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第7話

プロレスリング・ドリームファクトリー旗揚げ5周年記念!

2日連続で投稿します!第1夜、よろしくど〜うぞ!

山田さんがセコンドの肩を借りてお客さんの拍手の中控え室に戻っていくさなか、松本さんがベルトを抱えて上田さんの腰に巻き直そうしています。私は右腕のサポーターを外しアイシングをしていると、「マイクを持ってきて」と指示を受けました。こんなことはあまりないことなので、珍しいなーと思いながら本部席へ。戻ってマイクを渡すと松本さんと私にリングを降りるように言われました。


一人リング上にに残った上田さんを見るとガヤガヤと帰り支度をしていたお客さんの動きが止まり、何かありそうだと注目し始めました。

「えー、本日もご来場ありがとうございました。今日の大会、そしてタイトルマッチはいかがでしたか!」

暖かい拍手と声援が起こり、お客さんにも満足してもらえたようです。


「ありがとうございます、私も満足できる防衛戦でした。ちょっと右腕が痛いので明日から食事とか事務仕事とかが不自由になるかもしれないけどね」

ちょっと笑い声が怒りながらも「ショウ子さんなら大丈夫!」なんて声がかかります。


「今日の挑戦者の綾はデビューしてから今年で4年?5年?いい選手に育ってくれて嬉しい限りです。タッグチャンピオンにも綾の同期がいますし来月には新人が3人デビューする予定でいます」

おおーってお客さんは反応してますけど、新人さんのデビューって正式に決定してましたっけ?プレデビィーのことしか聞いてませんよ?


「若い力がどんどん出てきて嬉しいけど私もウカウカしてられないわ。でも、他の選手はどうかしら?今の地位にいるだけで満足しちゃってない?今回は綾が挑戦してきたけどそれがなかったら何ヶ月タイトルマッチが組まれなかったのよってね」

お?大会のシメの挨拶と何かのお知らせとばかり思っていましたけど、なんか事情が変わったみたいです。


「せっかく作ったこのベルト、優勝決定戦のトーナメントから今日までのタイトルマッチまで面白くない試合なんてひとつもなかったと思うんだけど、そんなに魅力がないかしら?」

そんなことあるわけないです!私にとってまだ遠い存在ですけど、いつかはっていう思いはあります!初めてベルトを見せてもらった時からずっとあります!お客さんからも「そんなことないぞー」とか「格好いいベルト欲しいぞー」とか聞こえてきますが、お客さんには挑戦権はありませんよ?


「今日、自分たちで行動を起こした二人はひとまず置いといて、琴音、晶、あなたたちはどうなの?同期があれだけの戦いを見せたのに敵討ちとかの反応もなし?ひな子、悠、愛菜、下から突き上げが激しくなってるのにそんなことでいいの?私なんかがーとか思っているならその考えはもうやめなさい」

会場がシーンとなって上田さんの話をやじを飛ばすでもなくじっくりと聞いています。お客さんもタイトルマッチのたびに盛り上がっていたので挑戦者の少ないことに上田さんに共感するところがありそうですね。


「香織、芹香、いつでもリベンジマッチを受ける気なんだけど来ないわね。一回タイトルマッチをしたから一周するまで待ってるなんてしてないわよね?」

上田さんの熱量がすごいです。確かにその間隔が開いてるとは思っていましたが、タイトルマッチっていつも以上の激しい試合になるので、体のケアも考えるとそれが当たり前だと思っていましたが、上田さんからするとこの間隔は長すぎるようですね。お客さんもこれはただの挨拶やマイクパフォーマンスじゃないっていうことに気づいたようで、なんとなく空気が緊張したようになった頃、控え室から豊田さんがやってきました。マイクを取りリングに上がります。


