第4話
「はい、13番佐藤晴子、18歳です。よろしくお願いしますっ!」
「それでは、なぜプロレスラーになりたいのか、なぜうちの団体を受けたのかをお願いします」
ショートボブのセクシー系の女性が私のメインの面接官かな?
「はい、まずこちらの団体を初めて知ったのは昨年の8月に駅前広場で行われていたお祭りのときでした。友人数人とお祭りを楽しんでいるとひときわ盛り上がっている場所を見つけまして、そこで初めてプロレスを見ました。そのとき、こ〜んなに華やかでキラキラして躍動的でかっこいいものがあるんだなと知り、本当のヒーローはここにいるんだなって思いました。私は特撮ヒーロー物や女性が活躍するアクションアニメなどが好きなのですが、そういうのが一気に吹き飛んだ気分になり、私もこんな世界に入って活躍したい、プロレスをやってみたいと思いテストを受けさせていただきました。あと、このことをおじいちゃ…祖父に相談したところ、ショウ子さんですか?こちらのベテラン選手が代表をしてるからまあ悪いようにはならないじゃろ、と言っていただきました」
っふー、キンチョーするー。たどたどしくもいろいろ考えていたことが言えたかな?言えなかったかもしれないけど自分の想いを飾ることなく伝えられた、と思う。
「そう、それ私のことかもね。おじい様によろしくね」
髪の毛に緑のメッシュを入れたキャリアウーマン風の女性に言われた。この人がショウ子さんかー。
「あ、はい、ありがとうございます。祖父にそう伝えます」
「…よく分かりました。えーそれでは高校ではどのような部活動してをしていましたか?」
「はい、高校生の時は園芸部に所属していました。活動内容は校内の樹木や花壇の世話、文化祭に向けて販売用や装飾用のお花や野菜を育てていました」
「えーと園芸部と。スポーツは何かやってませんでしたか?こちらに入団が決まった場合、肉体的、精神的にきつくなると思いますがどうですか?」
やっぱりきたこの質問。スポーツやってなかったらダメかなーと思いながらも正直に自分の考えていることを話す。
「はい、こちらのテストを受けると決めてから数ヶ月になると思いますが、毎日入団テストと同じ運動をしていました。それに園芸部では畑を耕したり農機具や木材・石材を持ち運んだりしていたので多少なりとも体力はある方だと思います。ただプロレスとか格闘技とかの動きの心得はまったくないので他の方たちより苦労すると思っています」
こういう時っていいことばかりじゃなく悪いところも言っておいた方がいいってお爺ちゃんからのアドバイスがあったのでその通りにしてみた。
「ご家族の方からは何か言われませんでしたか?スポーツや格闘技をやっていたならご家族の理解はあると思いますがそういうのはなかったんでしょ?心配とかされませんでしたか?」
「はい、母は何ヶ月か口をきいてくれませんでした。父と祖父と兄は消極的でしたけど賛成してもらえました。ただ家族から言われたくらいで自分の決めたことを諦めててしまうと、あの時やってればと後悔してしまうと思ったので私のやる気は本気だぞという気持ちを見せることでなんとか納得してもらえたと思います」
次話は9月5日を予定しています。