだ、そして今は王都で凱旋パレードの準備が進められているはずだ」

「そうなんですね」

「だが、私はその男に会ったことがあるんだ」

「えっ!?」

「私が子供の頃の話だ、ある街が盗賊団に襲われていてな、そこに颯爽と現れたのが勇者だった」

「それでどうなったの?」

「もちろん盗賊は全滅したよ、それも一瞬のうちに……信じられるか?あんなに強い男が今までどこに隠れていたのか、不思議でしょうがないくらい強いんだ」

「へぇ〜……」

「そして勇者はこう言った、『俺は勇者だからな!』ってな!」

「ははは……」

「私も子供だったが感動してな、今でも覚えているよ、あの時の勇者の顔は忘れられんな!」

「あの……」

「なんだい?」

「その話……本当なんでしょうか?」

「当たり前じゃないか!私は嘘なんかつかないぞ!」

「……」

「それじゃあ私は行く、また会おう」

「はい……」

ソラリスはその場を離れた。

(まさか……)

ソラリスは思った。

(でも……そんなこと……あるはずが……でも……確かめる方法は……ひとつしかない……)

ソラリスは部屋に戻り、自分の荷物の中からあるものを取り出した。

それは小さな水晶玉。

そしてそれを手に取りじっと見つめた。

すると……

「うそ……でしょ……!?」

水晶に映った勇者は、ソラリスがよく知っている顔ではなかった。

「アレックスさん……」

間違いなかった。

水晶に映し出されたのは、紛れもなくアレックスではない他人の姿であった。

「これは……いったい……?」

ソラリスの頭の中に様々な疑問が浮かんでは消えていった。

しかし結論はひとつしかなかった。勇者はアレックスではない。

魔王を倒したのはアレックスではなかったのだ。

ソラリスはその事実を胸に秘め、城で働く日々を過ごすことに決めた。

「もう迷わない」

そう自分に言い聞かせて……。

「くそぉ、こいつらゴミばっかり捨てやがって!」

アレックスは街中のゴミ拾いに明け暮れていた。

もう何年もこの活動を続けている。

アレックスは今、城の近くにある街の清掃活動をしていた。

次々と捨てていくゴミを拾い集めるアレックス。

しかしアレックスには考えがあった。

実はこの活動は足腰を鍛える鍛錬であると認識していたからだ。

そして自分の活動を知らしめることに繋がると考えた。

アレックスはこれを利用しようと考えた。

アレックスは毎日のようにゴミを集め続けた。

そしてある日、ついに城からの使いが来た。

「アレックス・モーガン殿、貴殿は街での評判が良いと聞きました。そこで、ぜひ我が国の清掃活動団体の理事になっていただきたいのですが……」

「えっ!?」

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