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朝飯
「何しにきた」「何でいま」「何でこれた」「何であの時邪魔をした」
呆けているのをそれ(以下佐藤)はにんまり見ていた。
「ありゃ。思い出した?」
ノーと言いたい。認めなくない。
だが。
俺はその名を知っている。何をしたかも。
肯定するしか無かった。認めなくない事実を。
「そうかそうか」と満足げに頷き、足を気にする事もなくこっちに近づいてきた。それに対し俺はケツを椅子に張り付かせるのに精一杯だった。
「腹が減った。飯ちょうだい。」
は?と言うのが十割だ。何こいつ急に。うーんこいつロクな大人にならないぞー。
だが、時刻十二時半。自分も腹が減っているのが現実だ。
作りますか。と無言でケツを上げそのままキッチンに足を向けた。
冷蔵庫を漁り、新鮮ではないキャベツをちぎり缶詰のコーンを皿に盛った。
俺特製漢サラダとノリノリで言ってない。
佐藤は教科書で「開いた口が塞がらない」の説明写真に出そうな顔を正面に、円卓に座った。
一分間同じ顔をした佐藤を尻目にキッチンに、食器を洗い食器棚に戻したぐらいに、佐藤は、はっと我にかえった。
「飯は?」
「ねぇよ!」