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第5話

前話で出場選手を間違えるというポカをやらかしてしまいました(第一試合)ので修正しました


第三試合、大森さんと堀田さんが青コーナーの入場口に現れました。お二人とも浴衣をロングガウンのように羽織っての入場です。やっぱりこっちの方が動きやすですよね。

ロープをくぐりリングに入るとすぐに浴衣を脱ぎ臨戦態勢の大森さんとトップロープを掴みジャンプで跳びこえる堀田さん。婦人会の皆さんがあーあ、せっかく選んだのに〜という顔で見ています。


続いてダイヤモンズの中島さんと宇野さんがやってきました。浴衣を羽織り大股でやってくる中島さんと、浴衣を羽織るどころか夏の音楽フェスでノリノリのお客さんのように片手で振り回しながらリングに向かう宇野さん 。婦人会の皆さんががっかりしてるじゃないですか。

中島さんはリングに上がると大森さんの前に立ちにらみ合いを始め、宇野さんはコーナーの最上段に登り浴衣を羽織り直しています。きっと婦人会の皆さんのがっかりした様子が見えてやりすぎたって思ったんでしょうね。


リング中央でボディチェックを受けている最中でも視線を外さない大森さんと中島さんがだんだんと近づいてきて鼻がぶつかりそうです。大森さんは首を左右に傾かせ昔のヤンキーマンガでよくあったメンチを切る感じですか?「やんのかコラ、あー?」という声が聞こえてきそうです。

しばらくそんな状態が続いたので堀田さんと宇野さんがコーナーに下がると、ピリピリとした雰囲気のなかゴングが鳴らされました。それをきっかけに大森さんが中島さんの胸を突き飛ばすとその胸元にミドルキック!パシーンという乾いた音が会場に響くとおおーと軽くどよめきが起きました。それにやり返す中島さんのミドルキックはドスーンという重い一撃にまたもやどよめきが起きます。倒れた大森さんは悔しそうにマットを叩き立ち上がるとミドルキックを連発して中島さんを倒すと、オッシャーー!と叫びました。中島さんもすぐに立ち上がり重い一発をお返しします。

そこから大森さんが2、中島さんが1の割合でキック合戦が始まりました。それに合わせて客席から「オイー」とか「ッシャー」とか声が起きるとキックのペースが早くなってきます。時折胸を押さえてうずくまりそうになったりロープに逃げようとしますがなんとか踏みとどまる姿にお客さんの声援も大きくなってきます。すると、お二人が同時に叫ぶとロープに走り、勢いをつけたフロントハイキック!これは相討ちとなり両者ともダウン!大拍手のなか宇野さんが大森さんに、堀田さんが中島さんに向けてスワンダイブ式フライングボディプレス!これにはお客さんもびっくりしています。お互いのパートナーを引きずってコーナーに戻ると強引にタッチを成立させて宇野さんと堀田さんの対戦になりました。


ロープワークから宇野さんがアームホイップ、足をすくってフォールはカウント1で返し、同じことを堀田さんがやり返します。ドロップキックを同時に放も相打ち、ヘッドスプリングで立ち上がるとお客さんから大きな拍手が起こります。宇野さんが堀田さんをロープに振るとショルダースルーを跳び箱のように躱されるとヘッドシザースホイップで場外に落とされてしまします。そこへ堀田さんがロープへ走りプランチャ!と思わせるフェイントからバク宙でリングの中央まで下がるとお客さんを煽ります。

宇野さんがリングに戻ると強引にロックアップ、バックに回り力ずくで持ち上げ前に倒すと背中にフットスタンプをしてからヒザの裏に乗りロメロスペシャル!グイグイと体を揺らして締め上げた後腕をほどいてチンロック。ここで大森さんがカットに入ると中島さんが大森さんを場外へ投げ捨て堀田さんにツープラトン攻撃。赤コーナーに振り二人同時に顔面へフロントキック!足を払ってストンピング!そして選手交代。

中島さんは堀田さんの顔をセカンドロープに引っ掛けるとトップロープとセカンドロープの間に乗り、コーナーポストと両足で顔を挟むような拷問技!カメラマンさんがシャッターチャンスとばかりと回りこみフラッシュが焚かれます。でもこれは反則なのでレフェリーにカウントを数えられてブレイク。

