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第4話

《何者かが格闘場に現れリングに乱入!選手たちを場外に投げ捨てていきます!これは一体どういうことでしょうか!あ、悪魔軍団キングシャドーです!!!》

《せっかくの試合が台無しです!なんてことをしてくれたんだキングシャドー!》


「何をやってるんだ貴様ら!地球のヒロイン気取りをぶつけてブライトともども潰し合えばいいものを!なぜ貴様らは仲良く試合なんぞやってるのか!せっかくの計画が台無しになったではないか!」

「くっそー、これが罠だったわけか、卑怯だぞ!キングシャドー!」

「卑怯?そんなもの関係あるか!この世界と地球をこの手に入れるためならどんなことでもしてやるわ!そして両方の世界にシャドー帝国を築くのだ!」

「なんだって?そんなことさせるものか、許さないぞ!シャドーキング!私たちブライトと」

「私たちガイアナイツがキングシャドーの野望を打ち砕く!」

「ええーいうるさい!当初の計画通りにはいかなかったが、今ならあいつらは武器も持ってないし体力も少ないはず、おい、ソルジャーども!あいつらを蹴散らして息の根を止めてしま…」


ピカッ!ドドドドドカーーーーン!


〈警告します。いかなる理由であろうと、ここでの戦いは格闘場のルールに従っていただきます。もし従わない場合は、先ほどの雷神のハンマーを直撃させます。これを受けたものは、たとえ悪魔であろうと勇者であろうと文字通り消し炭のように消して差し上げます〉


「ええーい、忌々しい過去の勇者の魔道具よ!まあしょうがない、貴様ら6人とシャドーソルジャーの6人で戦えばいいのであろう!」

〈それではガイアナイツとブライトの体力を考慮しまして、6対6のバトルロイヤル形式、オーバー・ザ・トップロープありの12人タッグマッチを提案いたします。両チームともいかがでしょうか〉

「カスミさん、つまりどういうこと?」

「3カウント・ギブアップ・レフェリーストップ・場外20カウント・5カウント以上の反則にプラスしてトップロープの上からリング外に出されて、地面に片足でも付いたらそれでも負けってことよ」

「バトルロイヤルってことはタッチしなくていいのね?」

「そう、とにかくあいつらとキングシャドーをやっつけましょう!そっちはどお?」

「こちらはそのルールでOKよ」


〈それでは改めて選手の紹介をいたします。青コーナー、シャドーキング軍、ソルジャーワーンーーー!〉「イーーーッ!」

〈ソルジャーツーゥーーー!〉「イーーーッ!」

〈ソルジャースリィーーー!〉「さーーーん!」

〈ソルジャーフォゥーーー!〉「フォ・フォ・フォ・フォウーーーッ!」

〈ソルジャーファイーブーー!〉「イーーーッ!」

〈ソルジャーシックースーー!〉「イーーーッ!」


〈赤コーナー、正義の連合軍、ガイアーナイーツーーー!、ブライートーーー!〉


〈お互いにクリーンファイトで、レディー…〉

《あーっと!いきなりシャドーキング軍がゴングを待たずに襲いかかりました!》

《相手は先ほどまで試合をしていましたからね、回復する時間を与えたくなかったんでしょう》

〈カーーーン!〉

《そしてここでゴングです。両軍とも場外でやりあっています。リング上には誰もいません》

《今日は特別にリングの周りが広くなってましたね、このような事態を想定していたんでしょうか》


〈お気をつけください、お気をつけください!場外乱闘は非常に危険です、選手には近づかないでください!〉


《レフェリーがカウントを数え始めますがリングに戻る気配がありません。若干ですが、シャドーキング軍の方が場外で有利に戦っているようです。そして、カウント12でソルジャーシックスとカラン選手でしょうか、が戻ってきました。さあここでソルジャーシックスが残りの選手を呼び込みます。リング中央でボディスラム、ロープに走るとカラン選手にエルボードロップ!続けて他の選手もエルボーを浴びせていきます!4発、5発、6発!これはたまらない!そしてカラン選手を囲み威嚇するようにポーズからストンピング!》

《レフェリーのブラインドをついたシャドー軍の連携です。短期決着を狙ってますね、カレン選手は耐えられるでしょうか》

《急いでリング下から戻ってきた正義軍、カレン選手を救出すると今度はお返しとばかりにシャドー軍をリング下へ放り出します。ガイアナイツのエツコ、ブライトからはタイムとカランがリング下に降りて2人ずつ捕まえているぞ?さあどうする?》

