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第5話

「わーっはっはっはっはー、何を馬鹿なことをしている、まだ私がいるではないか!」

「くそっ、試合に集中しすぎてキングの存在を忘れていた…」

「さあさあ、ガイアナイツよ!かかってこい、私と勝負だ!」


〈ここで一旦エツコ選手の体力回復のため15分のインターバルを取らせていただきます〉

「そんなもの知ったことか!すぐn…」

ピカッ!ドドドドドカーーーーン!!!

〈繰り返しお伝えします。ここで一旦エツコ選手の体力回復のため15分のインターバルを取らせていただきます。よろしいですね?〉

「ええ〜い忌々しい!まあよかろう、ガイアナイツの命が15分延びただけよ」



       〜  〜  〜 場内アナウンス 〜  〜  〜

「会場の皆さまにお知らせします。ただいまより15分間のリング調整の時間を取らせていただきます。この時間トイレ休憩等にお使いください。なお、会場外ロビーにおいて本日限定のハロウィン大会限定Tシャツや各選手のグッズなどを販売しております…」


私たちは控え室に戻り豊田さんの体力が少しでも回復するようにマッサージしたり汗を拭いたり飲み物を渡したり忙しく動き回っていきます。シャドー軍の格好のままで正義軍のお世話をしている姿をお客さんに見せるわけにもいかないので、シャドー軍のコスチュームの上からジャージを着込んで行きます。ロビーの売店の方にもお客さんがチラホラみえてグッズを購入していただいてるようです。今日だけの限定品、なんて言われたらたとえ買わなくても気になっちゃいますよね。そこに仮装の審査が終わった上田さんと志村さんもやって来て、買い物をしてくれたお客さんと2ショット撮影会やサイン会が急遽行われているようです。


「まもなく試合を再開いたいます。ロビーにいらっしゃるお客様は足元に気をつけてご自分の席にお戻りください…」

大体のお客さんが席に着いた頃、場内が暗くなりさっきの続きが始まります。




赤コーナーサイド

「エツコさん、申し訳ない!あなただけにこんな苦労をかけてしまって」

「エツコさんすみません。私がもう少しあいつらをやっつけられたらよかったのに!」

「マリーさん、ヒナも、なに言ってるんですか。みんなで一人一殺作戦を防げたしあのでっかいやつを場外へ出してもらったおかげで小さい二人が残って、それで私でもなんとかできたんですもの。逆に私の方からお礼を言いたいわよ。そんなことよりあと一人、あのシャドーキングを倒せば地球もこの世界も守れるんだからもう一息よ、一緒に頑張りましょう!」



青コーナサイド

「全員正座!お前たち、なんだこの体たらくは!あいつらはお前たちより疲れたはず!なんでこんなことになったんだ!」

「イ〜⤵︎」

「最後に私が出なきゃならないなんて、こんなに作戦が崩れるとは!おの〜れおのれガイアナイツ!それにブライトの連中!どこまでも邪魔しやがって!今日という今日はギッタンギッタンにしてやる!しかし、お前たちもやられっぱなしじゃ悔しいだろ?私が代わりにやっつけてやるから何かいいアイデアはないか?」

「イ、イー、イイイーイ!」

「なになに?ガイアナイツはずっと戦ってたから流石に体力はないな」

「イーイ、イイーイイ、イ!」

「ほうほう、短期決戦で向かってくるだろうから、最初だけ耐えていればすぐにバテてくるだろう、か」

「イ、イイーイ、イーイーイ、イ!」

「動きが鈍くなってきたところで反則ギリギリで場外で痛めつける、と」

「イーイ、イイ、イイーイーイー!」

「体力を奪ったところで大技を連発すれば勝利は間違いなし、か。よしよしそれで行こう。みておけよガイアナイツ、そしてブライト!これで地球もこの世界も私のものだ!わーっはっはっはっはー!」