その後もお腹や腰あたりにミドルキック、フライングメイヤーからスリーパーホールドで攻めていくと大森さんが低空ドロップキックでカット、堀田さんを救出してタッチ。それに怒った中島さんが大森さんに突っかかりそのまま場外へなだれ落ちてしまいました。


両者が立ち上がるとその場でキック合戦が始まりました!そうだ、言い忘れてましたが、今日はビアガーデンプロレスため鉄柵は用意しておらず、安全マットのすぐ近くにテーブルが用意されているんです。そんな目の前で大森さんと中島さんがキック合戦をするのでお客さんがびっくりしちゃいますよ。

しばらく蹴り合っていると中島さんがヘッドロックで捕まえるとリングのコーナーをひとつ曲がるとその場でキック合戦が始まりました。逃げていくお客さんと写真に収めようとするお客さんで人だかりができてきます。すると「こっちこっちー」というお客さんの声が聞こえると大森さんが中島さんの胸を突き飛ばしながらリングのコーナーを曲がりお客さんもカメラを持って待ち構えているなかで三度目のキック合戦が始まります。キックを受けるたびに汗が霧状になって飛び散っています。あ、次のキック合戦をするであろう場所を、お客さんがテーブルをどけて作っていますよ?それにしても、キック合戦は予想していましたが、殺伐とした空気を持ちながらもこんなにお客さんを楽しませることができるなんて予想外でした。


そうこうしているうちに四度目のキック合戦が始まりますが、お二人ともかなりお疲れ気味のようでスピードも威力も弱くなってきています。少しキック合戦をしては少し離れて肩で息をしています。そこへ宇野さんが大森さんに、堀田さんが中島さんに向かってプランチャ、が同時に決まるとなぜかハイタッチ!今日は敵同士なの忘れてませんか?それを思い出したようにその場を離れ大森さんと中島さんをリングに戻していきます。



「残り時間1分!」

え!もうそんな時間ですか。宇野さんを相手に大森さんと堀田さんの攻撃が続けているとそんなアナウンスが聞こえてきました。楽しか〜ったひと時が〜今はも〜う過ぎていきます〜

なんとか粘りながら反撃の糸口を探している宇野さん、勝負を決めさせまいとカットに入る中島さん、それを押さえる大森さん、堀田さんが宇野さんにムーサルトプレス!フォールはカウント2!もう一度、というところでゴングが鳴らされて時間切れ引き分けとなりました。引き分けのアナウンスと同時にリングに倒れる4人の選手にはお客さんから大きな拍手が送られます。なんとか立ち上がりお互いの健闘を称えあって客席の方に挨拶をすると、先ほどより大きな拍手と歓声がが送られました。


セミファイナルの第四試合、青コーナー側に渡辺さんと中野さんが現れました。中野さんは白、渡辺さんは黒を基調とした浴衣でおしとやかにゆっくりと入場してきましたがちょっと近寄りがたい雰囲気を漂わせています。セコンドとしてロープを広げている長谷川さんの表情が引きつっているように見えます。リングに入るとすぐに浴衣を脱ぎ作戦会議を始めました。

次に赤コーナ側に登場したのはホワイトハンカチーフのお二人です。立野さんを先頭に萩原さんとやってきました。その肩にはタッグのチャンピオンベルト、地元の皆さんには初お披露目になりますね。浴衣姿にチャンピオンベルトは一見不釣り合いになると思いましたが帯の上から腰に巻くよりも大丈夫みたいです。リングを一周しながら白いハンカチを振り回しているお客さんたちの声援に応えていきます。

この時間になるとお客さんもそろそろ出来上がってリングに乱入したりセコンドに絡んだり汚いヤジが聞こえてくるかもと考えていましたが、幸いにそんなことも起こらずひと安心です。


リングに上がりチャンピオンベルトを頭上に掲げた後にレフェリーに預けるとボディチェック、いよいよ試合開始です。

先発は中野さんと立野さん、積極的に仕掛ける中野さんに対しやや押され気味ですがしっかりと受け止めている立野さん。グラウンドテクニックは互角でも気迫で上回る中野さんがバックを取り前に倒すと立野さんの足を降りたみ背中にヒザを落としてからヘッドロック。これは立野さんが足を伸ばしてロープブレイク。

中野さんはすぐに立野さんを起こすとロープへ、ジャンピングニーアタック!躱されて逆にスピアを受けてしまいました。立野さんは中野さんを起こすとロープへ、するとダッシュでコーナーの渡辺さんに向かいフロントハイキック!なんで?なんでそっちへ行くんですか?