《リング上ではカスミ、ヒナ、マリー選手がロープに3方向に走ってトペ・スイシーダ!頭から体当たり!これは強烈です》

《会場が盛り上がってきました!さあそこからエツコ、タイムとカランがエプロンサイドにたったぞ?カランはロープを掴んで、セカンドロープに乗ると場外に向かってプランチャ!同じタイミングでエツコとタイムがダイビングボディーアタック!!負けてなるものかと空中戦を仕掛けました!シャドー軍は全員場外でダウンです!》

《正義軍の連携がどうかと思いましたが先ほどまで戦っていた者同士でしたから分かり合えているようですね》

《リングに戻った正義軍、ハイタッチを交わしてお互いの検討をたたえあいます》

《それでもまだ勝負はついていませんからね、息を整えてシャドー軍の反撃に備えるのがいいでしょう》


「お前たち何をしている!一人一殺作戦でさっさと倒さんか!」


《おっと、シャドーキングから何やら不吉な作戦名が出ましたよ?一体どんな作戦なんでしょうか。正義軍は気をつけたいところです》

《カウントが数えられるなかシャドー軍がどうにかリングに戻ってきました!なりふり構わず正義軍に掴みかかるとそのままロープ側に押し込んでいきます!》

《一人一殺作戦というのはオーバー・ザ・トップロープのルールを利用して相手を道連れにするつもりのようです》

《あっとここでカラン選手がシャドーワンと、ヒナ選手がシャドースリーに巻き込まれ場外リングアウト、失格となってしまいました。これで4対4です》


〈5分経過、5分経過ー、ファイブミニッツゴー、ファイブミニッツゴー〉


《リング上は少し落ち着いてきたでしょうか、シャドー軍は青コーナーに、正義軍は赤コーナーに陣取り、試合をしていない選手はタッグマッチのようにエプロンサイドにいます》

《リング外にいれば少なくともオーバー・ザ・トップロープにはなりませんからね、それに長丁場とみた選手たちが休憩をとりつつ試合状況を見つめ直しているのかもしれません》

《さあここでシャドーファイブとカスミが対戦です。カスミをロープに振ってショルダースルー、これをローリングクラッチで返そうとするがファイブが押しつぶす!〈1・2ー...〉カウント2でマリーがカット!そのまま2人でストンピング!ファイブを起こすとロープへ、返って来たところにファイブがカウンターの両手ラリアット!転がるように場外へエスケープする正義軍の二人!そこに飛び出してきたエツコのジャンピング・ニーが炸裂!ファイブが場外へ!リングに入ってきたシャドー・ツーを見つけると走り込んでラリアット!それをカウンターの脇固めで切り返す!すると背後からタイムが脇固めのシャドー・ツーを捕まえると、そのまま強引に持ち上げてジャーマンスープレックスホールド!〈1・2ー...〉カットに入ったシックスがラ・マヒストラルで抑え込む!〈1・2ー...〉そこへマリーが場外から復活!タイムの体を持ち上げて逆にシックスをフォール!〈1ー...〉うわー!シャドー・フォーがレフェリーの頭を飛び越えて降ってきた!敵・味方関係なくトップロープからドロップキックでカット!リング上では1・2・3・…6選手がうずくまっています》

《お客さんもこれには大興奮ですね、声援が止みません。それぞれの個性を生かして攻めていましたね》


〈10分経過、10分経過ー、テンミニッツゴー、テンミニッツゴー〉


《マリーとシックスが丸め込み合戦をしていると両軍入り乱れているうちに2人とも3カウントを取られて脱落、3対3になったところでエツコとフォーの対戦です。体格差があるようですがエツコをうまくあしらって有利に試合を進めていますフォー。おっと、青コーナー側のロープぎわでエツコの上半身を場外に出して顔面をかきむしっています、これはいけません、反則です》


