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第9話

実)いやー、これには驚きました!佐藤選手がヘイト選手を三角締めで攻め落としレフェリーストップです!GPWO主催、次世代のエースを発掘を担うブローテにおいて、ドリームファクトリーの佐藤選手が優勝しました!佐倉さん、このような結果になりましたが予想していたでしょうか、感想をお願いします。

解)そうですね、こう言っては失礼になるかと思いますが、大会の開始前は誰もが立野選手や山田選手、工藤選手を推していて、その陰に隠れていた佐藤選手は誰も予想していなかったと思います。しかしながらホワイト・スワン選手、工藤選手を相手に立て続けに勝利し勝ち上がり、ヘイト選手にも勝ってしまいましたからね。しかも決勝戦ではセコンドを含めて3人を相手にしていました。スタミナ・耐久力はこの世代では頭ひとつ抜けだしたんではないでしょうか。

実)そうでしたねー、マリス選手どころかスライ選手まで乱入してきた中での勝利でしたからね。

解)そして忘れてならないのが山田選手、堀田選手と同期によるアシストがありましたね。ドリームファクトリー側のセコンドは試合には関わらず、あくまでも九龍城のセコンドを排除するだけに徹していましたので、これは文句なく佐藤選手の実力だと思います。

実)山田選手はともかくとして、今大会にエントリーしていなかった堀田選手も駆けつけて来ました。どこからともなく颯爽と現れて佐藤選手のピンチになるところを未然に防いでいました。あれには客席も私たちもびっくりしましたね。

解)ここまでお互いに思いあい、助け合い、切磋琢磨してきた者同士のつながりを感じます。それで最後の三角締めは山田選手の得意技でもありますからね。それで極めるという、なかなにくい事しましたね。

実)山田選手の二回戦はヘイト選手とあたりました。試合を有利に進めていましたが、その時はマリス選手の乱入もあり最後はシューティングスタープレスで破れてしまいました。その敵討ちといいますか、腕ひしぎ十字固めから三角へと流れるようにつなげていきましたね。

解)それで極めるかのように試合中盤からスタミナ切れを狙ったり左手に攻撃を集中させていましたからね。前日の試合結果を目の前で見ていましたから間違いなく狙っていたんでしょう。しかしあんな結果を見せられたら、普通なら怒りのままにぶつかっていくと思うのですが、そこを冷静になって攻めていったのが佐藤選手の成長を感じさせるところですね。



実)リング上では両者ダウンしたままの状態でそれぞれのセコンドに介抱されています。負けたヘイト選手もそうですが勝った佐藤選手も相当ダメージを受けているようです。ん?ここでヘイト選手側に動きがあるようです…ヘイト選手がマイクを握りました。


「おいっ!なんだこれ!私はギブアップなんかしてねーぞ!勝負だコラーっ!!」

実)あーっと!ヘイト選手がセコンドに押さえつけられながらも勢いよく飛びかかっていきます!ドリームファクトリー側も必死に抵抗!ゴングが打ち鳴らされています!そこにーこれは急遽立野選手ですか?佐藤選手を青コーナーに避難させています。


「どうした!ビビってんのかコラー!!!」

実)怒りが収まらないヘイト選手をなんとかなだめようとしていますが一向に収まりそうにありません。ん?ここでリングに近づいてくるのは…九龍城の代表でしょうか?マイクを持ちエプロンサイドへ上がりました。


「ヘイト落ち着け!落ち着けって!あんたたちも下がらせて!」


実)これは九龍城のパンテーラ会長です。この乱闘騒ぎを収めるためにリングへとやって来ました。


「ったくもう。うちの若いもんが場を荒らして悪かったわね。あとで言い聞かせておくから。ただねー、ヘイトの言い分も聞いてやって欲しいのよ。まあこの大会のコンセプトが良かったので参加させたのはいいけどさ、このリングはそっちのホームで、そっちのルールで試合をしたわけだけど、そっちが用意したレフェリーが勝手に試合を止めちゃったわけでしょ?それにヘイトが納得してないわけよ。それで提案なんだけど、今度はうちらの会場でうちらのルールで試合ができないかなーって思うわけよ。それで負けたらヘイトも納得できると思うんだけど、どうかなってね」


実)これはどういうことでしょうか。あたかもこの試合に不正があったかのような言い分です。

解)そうですね。しかしあのまま続けていたら、誰が見てもヘイト選手が危なかったというのはわかると思うんですけどね。

実)これは誰が対応するのでしょうか。GPWOの方々もいらっしゃるでしょう…おおっ!ここに現れたのは上田選手です!先ほど試合を終えたままのコスチューム姿で現れました。さあマイクを取ったぞ。