〈まもなくインターバル終了です。選手以外はリングから降りてください〉


《いよいよ人類の、人族の存亡がかかった最終決戦が始まろうとしています。この大きな使命を背負ったのはガイアナイツのエツコ選手。どういった展開になるんでしょうか!》


〈最終決戦は時間無制限一本勝負で行います。青コーナー、シャドーキング軍、シャドー、キンーグーーー!赤コーナー、正義軍、ガイアナイツ、エツーコーーー!〉

〈お互いにクリーンファイトで…〉

《おーっと今回はエツコ選手の方から突っかかっていった!》

〈カーーーン!〉

《今ゴングです!シャドーキングをロープに振って…いきなり剛腕がクリーンヒット!すぐにカバー!カウント2!シャドーキングが場外に逃れます》

《エツコ選手はタッグマッチやバトルロイヤルとはいえ、ここまで一時間近くリングに立っていましたからね。体力のことも考えて短期決戦を狙っていたんでしょう》

《エツコ選手がリングを降りて追撃、シャドーキングを捕まえると助走をつけて鉄柵ホイップ!2度3度とけたたましい音とともにダメージを与えていく!そこから背中をエプロンに打ち付ける!これはさすがのシャドーキングも悶絶しています!そして勝負はリングでとばかりにシャドーキングをあげますが…エプロンサイドで組みつくぞ?これは…うわー持ち上げた!ここでブレーンバスター!》

《あそこはマットがない硬い部分ですからね、相当のダメージがありますよ。場外戦に活路を見出したようですね》《再び場外に崩れ落ちたシャドーキングにソルジャーたちが集まってきます。マスクでその表情はわかりませんが心配しているようです。リングに戻ったエツコ選手は体力の回復に努めています。場外カウントが数えられていきます。このままカウント20を待てば正義軍の勝利となりますがどうなるでしょうか!》


〈5分経過、5分経過ー、ファイブミニッツゴーファイブミニッツゴー〉


〈カウントサーティーン、フォーティーン〉

《うずくまったままピクリとも動かないシャドーキング、大丈夫か。このままだとリングアウト負けになってしまうぞ》

〈フィフティーン、シックスティーン〉

《ようやく体を起こしたキング、リングに戻れるか?》

〈セブンティーーーン〉

《ふらつく体にムチを打ってなんとかリングに近づきサードロープに手をかけ…》

〈エイティーーーン!〉

《あーーー!ロープを掴めず倒れてしまった!キングもここまでか!》

〈ナインティーーーン!〉

《ギリギリのところで転がるようにリングイン!思わず客席からも拍手が送られます。さあここでエツコ選手の攻撃!キングを立ち上がらせるとロープへ、これはキングの足がもつれて途中で倒れてしまった!すぐさまカバー!カウントは2!これはかなりダメージがあるようです》

《リング中央でボストンクラブ、これはどうだ?ぐっと腰を落として全体重を一点にしぼっています》

《先ほどの場外の攻撃が腰や背中に集中していましたからね、体力のあるシャドーキングといえど耐えられるでしょうか。それにしてもプロレスのお手本のような攻撃でした》


《じりっじりっと匍匐前進でようやくロープを掴みます。そこへストンピングからキャメルクラッチ。これはロープが近くてすぐにブレイクです。首を捕まえて起き上がらせるとコーナー近くでボディスラム。そして再び拳を握る!コーナーを駆け上がりふわりと弧を描くようなムーンサルトプレス!キングがヒザで迎撃!腹を抱えて悶絶するエツコにキングが低空ドロップキック!これはエグい!》

《エツコ選手は勝負を決めようと焦っていた訳ではないと思いますがフィニッシュのムーンサルトは先ほど出しましたから対策されていたようです!これで形勢が逆転するかもしれません。あまりにもキツい一撃です!》

