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第9話

大会二日目。

タッグトーナメントの試合はセミファイナルにMFS対タップアウト、メインイベントでホワイトハンカチーフ対CRGのローゼンウォルフ行われることになりました。

そしてトーナメントで負けた選手たちは改めてチームを組んだり組まなかったりして今日の試合に臨みます。


第一試合、サクヤさんとナギサさんのインティライミ姉妹に堀田さんが加わり、宮原さん・ホワイトスワンこと白鳥さん・工藤さんが組んで戦うシックスウーメンタッグマッチです。しかもトルネードタッチルールですって。さらにこの試合のためなのか九龍城からの依頼があったのかわかりませんが鉄柵が撤去されています。これはもう場外へ飛びだし放題ってことですね。これは対戦相手もそうですがお客さんやセコンドも大変そうです。目立ちたがりの堀田さんに触発されて白鳥さんが何かやらかしそうです。


第二試合はCRGの原口さん・九龍城のヘイトさん対ダイヤモンズの北宮さんと私です。この中で私が一番下っ端なので北宮さんの足を引っ張らないようにしないといけません。


第三試合はなんとシングルマッチです。豊田さんとCRGの吉岡さんが対戦します。熱血で突進型でパワーファイトが得意な豊田さんと冷静な分析型でテクニシャンなイメージのある吉岡さんとの対戦は、一部のマニアックなファンの方が唸りそうな対戦カードらしいです。もしかしたら、勝った方が次期挑戦者に名乗り上げるかもしれない、らしいです。


休憩と鉄柵を設置する時間をはさみ、第四試合はタイトルマッチの前哨戦、上田さんは大森さんと組み渡辺さんは宇野さんと組んでのタッグマッチです。この試合で相手の様子を見たり作戦を組み立てたり弱点を攻めてダメージを与えたりこの試合で弱点を作ったり、逆に弱いふりをして本当の弱点を隠したりと、普段の試合とは違う駆け引きや心理戦があるみたいです。


セミファイナルにMFS対タップアウトです。この試合は前回の試合のように我慢する時間が多そうですが、いかに松本さんが攻撃に耐えて横田さんにつなげるかにかかっていると言われています(記者さんがリングの準備中に話をしていたのを又聞きですが)。しかし中野さんも山田さんも一瞬の動きで相手にギブアップをさせる技があるので目が離せない試合になりそうです。


そしてメインイベント。ホワイトハンカチーフ対CRGのローゼンウォルフの対戦です。この両チームは平均するとどちらも同じくらいの力らしいです(前出の記者さんの話によると、です)。この試合は展開が読めないらしいですが、わたし的には大木さんのムーンサルト・フットスタンプが決まれ、もしかしたらもしかするかもしれません。



まずは第一試合、青コーナーにインティライミ姉妹・堀田組の入場です。入場口に現れたお三方はお揃いの緑、白、赤のマスクを被っています。真ん中にいるのが堀田さんかしら?それにしてもいつそんなマスクを用意したんでしょうか、両手を振ったり投げキッスをしながら仲良くリングサイドを回りお客さんにアピールをしていきます。

リングに上がるとコーナーに登りマスクを脱いで笑顔を振りまきます。ちょっと緊張していた会場の雰囲気を南米の風が一気に吹き飛ばして明るくて楽しい場所になったかのようです。

対する赤コーナーの宮原さん・ホワイトスワンこと白鳥さん・工藤さんがやってきたのですが、白鳥さんが入場口でカメラマンさんを前にポーズを取っていると宮原さんがそこへ割り込んでポーズを取り始めました。怒った白鳥さんはさらに割り込みポーズを取ると宮原さんと小競り合いが始まってしまい、そのままリングへ向かっていきます。その後ろからついていく工藤さんがやれやれ、これ大丈夫か?みたいな表情です。試合開始前なのになんか疲れてしまったようです。