「ちょっと、随分と身勝手な言い分じゃないの。せっかくうちの選手が正々堂々と、乱入もせずに優勝したっていうのに泥を塗っちゃってくれてさ!あんただってこのルールに文句がなかったから選手を参加させたんでしょうに。セコい手を使ったくせに負けてなに言っちゃってくれてるのよ。……まあ?ここで拒否するのは簡単だけど、後から文句を言ってくるのが目に見えるからね。いいわ、一試合だけ付き合ってあげるわよ。場所とルールを言ってみなさい」

「これは話が早くて助かるよね、さすがGPWO初代会長、こちらの提案を即決できるんだもんね。そうねー、会場はうちらのホーム、クーロンズアリーナを用意するよ。そして、ルールはー、うちらの得意なトルネードタッチルール、タッグマッチなんてどう?」

「ふーん、それでいいのね。いいわ、受けて立つわよ。タッグっていうからにはそちらはヘイト選手、こちらは琴音が出るとして、パートナーはどうするのよ」

「もちろん、うちらはヘイト&マリスいくわ。そっちは佐藤選手と山d…」

「ちょっと待ったー!私が出たい、というか出る!ブローテに出られなかった分、今回は私が出る!ね、いいでしょ晴k…琴音ちゃん、綾ちゃん、ショーコさん、あと会長さんも!ね、ね、いいでしょ?」


実)ここで堀田選手が名乗りを上げてきました。よほど今回の大会に出たかったようです。


「ってうちの晶が立候補してるけどどうするの?パンテーラと晶、知らない仲じゃなかったはずよね。私はどちらでもいーんだけど?」

「まったく、この子ったら。しょうがないわね、いいわ。それじゃ一ヶ月後!クーロンズアリーナ!ヘイト&マリス対佐藤&堀田戦決定!つぶし合いになるわよ?」

「そんなこと心配しなくても大丈夫よ。それよりもそちらの思うように行くと思わないことね。首を洗って待ってなさい!」


実)なんということでしょう、パンテーラ会長が出てきたと思ったら上田選手も出てきて対戦カードが決まってしまいました。

解)いやーびっくりしましたね。確かクーロンズアリーナ大会といえば九龍城の主催する年に一度のビッグマッチじゃないですか!これは大変なことになりましたよ。

実)そうですよね。しかし対戦カードですが、九龍城側は佐藤選手、山田選手と因縁が生まれたはずですが、堀田選手が流れを読まず割って入ってきてしまいました。

解)堀田選手はルチャの修行をするにあたってパンテーラ会長から紹介された道場に出稽古に行っていた経緯があります。さらに言うとこの大会に出場できなかったこと、同期の佐藤選手が目の前でトーナメントで優勝したことで何かが滾ってきたのでしょうね、試合がしたくてしょうがないというのがマイクからも伝わってきました。



実)そうしてるうちにリング上が落ち着いてきたようです。トーナメントの優勝者は佐藤選手でしたが試合後のゴタゴタですっかり影に隠れてしまいました。しかし、この結果によりドリームファクトリー内の勢力図にどのような変化が訪れるのか今後に注目です。それでは間も無くメインイベントです。



ってちょっとー!なんですがいきなり!試合が終わったと思ったら変な乱闘に巻き込まれそうになるし、ヘイトさんのところ会長さんとか上田さんが出てくるし、本人を差し置いて、なぜか堀田さんと組んで一ヶ月後に九龍城で試合をすることが決まっちゃうし…

とは言ってもドリームファクトリーでも私に誰と試合をするか決める権利なんてありませんから今更ですけど。


「よし、これで私の試合も決まったことだし、これから一ヶ月頑張ろうね!」


それにしてもタッグマッチですか。堀田さんとなら組んだことあるからできないことはないのかな?でもトルネードタッチルールっていうのは何でしょうね。

「うーん、口で言ってもわからないだろうから、それも踏まえて特訓も必要よね。そうだ!折角だから合体技を考えて、コスチュームもお揃いにしたいよね。あー、一ヶ月で間に合うかしらー」


困った口調の堀田さんですが、目がキラキラと、いや、ランランと輝いています。その勢いに押され気味です。

「いい?晴子ちゃん、優勝したからってぼけっとしてる暇ないわよ?そんなことしてたらすぐに足元救われちゃうんだからね!さあ、これから忙しくなるわよーーー」


そうですよ、すっかり過去の出来事のような扱いですけど、私、優勝したんですよ?初めてこんなトロフィー貰っちゃいましたけど本当にいいのかしら?そして工藤さんが〝優勝したら上田さんに挑戦する〟って言っていたのって私もしなくちゃダメなのかな?こういう時ってどうすればいいんでしょう。



『リカルド!やっと俺たちの出番だな!』

『kota! mucho tiempo sin verlo!Estoy esperando!』

グーグル翻訳を参考にしています

次話は7月15日を予定しています

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