《両者ダウンしているなか、腰を気にしながらも先に起き上がってきたのはシャドーキング!大きく息を吐くとエツコ選手を立ち上がらせ強烈なエルボー!続けてエルボー2連発!崩れ落ちるエツコ選手にカバー!カウント2!》

《シャドーキングがロープに体を預けてエツコ選手が立ち上がるのを待ちます。ゆっくりと立ち上がるエツコ選手にまたもやエルボー!これにお返しとばかりに逆水平!そしてエルボー!逆水平!エルボーと逆水平の応酬!意地の張り合いが終わりません!キングの胸元が赤を超えて紫色に染まっていきます!ここでキングがフロントキックからフライングメイヤー、自らロープに走り尻もち状態のエツコの背中に強烈なキック、そして胸元にもキック!すぐにカバー!これはカウント2で返されるが腹部にエルボードロップ!そこから両足を抱え込んだぞ?もしかして、体をひねり反動を使ってゆっくり回転していく、ジャイアントスイングだー!3回4回と回していくと徐々に加速!三半規管が狂い頭に血が上っていく!7回8回、どんどん回っていく》

《もう15回を超えてきましたエツコ選手は大丈夫でしょうか!》

《20回でようやく技が解かれるもキングも目を回したようですぐにカバーできない!フラフラになりながらここでカバー!カウント2!》

《もう少し早くカバーできていたらもしたしたかもしれませんがジャイアントスイングのの直後でしたからね、致し方ありません》

《そこから胴締めスリーパー!これは苦しい展開です》

《この時間になってスタミナを奪われる技はエツコ選手にとってかなり厳しいですね。なんとか脱出して欲しいです》

《レフェリーのチェックが入るなか必死に手を伸ばしますがロープまで1メートルほどの距離があります!なんとかここでロープブレイク。しかし非常に体力を消耗したようで目がうつろです。さあここでキングがコーナーに押し込むとフロントキック!さらに対角線のコーナーから助走をつけて顔面にハイキック!崩れるように倒れるエツコ選手にストンピングを浴びせていきますがこれは反則です!》

〈キング、ブレイク!ブレーイク!1、2、3〉

《レフェリーが体を張ってキングを剥がしていきますが再びストンピング!レフェリーの制止を振り切ってさらに続けていきます!このまま終わってしまうのか!地球とこの世界はどうなってしまうのか……おや?》


場内の照明がゆっくり暗くなると何やらバイオリンのような弦楽器の音が…


♪(1)ティーリーリリ〜、ティリティーティーリリ〜〜

まるで会場全体がスローモーションになったように時間がゆっくり流れる


『皆さん、よく聞いてください。このままでは地球もこの世界もシャドーキングの手に落ちてしまいます。そうなると太陽は隠れ大地は凍りついてしまいます。草木は枯れて、鳥は空を飛ばなくなり、人類は微笑みを無くしてしまいます。そんなことが許されていいのでしょうか!皆さん、ここであなたたちの力が必要です。今、一番あなたたちのために戦っているのは誰?政治家でも権力者でもないガイアナイツとブライトの面々です。彼女たちに力を届けてください。背一杯の声で彼女たちを応援してください!さあ、カスミ、ヒナ、マリー、タイム、カランよ、配置についてください。そして皆の者の声援をエツコに届けるのです!』


「さあみんな!女神様の言う通り、私たちに合わせてエツコさんを応援しましょう!恥ずかしがらずに大きな声と手拍子で!いいですか?いきますよ!せーのエーツーコ!エーツーコ!」


音楽が止み時間が元に戻り始める


《おっとこれはどうしたことでしょうか!正義軍が観客席に散らばり会場全体でエツコ選手を応援しています!》

《このままですとこの世界が大変なことになってしまいますからね》

《リング内に注目していきましょう。コーナーで倒れているエツコ選手にストンピングをするシャドーキング!おーーーっ!一発一発受けるたびに歯を食いしばりながらも立ち上がっていくエツコ選手!一体どうした!》

