『神』の正体
あんまり日常っぽくなくなるかもしれない⋯まあ面白くなれば何でもいいや!面白くなるかは分からないけど⋯では、どうぞ。
場所(翁の家)
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一ノ瀬 翁 17歳
*固有能力*
武器創造
*能力*
命中 集中 視覚補正 予見
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「何だ⋯これ?」
目の前には謎のモニターが浮かんでいる。これが『ゼウス』とやらが言っていた能力ってやつか⋯?武器創造って何だよ?しかもなんかエイムに必要そうなものばっかあるし⋯。
「おい翁、お前のにはなんて書いてあったんだ?」
「⋯名前と年齢、そして固有能力で武器創造っていうのと能力っていうのが4つ」
「父さんのには名前と年齢と固有能力っていうので氷結ってやつ、それと能力が2つある」
何なんだこれは?言葉から考えるに俺の固有能力は銃やら剣やらの武器を生み出すっていう能力⋯そして父さんのは対象を凍らせるってことか?あと父さんの能力も聞いておくか⋯
「父さんの能力って何?」
「俺の能力は⋯料理、睡眠⋯だな。改めて見ると弱そうだなぁ⋯翁は何だったんだ?」
「命中、集中、視覚補正、予見っていう4つだった」
やっぱりこの能力っていうのは普段の生活やら特徴を反映しているみたいだな。
「ハァ⋯今頃大騒ぎだろうなぁ。こんな事態⋯」
「まあ排神派は黙っていないだろうね」
排神派というのは簡単に言うと、科学を使えばあらゆる物事は解明できるため神はいない、という派閥だ。宗教団体に対して暴行を加えたりしているため『科学の狂信者』とも言われている。
「まあとりあえずそろそろ家を出る時間だろうし学校に行きなさい」
「うん、じゃあ行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
***
場所(通学路)
学校までは大体15分くらいだから⋯今からなら歩いて間に合うな。じゃあソシャゲでもやりながーー
「おーきーなっ!」バシッ
「痛ぅ⋯!」
このいきなり背中を叩いてきた脳筋は一応友達な与呂木紅菜というやつだ。こいつは脳がないんじゃないかと思うほど知能がない⋯気付いていないと思われているのかもしれないが俺はこいつが高校2年生にもなって九九を完全に覚えていないのを知っている。
「翁ー!お前朝のあれ見たかー!面白かったよなー!アハハハハ!」
「そんな叫ばなくても聞こえるよ⋯それとあばらが何本かいったから慰謝料な⋯」
「マジかー!幾らくらいだー?一千万あれば足りるかー?」
そう、こいつの一番面倒なところは家が金持ちなところだ。こいつと初めて会ったのも確かカツアゲされたのに何も疑わずに金を渡そうとしたのを止めた時でそれからなんか懐かれたんだ⋯
「いや金はいい、その代わりに今日は話しかけるな」
「アハハハハー!翁と話せないなら一千万のほうが安いぞー!」
「⋯⋯ハァ⋯」
こんな感じでうざいことこの上ないためこいつにはあまり頭を働かさずに会話している。
「なぁなぁそれで朝のあれ見たかー?」
「ああ見たよ、『ゼウス』とかいうやつだろ?」
「?何言ってるんだー?えーと⋯確か⋯おでんっぽい名前⋯『オーディン』とかいうやつだろー?」
「ハァ?」
何を言っているんだこいつは?ついに頭が(元からだが)おかしくなったのか?確かにテレビをジャックしておかしな放送をしていたのは『ゼウス』とかいうやつなはずだ。
「いやいやいやいや、紅菜、俺はたしかに『ゼウス』っていうガキだったのを見たぞ」
「私こそ『オーディン』とかいうおじさんを見たぞー?」
「じゃあクラスの他の奴らがどう答えるかで賭けようじゃないか。負けた方は勝った方に昼食奢りで」
「おういいぞー」
***
場所(教室)
ザワザワザワザワーーガラッ
「おはよー!」
「おはよう」
さてさっさと聞くか。
「なあ武村くん、今日の朝のやつ『ゼウス』って名乗ってたガキだったよな」
「いやいやー!『オーディン』って言ってるおじさんだよねー!?」
さあどっちだ!
「え?朝の人は自分のこと『大自在天』って言ってたお爺さんだったよ?」
「「ハァ?」」
どうやら、賭けは成立していなかったらしい。
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