〈フォー、反則!離して!1・2・3…〉

〈「フォーーー!」〉

《レフェリーのカウントに合わせて手を離すと同時にフォーーーと絶叫!これはなんでしょう。エツコ選手を引きずって反対側のロープへ、ここでも顔面をかきむしります》

〈反則!離して!1・2・3…〉

〈「フォーーー!」〉

《これはエツコ選手に心理的ダメージを与えるとともにお客さんにアピールしているようですね。今度は正面に連れて行きました!》

〈フォー、離して!1・2・3…〉

〈「フォーーー!」〉

《これにはお客さんも反応して絶叫してしまいます。すっかり自分のペースに引き込んでいるようですね》

《先ほどまでの試合で見直していたんですけどね、やっぱりシャドー軍は悪い奴らです》


〈15分経過、15分経過ー、フィフティーンミニッツゴー、フィフティーンミニッツゴー〉


《リング中央、ファイブ選手とタイム選手がお互いの意地と意地をぶつけあう力くらべをしていくなか、じりっじりっとタイム選手が押し込んでいくとロープブレイク、ファイブ選手はロープに寄りかかり動けない状態か?そこへ走り込んでタイム選手がラリアット!これをかわすと同時にトップロープを下げると勢いそのままタイム選手が場外へ!かろうじてエプロンサイドで踏ん張っているタイム選手へファイブ選手がボディアタック!場外に落ちて鉄柵にぶつかる!》


〈正義軍、タイム選手退場〉

《これで3対2と有利になったシャドー軍、ファイブ選手が雄叫びをあげていま…おーっとそこへカスミ選手がスワンダイブ式のフライングボディアタック!しかし、ファイブ選手は倒れない!それどころかしっかり捕まえてトップロープから投げ捨てようとしていきます。体をバタつかせて抵抗していますが体のほとんどが場外に出ています、万事休すか?あーーー!ここでファイブ選手にヘッドシザース!自身もろとも場外へ!》


〈正義軍、カスミ選手退場、シャドー軍、ファイブ選手退場〉

《これでシャドー軍はツーとフォーの二選手が、正義軍はエツコ選手ただ一人となってしまいました。この試合のルールはバトルロイヤル形式なので二人掛かりでエツコ選手を攻撃しても反則にはなりません》

《最後の最後でこの戦法をしてきたわけですね、シャドー軍も策士ですね》

《2対1の厳しい状況ですが、小柄なシャドー軍に対してエツコ選手は大柄ですのでパワー対決に持っていけば突破口が開けるかもしれません。しかし現状は不利な状況です》

《シャドー軍はチームワークがいいですね、エツコ選手も単発で技を出しますがそこからが続きませんね》


〈20分経過、20分経過ー、トゥエンティーミニッツゴー、トゥエンティーミニッツゴー〉


《いくつものピンチを凌いできたエツコ選手ですが、コーナーに寄りかかりぐったりとしてるところを見ると体力的に厳しいようです。そこにツー選手が駆け込みショルダータックル!これをかわしてコーナーに激突させる!さらに走ってきたフォー選手もかわしコーナーで誤爆を誘う!自分の頬を叩いて気合一発、フォー選手を高速ブレーンバスターて倒すとツー選手をボディスラム!しかもフォー選手の上!》

《これはきついですね、シャドー軍が一気に劣勢になってしまいました》

《エツコ選手がシャドー軍の二人をコーナー近くに並べると、ぐっと拳を握ります、さあ何を仕掛ける?コーナーに駆け上がると、そこからシャドー軍の二人に向かってムーンサルトプレス!必死に片足ずつ抱えるとレフェリーのカウント!》


「「「1、2、3ーーー!」」」〈カンカンカン!〉

〈23分05秒、23分05秒ー、片エビ固めによりツー選手、フォー選手退場、エツコ選手一人残りとなり正義の連合軍、ガイアナイツとブライトの勝利となります〉

《勝ちました!正義軍が粘りをみせ、最後に大技でシャドー軍を仕留めました!》

《ピンチの中にチャンスが残ってました!最後はお客さんも一緒にカウントを合唱してましたね、よく頑張りました!》

《今までの戦いの中で退場していった仲間たちもリングに上がりエツコ選手の健闘を讃えています。よかった、本当によかった!最後に正義は勝つんです!》


「わーっはっはっはっはー、何を馬鹿なことをしている、まだ私がいるではないか!」


最終局面、エンディングへ続く

本日もご来場いただきまして誠にありがとうございます

今話をもちまして本年の最終投稿とさせていただきます

皆さま、よいお年をお迎えください

次話は来年1月5日を予定しています

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