《会場内、いやこの世界の声援がエツコ選手に届いtんでしょう、反撃はここからですよ!》

《フロントキック、エルボーを受けても前に出るエツコにひるんでしまったかシャドーキング、一歩一歩下がっていきます。反対にコーナーに押し込まれたシャドーキングに渾身の逆水平!そして逆水平!掛け声と一緒にマシンガンのように連発していく!最後にローリングした逆水平が顔面にヒット!おぼつかない足取りでリング中央に歩いていったキングにショートレンジラリアット!カバー!1、2、惜しくもカウントは2!ここからキングを起こすと気合いを入れるような雄叫び!アルゼンチン・バックブリーカーの体勢だ!そこからキングの足を跳ね上げたと同時に倒れこ!頭からキングを落としたーーー!これは危険な技(※1)だ!》

〈1、2、3ーーー!〉〈14分37秒、14分37秒ー、体固めによりエツコ選手の勝ち、ガイアナイツ、ブライトの正義の連合軍の勝利となります〉

《勝ちました!正義軍が勝ちました!幾たびの困難を乗り越えてエツコ選手が、ガイアナイツが、ブライトが、正義軍が勝ちましたーーー!》

《これで地球もこの世界も救われたんですね、よかった、本当によかった!ガイアナイツ!ブライト!ありがとう!!》


「勝った、私たち勝ったのね!」「そうよ、これでみんな救われるわよ」「エツコさん大丈夫ですか、勝ちましたよ!」

「お前たち!今日のところは負けてしまったが私はいつでも復活するからな!人類が、人族が悪い心を持っている限り何度でも復活してやる!それまでせいぜい平和を楽しんでいるがいい、わーはっはっはっはー」


シャドーキングとソルジャーたちが姿を消すとシャドーホールが現れる。


「エツコさん、あれみて!私たちが吸い込まれたブラックホールみたいのが出てきましたよ!」

「これで地球に帰れるね」

「ガイアナイツのみんな、キングシャドーを倒すために戦ってくれてありがとう!本来なら英雄として歓迎したいんだけどそちらにも事情があるようだから引き止めることはしないよ」

「こっちももっとゆっくりしたかったんだけど、帰れる手段があれしかなさそうだからね、今回はしょうがないさ。それにシャドーキングを倒すのは私たちの使命でもあったから」

「そうね、次に会うことがあればゆっくりそちらの世界の話を聞かせてね」

「そうするよ、それじゃあまた」


六人で握手を交わすと急いでシャドーホール飛び込むガイアナイツ。ブライトとともに戦いシャドーキングを倒し地球とこの世界を救い平和を取り戻しましたとさ。


                                     おしまい


♪(2)チャンチャチャーンチャチャチャ・チャンチャチャーンチャチャチャ・チャーンチャーンチャーンチャチャチャチャー


出演者


ガイアナイツ

エツコ 豊田エツ子

カスミ 萩原香澄

ヒナ  松本ひな子


勇者パーティー ブライト

マリー 増田マリー(C・R・G)

タイム 原口タイム(C・R・G)

カラン 大木カラン(C・R・G)


シャドー軍

ソルジャーワン   立野みづき

ソルジャーツー   山田 綾

ソルジャースリー  佐藤琴音

ソルジャーフォー  堀田 晶

ソルジャーファイブ 工藤江里花

ソルジャーシックス 宇野愛菜


シャドーキング/キングシャドー

クリス・フォークフィールド


声の出演

勇者の魔道具 渡辺芹香

実況 大森悠 中野香織 

謎の声 横田未来


♪1 エトピリカ/葉加瀬太郎 みたいな曲だと思ってください

♪2 蒲田行進曲/甲斐正人 みたいな曲だと思ってください

※1 バーニングハンマーみたいな技だと思ってください

明けましておめでとうございます

本年もよろしくお願いいたします

ドラマチック・ドリーム・チームを参考にしています

次話は1月15日を予定しています


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