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第3話

「は〜い、こちらで面接しますので呼ばれたら番号順に前に出てきてくださ〜い。前に出てきたら受験番号、名前、年齢をお願いしま〜す。そのあといくつかこちらから質問をしたあと自己アピールや特技を披露してもらいますのでよろしくお願いしま〜す。それでは1番手前のあなたからどうぞ〜。」


私たちが休憩している間にリングの前に長机とパイプ椅子が並べられ、緑色のメッシュを入れたキャリアウーマン風の女性、青みかかったセミロングの女性、赤茶のショートボブの目元にほくろがあるセクシー系の女性、黒髪ロングの細っそりした女性が待機している。黒髪の女性の後ろにはオールバックに黒スーツの男性がいる。この人が社長さんかしら。あれ?この黒髪の女性、どこかで見たような…。


「1番、立野みづき25歳です。よろしくお願いします。」

そう自己紹介をした時、面接係の人と受験生の数人がちょっとざわついた。私はよく分からないけどスポーツ選手として有名人だったみたい。


「それではなぜプロレスラーになりたいのか、なぜうちの団体を選んだのかをお願いします。」

「はい、私は先々月まで某実業団のレスリングチームに所属してまして、このあいだ行なわれた選考会で代表に選ばれることが叶いませんでした。そうしたら上の方からチームのコーチにならないかとお誘いを受けたのですけれども、まだまだ現役で戦いの場に身を置きたいと思い、以前から興味のあったプロレスの世界を選ばせていただきました。こちらの団体を選ばせていただいたのは入団テストのタイミングが良かったのと先輩選手からのすすめからです。」


ん?今代表って言った?どこの代表?さっぱり分からない。私の頭の中はクエスチョンでいっぱいです。なんてこと考えてたら自己アピール聞けてなかったよ。あっ、次の人だ。


「は〜い!みなさんこんにちは〜っ!ふたつの頭のお団子は、なんでもできる証拠なの!5番、ウェーブプロモーション所属、堀田晶20歳です。よろしくお願いしま〜す!」

え、えぇ~っ!何それ?何そのアイドルの自己紹介みたいなことするの?しかもかわいい振り付けつきじゃない。面接してる方たちも私たちもぽか〜んだよ。


「…あー、あなたがそうか。そちらの社長さんから話は聞いてるよ。半分アイドル半分レスラーを目指すってやつね。まあ最低限の体力はありそうだしいいんじゃない?一応入門したらデビューするまではこっちのやり方に従ってもらうことになるけどそういうのは聞いてる?」


へえ〜だからおしゃれジャージだったんだ。でも両方やるのってなんか大変だと思うんだけど大丈夫なのかな。自己アピールは国民的アイドルグループのヒットナンバーをスピーカー付きワイヤレスカラオケマイクで踊りながら歌うのね。っていうか自分で用意してきたのね。それにしても踊りながら歌うのってすごいな〜。さっき体力テストが終わったばっかりなのに息切れせずに一曲歌い終わっちゃったよ。アイドルを目指すだけあって歌がうまいね〜。思わず曲に合わせて手拍子しちゃった。アイドルの体力と心肺能力を侮ったらダメね、なんて思ってたら私の番が回ってきた。

次話は8月25日を予定しています。

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