ゴングが鳴り試合開始、サクヤさんと白鳥さんが先発です。サクヤさんがいきなりロープワークで翻弄し飛びつきヘッドシザースホイップ、投げられた白鳥さんが立ち上がり向かってくるとアームホイップで投げるとすぐにフォール。返されるといつの間にかナギサさんが加わりダブルのアームホイップ、股裂き、上体だけ起こしてダブルのドロップキック。セカンドロープに上半身だけ場外に出すと足の裏で顔面をサンドしお客さんに見せつけていきます。恥ずかしい辱めの拷問技にカメラマンさんもシャッターチャンスとばかりに寄ってきます。そこになぜか堀田さんも参加し写真を撮るそぶりをしています。って何してるんですか!そこに宮原さんが白鳥さんの救助に乱入!かと思ったら白鳥さんを場外に蹴落とすとサクヤさん、ナギサさんに立て続けにドロップキックでこれまた場外に落とすと得意のポーズでお客さんを沸かせます。そこへ白鳥さんが戻ってきてそのポーズの邪魔をして小競り合いがまた始まりました。あーあ、味方同士なのに何をしたいんでしょうか。

そこへ堀田さんのスワンダイブ式ドロップキックで二人を場外へ落とすとそのままプランチャ!すぐに立ち上がり倒した二人を捕まえると、今度はリングに戻ったサクヤさんがナギサさんを発射台のように使い高ーーく舞い上がり場外へダイブ!!!技を繰り出した方も受けた方も危ないって思うくらいの高さまで飛んでしまいました!お客さんがザワザワとする中、シュッと立ち上がった無事なサクヤさんを見ると大歓声が起こりましたがちょっと痛そうです。堀田さんが何気なく肩を貸して青コーナーに戻っていきます。


リング上はナギサさんと工藤さん。先程までの派手な空中戦とは違い手を合わせて力くらべが始まっています。上から押し付けたり両手を広げて胸や肩をくっつけている姿は、見てる方も力が入ってしまいます。しばらくするとナギサさんはだんだんと押し負け両手をマットに押し付けられてブリッジの体勢になってしまいます。そこへ工藤さんが飛び乗ってブリッジが潰れ…ない?ムキになって工藤さんが体を揺すったり体重をかけるように大きく動くと、ナギサさんは足を使って巴投げ!体を入れ替わり工藤さんが下になってしまいます。ナギサさん両手ごとマットにつけてフォールの体勢に。返す勢いを使ってナギサさんが立ち上がりそのままホイップ、そこでやっと両者が離れます。

投げられた工藤さんはナギサさんにショルダータックル!少し押されたナギサさんはロープの勢いを使って工藤さんにタックル!何事もなかったような態度に怒ったナギサさんが二度目のタックル!ビクともしない工藤さんに三度、四度と繰り出すも倒すことができません。それどころかナギサさんの方がダメージを受けているっぽいです。後ろに倒れて場外に転がって落ちていった姿に工藤さんが珍しく両手を上げてガッツポーズ!客席をぐるっと見ているとニュートラルコーナーから堀田さんがフライングボディアタック!それを受け止めたぁ?続けてサクヤさんも同じく飛んだ!それも受け止めた!その二人をボディスラムのように自分の体ごとマットに叩きつける!(※1)カウントは2!相手が自自分より小さいとはいえ二人を捕まえて投げるなん凄いパワーよ。

ナギサさんが復活すると工藤さんにブレーンバスターを仕掛けます。耐えていると宮原さんがやってきてナギサさんにダブルのブレーンバスターで返そうとすると、さらにサクヤさんと堀田さんがやってきて宮原さんと工藤さんを三人で投げようとしていますよ?なんですかこれ、一体どうなっちゃいます?そこに白鳥さんもやってきて三対三のブレーンバスターの掛け合いは宮原さん・白鳥さん・工藤さんたちが投げ勝ちましたが六人ともリング上でダウンしてしまいます。投げた時、マットが壊れるんじゃないかという振動があったので、いかに無茶なことだったことを物語っています。

工藤さんがなんとかコーナーに戻った頃、宮原さんがサクヤさんを羽交い締めにすると白鳥さんに指示を出しトラースキック!寸前に避けられて宮原さんに誤爆してしまいます。そこへサクヤさんがフォール、カットのための白鳥さんのストンピング、さっと躱されて宮原さんにまたもや誤爆!怒った宮原さんが白鳥さんに向かい胸元を突き飛ばします。しょうがないだろ、しっかり押さえておけよと白鳥さんも食ってかかります。試合中なのにまた小競り合いが始まってしまいました。あーあ、何してるんですかねー。


