第10話
実)全国の女子プロレスファンの皆様こんにちは。月刊女子プロレス中継fromGPWO、本日はここドリームファクトリー道場より生中継でお送りします。ゲスト解説はおなじみの月刊女子プロレス副編集長の佐倉さんです。
解)よろしくお願いします。
実)さて、本日はドリームファクトリーの未来を担う工藤江利花選手の試練の5番勝負最終戦を軸に、チャンピオンの上田ショウ子選手に挑戦するものが誰になるかなど話題に事欠かないドリームファクトリーですが、ここにきて流れが大きく変わってきそうな活気に溢れています。ご覧になっていてどう感じていらっしゃいますか。
解)そうですね、団体の象徴でもあるGPWO認定のドリームファクトリーの初代チャンピオンが熱戦に熱戦を重ねた末に誕生して、他の選手たちもまたはGPWOに所属している団体やフリーの選手たちにもひとつの目標となるものができましたからね、それに向かって勢いがついてきていますね。そして工藤選手を含めて3選手が試練を受け実力を伸ばしていき、さらに佐藤選手も控えていることから選手層も厚くなってきましたからね。ますます楽しみになっています。
実)ここでゴングが鳴らされました、工藤江利花試練の5番勝負最終戦、30分1本勝負が始まりました。迎え撃つのはドリームファクトリーではコーチ役でもある渡辺芹香選手、リング中央で平然と待ち構えています。両手を伸ばし主導権の取り合いから工藤がバックに周りサイドヘッドロック、これを切り返す渡辺、腕を取り絞り上げていきます。体をよじって振りほどくか、ここはロープブレイクで一旦距離を取ります。ゆっくり近づいてロックアップ、渡辺をロープまで押し込んでいきます。ここでブレイク、クリーンに離れます。これまでの5番勝負と違って慎重な立ち上がりですね。これまでは持ち前のパワーを遺憾なく発揮して、あわや、もう一歩というところまで追い込んだ場面があったのですが0勝4敗と結果に繋がっていない影響でしょうか。
解)それを考慮して最終戦に挑んできているのかもしれませんが、自身のいいところまで消してしまわないか心配ではありますね。
実)続いてロックアップ、今度は渡辺が押し込んでいきます。ここでブレ、張った!バチんと張り手をおみまい、工藤を挑発していきます!突っかかる工藤に蟹挟み、背中にフットスタンプ!そしてカバー、カウントは2で返されます。
解)工藤選手が渡辺選手の動きに対応するようにしてきたところを逆なでするような行動ですね。お前の戦い方はそうじゃないだろうと言っていうかのようです。
実)なるほど。工藤を起こしてロープに振る、ショルダータックルは渡辺が耐える!これに追撃…はヘッドシザースホイップで投げる、工藤はくるっと着地すると再びタックル…これをアームドラッグで切り返されそのまま腕を固めていきます。
解)勢いをうまく利用されて工藤選手が手玉に取られてしまっていますね。全て基本的な技ですがいとも簡単に投げられてしまうとどうしていいかわからなくなってしまいますね。パワーに関してはどの試合も互角以上にわたり合えていたのですがテクニック等はまだ及ばず、対戦相手のペースをなかなか崩せずにいたわけですが、それらの本気を体感することで糧にして一歩一歩課題をクリアしていくことができればいいんですが。
実)そのための試練の5番勝負ですからね。さあリング上では渡辺の腕への攻撃が続いています。単純な打撃技から関節技からいろいろな手段で攻めていきます。
解)かなり長い時間攻めていますが同じような技がひとつもないんですよね。これだけ攻められると工藤選手も対処がかなり難しくなってくると思います。早く脱出しないと自分のいいところが出せないまま試合が終わってしまいます。
実)...ここでようやくロープブレイク、試合時間は10分を過ぎたところですが一方的に攻められっぱなしの工藤選手、何とか自分のペースに持ち込みたいところですがなかなかうまくいきません。起きあがりざま、低い体制でタックル!不意をつかれた渡辺が吹っ飛ぶ!工藤が渡辺をニュートラルコーナーへ、串刺し式のボディアタック、すごい迫力!反撃の狼煙をあげる!工藤が吼えると渡辺を抱えて対角線のコーナーへ!さらにマットに叩きつけたオクラホマスタンピート!カバーはカウント2!ここから一気に攻めていく!渡辺を捕まえるとこれは珍しいベアハッグ!腰を中心に攻撃を組み立てていくようです。これまでの5番勝負に出していない技で変化をつけてきたか!のけ反る渡辺も苦しそうだ。反動をつけて後ろにぶん投げる!
解)5番勝負ではあと一歩というところまで追い込むことはできましたが、そのあと一歩がとてつもなく大きいんですよ。何かきっかけがつかめることができるかは工藤選手次第としか言えないんですが、これはもしかするかもしれませんね。
実)この変化がきっかけになるといいですね。さらに攻めていく工藤、うつ伏せの渡辺にボディプレス!仰向けにしてもう一発!そしてカバー!カウントギリギリ2で返されるがこれは効いているぞ?このままいけば最終戦で大金星をあげるか!
解)同期の縦の選手も山田選手も5番勝負以降着々と実力をつけてトップ戦線に絡みつつあります。工藤選手は今成長しているのかもしれませんね。
実)今までの5番勝負で不発だった無双が出せればどうなるかわかりません、そんな雰囲気が会場を包んできています。渡辺を捕まえる!がこれは警戒されているようで耐えられる、もう一度強引に持っていっ…回転エビ固めのように切り返された!カウントは2!いやー危ないところでした。渡辺の攻撃、ミドルを掴ませると反対の足で延髄斬り!耐える工藤にDDT!得意のパターンだ!続けてバックドロップ!さらにもう一度、まだ決めないか、グロッキー状態の工藤に完璧なバックドロップ、ホールド!カウント3が入りました。勝負タイムは12分43秒、工藤選手は善戦むなしく敗れてしまいこれで5番勝負は全敗という結果となりました。いやー、最後は渡辺選手の畳み込みは新人選手へのそれではなかったですよね。
解)それほどまで脅威に感じたのかもしれませんね。先ほども言いましたがあと一歩が大きいんですけど、今日の試合を見る限りそれを突き破るのは時間の問題だと思いますので今後の活躍に期待したいですね。
実)そうですね、結果はともかくとして今後に期待したいですね。お客さんからの大きな拍手で会場を後にしていきます。ファンの支持とこれからの成長次第ではベルトに挑戦してもいいかもしれませんね。
解)団体からはまだ発表はないのですが挑戦者がまだ決定していません。決定トーナメントで直接対戦した渡辺選手、ダイヤモンズ佐々木選手、豊田選手、クリス選手は敗れてしまいましたがどんどんチャレンジしてもいいと思いますが、遠慮しているのかまだ誰も挑戦を表明していないんですよね。
実)そうですね、または直接対戦することなく敗退した選手にも表明して欲しいところですし、GPWO所属の他団体からでも表明してもいいと思います。何でしたら数人で挑戦者決定戦をしても面白いと思いますけどね。今後の動向に注目して参りましょう。
そのチャンピオンである上田選手が登場するメインイベントは間も無く始まります。
次話は12月15日を予定しています