初めての能力
前話でああ言っておきながらすぐ出しました。今回は「はじめてのすきる!」って感じです。ではどうぞ。
場所(教室)
一旦落ち着いて今の状況を整理してみよう。まず俺は家で父さんと一緒にテレビを見た時『ゼウス』とかいうガキがテレビに映った。そして紅菜も家でテレビを見た時に『オーディン』っていうおじさんがテレビに出たらしい。最後に武村くんは『大自在天』っていう爺さんが同じくテレビに出たらしい。
つまりはそいつらは複数人でテレビをジャックしていたということだが⋯
「え、俺はアトゥムって言ってた」「私のところはクヌムって⋯」「僕はアヌだったよ?」「ワイんとこはアフラって言っとったで」「俺は⋯」「私は⋯」
こんな感じで様々な証言があるんだよなぁ⋯だが唯一共通しているところは何かの宗教の主神の名前だってところだった。
「あのテレビの後で《アビリティ》って言った人ー」
「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」
クラスのほとんどの人が手を挙げた。他の人達は流石に怪しいと思ったらしいが⋯
「どうする翁」
「なんかあったらやばいし言ってない奴らはこのまま言わないでいたほうがいいと思うが⋯」
「まあ確かにそれが安全かなぁ⋯」
こいつはこのクラスの委員長である兎田光、真面目で性格がいいためクラスの奴らからの評価は高い。しかもイケメンで成績良くて運動も平均以上とか天は二物どころか百物は与えている。
「じゃあ言ったって人は残って自分の能力とかを言ってから帰ってー!それと言ってないって人は絶対に言わないようにねー!」
***
場所(教室)
まとめた感じ、固有能力は特に法則などはないがやっぱり能力は普段の生活の特徴が反映されるところがわかった。本をずっと読んでる奴は言語理解って能力が、運動ができる奴には脚力強化っていう能力があった。
「こんなに言った人がいるなんて⋯」
「そう言ってるけど委員長も言ったんだよな」
「あーいや⋯僕、ライトノベルとか読んでてそれで面白そうだなって⋯」
呆れたように言っていたが委員長も言ったらしい。ちなみに委員長のには固有能力で天眼ってやつ、能力は注目、身体能力強化、統率やら10個以上あるようだ。ここでも才能の差がはっきり分かるな⋯
「そういえばこの能力ってやつとか、どうやって使うんだ?」
「本だと能力の名前言ったりしたら使えたけど⋯」
朝父さんに言ったのとかクラスの奴らから聞き出した時は何も起こんなかったしな⋯
「あ、そうだ。はっきり発動しようと思いながら言えばいいんじゃないかな?」
「じゃあ一回やってみるか⋯まずは普通の能力からやってみるか」
俺は息を整えて発動しようとはっきり考えながら言った。
「ーー視覚補正」
そうすると視野が狭まり、その部分が拡大して見えるようになった。
「うわ何これ!スコープとか使ってるみたいでなんか気持ち悪い!」
「え!?何が起こったの!?」
「いや、何か視界の一部が大きく見える感じっていうのか?そんな感じに見える」
「へぇ!僕も何か使ってみよう!じゃあ⋯」
「あんまりおかしなの使うと変な事態になるかもしれないから気をつけーー
そう言おうとした瞬間
「ーー注目!」
ガァァン!
そう委員長が言ってすぐに窓の外で大きな物音が鳴った。すぐに窓に近寄って外を見ると台車とそれに乗っていたと思われる壊れた機械やらのゴミが散らばっていて、その近くにこの学校の用務員のおじさんが倒れていた。
「大丈夫ですかー!」
「イタタ⋯ああ大丈夫だー!なんかいきなり首がそっちのほうに向いてな。それでバランスを崩したんだよ」
どうやらあのおじさんは委員長のスキルで強制的にこっちに顔を向かせられてバランスを崩して倒れてしまったらしい。俺は委員長に向かって言った。
「お前⋯さっき変なのを使うなよと注意しようとしたのに⋯」
「ご、ごめんなさい⋯ちょっと面白そうで調子にのっちゃって⋯」
アハハと笑いながら言ってくる委員長。まあ反省したならいいんだが⋯
「まあいいけど⋯今の能力の注目?ってやっぱり近くの人を自分の方向に向かせる能力か?」
「うん、そうみたい。けど誰を向かせるとかどっちに向かせるとかは調整出来そうにないや」
「それだったら明日、今日能力を聞いた奴らにも実践してもらうか。やっぱりそうゆうのは知っておいたほうがいいだろ」
そう俺は提案する。そのあと委員長は言った。
「それもいいんだけど⋯固有能力ってのも使ってみたくない?」
「あー⋯じゃあ一回やってみるか!」
注意しておきながらだが俺もこの能力とかいうやつが楽しく思えてならない。まあ今までなかった力だし興奮しても仕方ないだろ。
「じゃあいくぞ⋯」
何か緊張してきた⋯まあ何かわからないものだし当たり前か。
「ーー武器創造」
そうすると、辺りに昨日のような光が迸ってその後にはーー
「ん?これは⋯?」
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