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第6話

今日のお鍋はなんだろな〜、なんて考えながら合宿所に戻ると

「ちょっとあなたたち!どこで何やってたのよ!」

とアイドル候補生の堀田さんに声をかけられる。そういう言い方されると私たちが内緒で悪い事してきたように聞こえるのでちょっとやめてほしいところです。しかもあなたたち!って言いながら私にばかり話しかけるのもやめてほしいです。


「えっと、クールダウンていうですって。激しい運動をした後は必ずするそうですよ」

「あ〜これだけ疲れたのにご苦労なことね。少しは休んでた方がいいんじゃないの?」

あれ、もしかして心配してくれてるのかな?

「立野さんや山田さんが言うには、明日に疲れが残らないようにとか筋肉痛になりにくいとかあるようですよ」

「何よ、そんなの大丈夫に決まってるじゃない!スーパーアイドルの私は若さと元気ハツラツで筋肉痛なんて関係ないのよ!」

若さっていうなら私の方が年下なんだけどなあ。


「そういうものですか?ホラ、ダンスレッスンとかも未来のスーパーアイドルには欠かせないものじゃないですか。レッスン後に整理体操とかしなかったんですか?」

「……と、とにかく私には必要ないの!そんなことより食事の準備を始めないと!もう食堂のおばちゃんが待ってるわよ!」

ちょっとトゲのあるような言い方になっちゃったけどしょうがないよね、私だって疲れてるんです。


「ホラホラ、疲れてるかもしれないけどそろそろ準備しましょう」という前田さんの一声で全員が厨房へ移動すると、調理台にはお鍋とか食材とかこれから使うのもがすでに用意されている。前田さん、準備ありがとうございます。今日のメニューはこんな感じです。


・海鮮寄せ鍋風ちゃんこ

タラの切り身11切れ、ホンビノス貝11コ、むきえび11尾、木綿豆腐2丁、人参1本、白菜1コ、長ネギ4本、しめじ2パック、しいたけ1パック

タラ、豆腐、白菜、しめじは一口大の食べやすい大きさに切りホンビノス貝は殻ごと洗い50度のお湯に浸けて砂抜きをする。エビは背わたを取る。人参は5ミリくらいの薄い輪切り、長ネギは緑の部分まで1センチくらいのななめ切り、しいたけは軸を取る。

鍋に湯を沸かしみりん、醤油、酒、顆粒だしを入れ、煮立ったらタラ、ホンビノス貝、えびを入れしばらくしたら白菜、人参、しいたけ、しめじ、長ネギ、豆腐を入れ全体に火が通るまで煮たら完成。


・豚肉とキャベツのピリ辛炒め

豚肉500g、キャベツ1/2コ、ニラ2束、パプリカ(赤)2コ

豚肉、キャベツ、ニラは食べやすい大きさに切る。パプリカは中の種を取り縦に1センチ弱の太さに切る。フライパンに油を入れ豚肉を炒め半分くらい火が通ったところで取り出す。同じプライパンでキャベツを炒め、しんなりしてきたら豚肉を戻しニラとパプリカを入れ炒める。塩、胡椒、醤油、豆板醤で味付けしたら完成。


・水菜ともやしとカニカマの中華風サラダ

水菜4束、もやし3袋、カニカマ2パック、にんにく2かけ

水菜は根っこに近い部分をよく洗い食べやすい大きさに切る。もやしは熱湯で30~1分くらい塩を入れたお湯でゆがき粗熱をとって水気を切る。カニカマは手で細くさく。にんにくはみじん切りにしフライパンにごま油と一緒にいれ火にかける。耐熱容器に水菜、もやし、カニカマを盛り軽く塩・胡椒を振ってから熱したごま油を上からかけたら完成。


お鍋はあっさりしてる割に色々な出汁が白菜やお豆腐ににしみてるし、貝もえびも硬くなってなくて美味しいのよ。貝とえびが1人1匹しかないのが残念なところ。あとテレビでよく見てたグルメ特集で、お鍋の〆には雑炊とかうどんにするって聞いてた時は何とも思わなかったけど、このスープで作ったら美味しいんだろうなあ。我が家でお鍋にした時は、ご飯は同時に出てきてたので雑炊で〆るってことはなかったから。

豚肉の炒め物もピリ辛具合がちょうど良くてご飯が進むね。パプリカが彩りだけじゃなくいいアクセントになってるのよ。

水菜のサラダはシャキシャキしててごま油とにんにくの香りがグーなのよ。カニカマの塩気もマッチしててちょうどいいし。最初、熱したごま油をサラダにそのままかけた時は油っぽくなっちゃうじゃない!って思ったけどそんなことなく美味しく食べられました。サラダって箸休めとか口の中をさっぱりさせて一旦リセットするっていうのだと思ってたけど、これは箸休めならぬ箸進めってとこかしら?


でもね、そんな風に美味しく味わって食べられるのは最初の半分くらいで後の半分は体を大きくしなければならないっていう義務感なのよね。この半分の義務感てそのうち無くなるものなのかしら。

食事を終わらせて厨房の片付けをした後、お風呂の準備をしながら洗濯。ちょっと時間が取れたので立野さんに質問してみよう。


「すみません立野さん、明日筋肉痛にならないようにするには、この後どんなことしたらいいですか?」

「そうねえ、少しぬるめのお風呂にゆっくり入って血行を良くして、寝る前に今日鍛えたところの血流を促すようにマッサージすれば明日はだいぶ違うんじゃないかしら。マッサージはそんなに強くしたらダメよ。後は早く寝ることね」

私は「ありがとうございます、早速やってみますね」と言ってからお風呂に入り、ついでにお風呂の中で軽く腕や首回りを伸ばしたり回したりストレッチっぽいことをする。お風呂から出たら洗濯物を干し当番のお風呂掃除を終わらせて、前田さん監修の元明日の朝食の下準備をしてから部屋に戻る。それから立野さんに教わった通りマッサージをしてちょっと筋肉が張ってるかなっていうところをストレッチをしていく。工藤さんも私と同じようにストレッチしていたので「これで筋肉痛が無くなるといいですねえ」とか「明日はどんな練習をするんでしょうねえ」とか「今日のお鍋、また食べたいねえ」とか、たわいのない話しながら体をほぐしていく。


そんなこんなしているとだんだん眠くなってきたのでそのまま身を委ねることにした。工藤さんに「おやすみなさい」と告げてベッドに横たわる。たった1日だったけど色々な初めてのことがあったなあ。これで明日、体が痛くなかったらいいのになあ。

次話は3月25日を予定しています

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