10
「あの野郎、絶対許さないからな」
アレックスは怒りを込めて呟いた。
「そうですね……」
ソラリスも同意する。
二人は黙々と働いた。
「ふぅ~終わったぜ!」
「やっと終わりましたね」
「さて、飯食うか!」
「はい!」
二人は席に着いた。
「よし、食べよう!!」
「はい!!」
二人が食事を始めようとした時である。
「すみませぇん!注文お願いしま~す!」
店員の声が聞こえてきた。
「はい、今行きます」
ソラリスは返事をして立ち上がった。
「おいおい、大丈夫なのか?」
「任せて下さい。私だってもう子供じゃないんですよ」
「そうか……気をつけてな」
「はい」
ソラリスは店の奥へと消えていった。
数分後……。
「はぁ……はぁ……」
ソラリスは汗を流していた。
「お待たせしました。こちらが特製パフェになりま……きゃっ!?」
ドンガラガッシャーン!!! 盛大に転ぶソラリス。その拍子に大きな音をたててしまった。
「あちゃー……派手にやったな」
アレックスは苦笑した。
「いてて……すみません」
ソラリスは起き上がると、頭を下げた。
「いいってことさ」
客の一人が言った。
「それよりも、早く持ってきてくれ」
「はい、ただいま!」
ソラリスは再び奥へ消えた。
それからしばらくして、ソラリスが戻ってきた。
「遅くなりまして申し訳ございませんでした」
「おう、待ったぞ!」
「本当にすみません」
ソラリスはもう一度謝ると、テーブルの上に料理を置いた。
「ごゆっくりどうぞ」
「おう、ありがとよ」
「いえ、とんでもないです」
ソラリスが再び去ろうとしたその時だ。
「なあ、あんた」
一人の男が声をかけてきた。
「はい、何でしょうか?」
「ちょっとこっちに来てくれ」
「え……?」
男に呼ばれ、ソラリスは男に近づく。
「なあ、あんた……」
男はソラリスの腰に手を回してきた。
「ちょ、何を……」
「なあ、いいだろう?」
男はヘラヘラした顔でソラリスのお尻を撫でまわす。
「いいケツしてんな」
「そ、そんな……」
ソラリスの顔が青ざめる。
「やめろ!!」
そこにアレックスが割り込んできた。
「なんだお前は!?」
「その子から離れろ!」
「うるさい!俺の女に手を出すんじゃねえよ」
「誰がお前なんかの……」
「黙れ、この女は俺のだ」
「ふざけるな!!嫌がっているじゃないか」
「はぁ?こいつが勝手に勘違いしてるだけだ」
「本当か?」
「ああ、そうだとも」
「じゃあ、なんでそんなに震えてるんだ?」
「それは……」
「ほら見ろ、やっぱり怖かったんじゃないか」
「ち、違う……」
「強がらなくていい、俺は優しいからな」
「…………」
「な?だから、一緒に楽しもうぜ」
「やめて……」
「おい、それ以上近寄るなって言ってるだろ」
アレックスはソラリスの前に立ちふさがる。
「どけ」
「断る」
「なら、力づくでも通してもらう」
男は拳を振り上げた。
「うおおぉ!!」
アレックスは叫ぶ。
「死ねぇぇぇ!!!」
男の拳はアレックスに直撃した。
「ぐはぁ!?」
アレックスは吹っ飛ばされる。
「アレックスさん!?」
ソラリスは叫んだ。
「ははは、ざまあみやがれ!」