そのすきに堀田さんとサクヤさんがバックに回りスクールボーイ!返されると堀田さんは白鳥さんを、サクヤさんは宮原さんをそれぞれニュートラルコーナーに連れて行くと対角線のコーナーに向けて投げます。リングの中央で白鳥さんと宮原さんがぶつかって倒れるとラ・マヒストラルの共演!カウントは工藤さんがカットしてことなきを得ましたが、いつそんな練習をしたんですかってくらいバッチリなタイミングで技を決めていきます。


カットに入った工藤さんを捕まえたお二人はロープに振るとダブルのドロップキック!バランスを崩すも倒れなかった工藤さんにもう一度ロープへ。ダブルのクロスチョップは中央突破されてしまい逆に両手で同時にラリアットが!これは上体をそらして避ける!一瞬動きが止まった工藤さんにダブルの延髄斬り!息ぴったり!ズルズルと工藤さんの体を引きずってニュートラルコーナーに座らせると、赤コーナーにサクヤさん、青コーナーに堀田さん、いつの間にかもうひとつ空いているコーナーにナギサさんがスタンバッています。せーのっ!の掛け声でダッシュ、工藤さんめがけて三人で低空ドロップキックが炸裂!髪の毛を掴んで立たせるとリング中央でナギサさんがボディスラム。堀田さんがスワンダイブ式ボティプレス!サクヤさんはセカンドロープに飛び乗りムーンサルトプレス!(※2)そこに堀田さんも重なりフォール、うわっ!カウント1で返した!フォールしたお二人が吹き飛ぶくらいの勢い!ダメージがあるはずなのになんてことでしょう!


そこに宮原さんが入ってきて堀田さんを羽交い締め、そのまま後ろに投げました!(※3)続けてサクヤさんにも!これは耐えていると白鳥さんがトラースキック!今度は誤爆しなかった!そのまま後ろに投げてホールド!カウントは2。続けてコブラツイストでグイグイ締め上げギブアップを狙っていますがサクヤさんも耐えています。そこで宮原さんはごブラツイストのまま体を倒してフォールもナギサさんがカット。白鳥さんが入ってきてナギサさんをニュートラルコーナーに投げ、串刺し式のジャンピングニーアタック!首を掴みマットに転がすと「いっくぞーっ!」とコーナートップに駆け上がりドロップキック!(※4)背中で受け身を取りすぐにフォールはカウント2。ぐるっと客席を見ると両手を広げるポーズ取ると再びコーナーに上がり何かアピールをすると今度はムーンサルトプレス!これは自爆!直前でナギサさんが逃げていました。技に入る前にちょっと時間がかかっちゃいましたからね。


自爆した白鳥さんにナギサさんが滞空時間の長いブレーンバスター!フォールには行かずにサクヤさんがジャーマンスープレックスホールド!カウント1くらいで堀田さん4の字ジャックナイフ固め!カウントが数えなおされて今度は3つ入りました。


それにしても青コーナーのインティライミ姉妹と堀田さんの組み合わせってこんなにも凄かったなんて!チームワークも申し分ないです。それに比べて赤コーナーは..宮原さんと白鳥さんがお互いに張り合ってたみたいでチームワークも何もありませんでしたよ。疲れた表情ながらも三人で抱き合い喜び合っているなか宮原さんはさっさと控え室に帰ってしまいました。頭を冷やしている白鳥さんと気疲れしたであろう工藤さんも気にしていない様子です。

試合前に白鳥さんをやらかすとか思ったしまいましたが、宮原さんもなかなかのアレな人でしたね。タッグマッチなんですからもう少しなんとかならなかったのかなぁと思ってしまいました。


※1 ジャック・ハマーみたいな技だと思ってください

※2 ライオンサルトみたいな技だと思ってください

※3 ドラゴン・スープレックスみたいな技だと思ってください

※4 ミサイルキックみたいな技だと思ってください

太陽ケアことマウナケア・モスマン選手が引退を発表されました。

次話は11月25日を予定しています

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