渡辺さんのことを気にせずに中野さんを捕まえるといきなり予選スラムの態勢!これは踏ん張られて投げられずにいるとエルボーからニーリフト、ロープに振られてジャンピングニーを食らってしまいました。

中野さんはフライングメイヤーからスリーパーホールド、立野さんを押しつぶすように体重をかけて動きが止まったところでフォール、カウントは2。コーナーに戻り渡辺さんとタッチすると二人で立野さんをロープに振るとダブルのショルダータックル、中野さんのギロチンドロップと渡辺さんのお腹へのフットスタンプが決まります。


渡辺さんは立野さんのボディに攻撃を集中させます。右手と右足を掴み無防備なお腹にヒザを落としたりボディシザースで締め上げていきます。ぐったりした立野さんを引きずり起こすと背後に回りバックドロップ、腰を下げて耐える立野さんの体を浮かせることはできましたが投げられずにいます。すると着地の直前に立野さんが一回転と同時に渡辺さんの足を取りながら立ち上がりアンクルホールド!両手を使って必死にロープに逃げようとするもその都度引っ張り戻されてしまいますがなんとかロープを掴んでブレイクします。


渡辺さんを連れてコーナーに戻ると萩原さんとタッチ。渡辺さんをボディスラムで投げるとそのお腹に向けて倒れるようにヘッドバット、続けてその場跳びヘッドバット、ロープの反動を利用してダイビングヘッドバット!ファオールは2!そこからハーフボストンクラブから体を反転させフェイスロック!STFは立野さんがカットします。

萩原さんがうつ伏せ状態の渡辺さんを引き起こすとバックに回りデッドエンド!フォールは2、立野さんとタッチします。立野さんは渡辺さん羽交い締めにすると萩原さんのヘッドバット!これは寸前で躱し立野さんへ誤爆を誘いました。そこからサミング、チンクラッシャー、バックドロップホールドと連続攻撃もカウント2で返されると中野さんとタッチ。

中野さんは立野さんにフロントネックロック!カットに入ってきた萩原さんには渡辺さんがコブラツイストで捕まえると、レフェリーが「どうだ、ギブか?」と聞きながら立野さんの様子を見ています。抵抗しているようですがだんだんと動きが鈍くなったタイミングでフォール、ギリギリのところで肩を肩をあげました。ここで渡辺さんとタッチ。

渡辺さんが立野さんをバックドロップで投げると萩原さんが渡辺さんに投げっぱなしのジャーマンスープレックス!中野さんが萩原さんにエクスプロイダー!立野さんが中野さんに予選スラム!お互いに技を掛け合って4人ともリング中でダウンするとお客さんもヒートアップしてきたようで声援が大きくなってきました。


渡辺さんが萩原さんを場外に蹴り落とすと中野さんと一緒に立野さんを起こします。2対1の状態ですが立野さんはお二人にエルボーを連打、必死に抵抗しますがすぐに返り討ちにあってしまいました。ロープに振られてダブルのショルダータックル、背後に回られてダブルのバックドロップ、渡辺さんの4の字ジャックナイフで丸め込まれます。中野さんがカットに入る萩原さんをロープ際で食い止めているとなすすべなく3カウントが入ってしまいました。連続攻撃からあんな風に丸め込まれたら身動き取れませんよ。


萩原さんに介抱されている立野さんを見下ろすように見つめる渡辺さんと中野さん。何やらお腹のあたりに手をやり相手を指差していますね。これはもしかするとタッグチャンピオンにタイトルマッチを要求しているのでしょうか?七夕祭りのイベントとはいえ直接対決で勝利したわけですからそれを言う権利はありそうです。そして中野さんと両手を上げてお客さんの声援に応えると颯爽とリングを降りていきました。

KENTA選手が11年ぶりにプロレスリング・ノアに再入団しました

若い選手が活躍している中でどのような戦いを繰り広げるのか楽しみです

次話は2月25日を予定しています


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