「ショウ子さんが珍しくマイクを持ったから何を言うかと思ったら…トーナメントもこれまでのタイトルマッチもどれも素晴らしい試合でした。確かに、私たちはそのベルトに挑戦することに資格がないとか遠慮していたかもしれません。でも、ドリームファクトリーの初めてのベルトに魅力がないなんて思うわけないじゃないですか!挑戦者として名乗り上げなかったことに関しては言い訳しません。でもショウ子さんに言われて目が覚めました。ちょうどシングルプレイヤーを目指したところなので、今更ですけど私がそのベルトに挑戦します。受けてもらえますか?」

重苦しい空気が一変し、会場全体からエツ子コールが鳴り響きます。


「エツ子、もっとあなたから早くきてくれたら嬉しかったけど断る理由なんてないわ。いいわ、最高の舞台を用意しておくから楽しみにしていてね」

おおお〜っと地響きみたいな歓声の中、上田さんと豊田さんが握手を交わし、タイトルマッチが行われることが決まりました。でも来月は商店街の入社式とか奉納プロレスがありますのでその次くらいでしょうかね、今から楽しみです。


タイトルに関わっていなかった先輩たちが上田さんの発言を機にもっともっと盛り上がっていくといいですね。そして私も、いずれはチャンスが巡ってくるかもしれないので、それまでにやっておかないといけないことと超えないといけないハードルがいくつもありそうです。受け身にスタミナに体力に必殺技…必殺技かぁ。

立野さんにはレスリングの技を生かした投げ技や予選スラム、山田さんにはどんな体勢からでも入れる腕ひしぎ十字固め、堀田さんにはルチャ・リブレからなる飛び技やストレッチ技、工藤さんにはショルダータックルや無双などがパッと思いつくんですよね。体格やファイトスタイルに合わせてそれぞれ得意な技がありますが、私には何があるんでしょうか。初めて松本さんから勝つための特訓中にダブルアームスープレックスを練習しましたが、その後はほとんど使ってない気がしますし、結局その試合ではタイガードライバーに変わってしまいましたから。しかしそれは上田さんがよく使う技なので私が使ってもいいのかと迷っていたりします。よく言えばオールマイティーにそつなくこなす分これという突出したものがないんですよね。あとキックも練習しましたけどそれ以来っていう感じなんですよね。どうしましょう。



いつものように同期だけのお疲れ会で山田さんの奮闘をねぎらいつつも、いつの間にか上田さんの強さの秘密に迫る話に自然と変わっていきます。

「あのエルボーはエグいよねー、体が痺れて記憶が吹っ飛んだことあったもの」

「スタミナもすごかったですよ。こちらがどんどん仕掛けていっても効いてるか効いてないかわからないうちに私のスタミナがなくなっちゃいましたから」

「ホントに。それ以上に尋常じゃ考えられないくらい痛みに対する耐性があるのかもね」

「あの体で空中戦もできるのよね。大きい人に飛ばれると私たちの立場がなくなっちゃうよ」

「あとは臨機応変に戦い方を変えられるというか相手に合わせても対処できちゃうのがね、経験値がハンパないんでしょうね」

「あんまり力で押し込んでるのって見ないから唯一弱みがあるとしたら力くらべ?だとしたら次の豊田さんとはこれまでと違う試合になるかもね」

とまあ出てくる出てくる上田さんへの賛美の声が。でも当然ですね、現チャンピオンなんですから。それに引き換え私って…


「晴子はねぇ、上田さんと渡辺さんを足して3で割ってキャリア分を引いた感じよね」

いつの間にか私の話になってるじゃないですか、そかもなんですか3で割るって。普通は2じゃないんですか?

「バランスはいい分あと2歩ほど何かが足りない感じ?」

「注目される試合になると今までと違う変な動きをするからそっちの方向で行ってみる?」

「晴ちゃん独自の技っていってもねえ、ねえ?」


途中からお酒が入ってちゃんと聞いてないような、考えがまとまらないような感じになってしまっていますので、相談するのは別の機会にしようと思います。

次話は8月6日を予定しています

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