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「待ってください!」

「何じゃ?」

「俺はまだ戦える!」

「無理だ、諦めろ」

「嫌だ!!」

「聞き分けのない奴め……」

「俺には守らないといけない人がいるんだ、この国の人たちの未来を守る為に俺は戦うんだ!」

「いたぞ、こいつだ!引っ捕らえろ!!」

ぞくぞくと近衛兵たちが集まってきた。

「なにっ!?」

「さて、わしは退散するとするか」

「ちょっと!?」

「さらばだ」

大賢者は霧のように消えていった。

「くそっ!!離せ!!」

アレックスは捕らえられていた。

「アレックスさん!」

ソラリスが駆けつける。

「ソラリスちゃん!助けてくれ!」

「はいっ!この人は悪くないんです、悪いのは向こうの方で……」

「なんだ、この女は」

「ええいっ、うるさい。こいつもまとめて引っ捕らえろ」

「はっ!」

「くそっ、俺はまだ戦えるのに……」

アレックスは牢屋に入れられてしまう。

それから数日後……。

「おい囚人」

兵士がアレックスを呼ぶ。

「誰ですか?僕は無実だと言ってるじゃないですか!」

「いいから出なさい」

「どうして……」

アレックスは兵士に連れられ城の謁見の間に向かう。

「アレックスさん!」

そこにはソラリスも一緒に連れて来られていた。

「俺たちは無罪だ!帰してくれ!」

「残念だがそうはいかない」

「なぜ!?」

「君たちが暴れたせいで多くの怪我人がでている、このままでは我が国は滅びかねない、だから……」

「だからなんだと言うのです!」

「アレックスさん、ここは私が……」

「ソラリスちゃん……」

「私はアレックスさんの味方ですよ、だってあなたは私の命の恩人で、それに私にとってかけがえの無い存在なんです」

「ソラリスちゃん……」

「アレックスさん、お願いします」

「わかった……」

ふたりはまっすぐ前を向いた。

「それでは判決を言い渡す、被告人アレックス・モーガンを死刑……」

「なん……だと……」

「待ってください!」

「まだ何かあるのか?」

「私の命と引き換えにアレックスさんだけは解放してください」

「なにっ!?」

「何を言って……」

「アレックスさん、聞いて下さい、アレックスさんはあの時、私を助けてくれた、そして今もこうして一緒に旅をしている、私はその事がとても嬉しいんです、でもこんな形で終わってしまうなんて……」

「ダメだよ!僕のせいで……僕がもっと強ければ……」

「いえ、アレックスさんは強かったです、ただ相手を間違えただけです」

「そんなこと……」

「アレックスさん、最後に一つだけ、私のわがままを聞いてくれますか?」

「うん、なんでも聞くよ!」

「生き延びてください」

「うう……分かったよ……」

ソラリスは再び前を向き、はっきりと言った。

「お願いがあります。私の生涯を捧げますので、この人の命だけは助けてあげて下さい」

「ソラリスちゃん……」

部屋がざわついている。審議しているようだ。

「……それでは判決を言おう」

「はい……」

「被告人ソラリスの願いを聞き入れ、アレックス・モーガンを懲役二年、奉仕活動三年の刑に処する」

「ありがとうございます……」

「そしてもうひとり、ソラリス・フリックを身代わり刑に処する」

「……」

「また自らの申し出があったことから、宮廷侍女として迎え入れることとする」

「えっ!?」

驚くアレックス。

「感謝致します」

ソラリスは深々と頭を下げた。

「その身を捧げて奉仕するがよい」

「さあ行くぞ、二人とも」

二人は連れていかれた。

「そんな……」

「アレックスさん、大丈夫です、きっとすぐに出てこれます」

「そうだね、また二人で冒険しよう」

「はいっ!」

「じゃあまたあとで」

「はい、また後ほど」

ソラリスとアレックスと別れ、それぞれ城の中の一室に連れていかれた。

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