表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狩りゲー転移でオレTUEEEEE!(予定)  作者: 霜月早唯
第1章:チュートリアル
3/51

設定を変更してみよう

「ん・・・。ふぁ・・・。よく寝た・・・。」


もっと寝心地の悪いベッドかと思っていたのだけど、なかなかどうして現代日本に勝るとも劣らないベッドだった。おそらくは7時くらいか。そのうち時計を手に入れたいものだ。


「さて。今日は依頼を受けに行くのだが。装備の確認していなかったな。着替えて・・・。ステータスオープン」


======

名前  :逆村 詠

年齢  :20

性別  :男

職業  :狩人《剣と丸盾》使いLv2



体力  :120

魔力  : 20

スタミナ:120


筋力/攻撃力    : 60/160

耐久/物理防御力  : 80/180

器用   : 110

敏捷   : 50

魔法技能/魔法攻撃力: 30/15

精神/魔法防御力  : 80/95


スキル :<剣Lv2><盾Lv2><回避Lv1>


装備

右手 :アイアンソード(100)

左手 :バックラー(10)(0)<受け流しLv1>

頭部 :革の兜(20)(10)

上半身:革の鎧(30)(20)

下半身:革のズボン(25)(10)

脚部 :革のブーツ(15)(10)

======

うん、初期装備にしては意外と良い能力なんじゃないか?いや、比較対象が普段着ってのがあれだけど。っていうかトレーナーとかGパンには魔法防御とか言う概念そのものがなかったんだなぁ・・・。

そして盾以外にはスキルはつかないのか。基本的には自力でスキルを習得して行けということだな。いろいろと《カリウド》との差異を考えさせられるな。



とりあえず飯を食おう。廊下をゆっくり歩き、階段を下りる。と


「おはようさん。よう眠れた?」


「おはよう。おかげさまでぐっすり眠れた。良いベッドだと思う」


「そらよかった。朝ごはんはすぐ出すから掛けて待ってて。」


「りょうかいー」


宿屋のお姉さんに言われたので座って待つ。5分ほど待った後、朝ごはんセットが運ばれてきた。

トーストと目玉焼き、サラダに牛乳だ。この世界に牛が居るのかは知らないんだが。少なくとも《カリウド》で見たことはない。


「いただきます。そういえばお姉さん、ほかの客っていないのか?」


「お客さんのほかに3パーティ12人泊まってるけど、今は遠征に出てるのがほとんどやねぇ。」


遠征か。《カリウド》世界と違って遠くへ一瞬でいける移動手段とかは無いみたいだ。


「そうなのか。じゃ、帰ってくるまでには一人前にならないとな。」


「期待の新人って言われるように頑張りなぁ。」


「ああ、頑張る。ご馳走様。」


「はい、お粗末様。いってらっしゃい。」


「行ってきます。」


さて、依頼に行こう。財布の中にはまだ20,000ゴールドほど入っているが、このままでは減っていくだけだからな。



てくてくと歩く。脳内十字キーを意識すると、疲れずに一定のペースで歩けるので便利だ。重宝する。


ギルドの建物に入ると、昨日とは違って盛況だった。


「何で接近警報とかサミットとかお勧めするんだよ!!狩るのは1頭で十分だろ!」

「昨日火山地帯から帰ってきたばっかりなんですけど、次は氷土へ遠征って何なの!?」

「だからまだ初級なんだから大型2頭同時討伐とかやめて!」


というか阿鼻叫喚だった。


これは少し時間を老いた方がいいみたいだし、先に雑貨屋に行ってみよう。



「邪魔する。」


「いらっしゃい!お、新人さんかい!?こっちきて登録証見せな。」


体型が俺そっくりの小太りのおっさんだった。年をとったらこんな風になるんだろうなぁとか思ってしまった・・・。カウンターに行って登録証を見せる。


「あー。昨日登録したばっかりの奴だな。ほぼ何も持ってないだろうから、お勧めの初心者セットを買っていきな!」


「セット。とは?」


「まぁまずは魔法鞄(初級)だ。一見ウエストポーチに見えるが、その実500kgまでは物が入る優れもの。中に仕切りがあるから素材と道具に分けられるんだ。」


「中の時間が止まったりは?」


「うん?するわけ無いだろう?」


「・・・でも、お高いんでしょう?」


「まぁこれはレンタルだ。壊したら弁償、200万だったっけな。まぁ丈夫だから多少のことでは破れたり穴が開いたりはしない。レンタル費用は依頼料から天引きされるから安心するといい」


「・・・。セットの中身を。」


「とりあえずは回復薬ポーション10個。武器の簡易手入れセット。防具の簡易手入れセット。テント。寝袋。着火装置。これで5,000ゴールドだ!」


「当分遠征とか行く気はないからテントと寝袋はいらないんだが。」


「そうかい。じゃぁテント、寝袋、着火装置抜いて2,000ゴールドだ!」


《カリウド》では回復薬ポーションが1個100ゴールドだったことを考えると、そんなものかって思えてくる。この世界では怪我と回復薬がどういう扱いになってるか知らないけど、ゲームと同じと考えれば、飲めば怪我が治る魔法薬なのだろう。簡易手入れセットはよくわからないが武器の汚れをぬぐったり、防具に穴が開いたりしたときに使うんだろう。

セットって言ってるくらいだし、初心者からはボらないだろうから買っていこう。


「じゃぁそれで。っと2,000ゴールドちょうど。」


「確かに!毎度!」


ウエストポーチを渡されたので、中身を確認する。回復薬は200mlくらいのビンだった。

武器手入れセットは直径と高さが15cmくらいの円柱のビンの軟膏と10枚の布だった。ビンのフタに『武器』と書いてある。

防具手入れセットは武器のよりひと回り大きめのビンの軟膏。これもフタに『防具』の文字が。


「えーっとこの簡易手入れセットってのはどうやって使えば?」


「おっと。登録のときに聞かなかったのかい!?武器の方は欠けたところが少しなら、その軟膏を塗れば補修される。あんまり大きく傷がいったり、折れたり曲がったりしたらダメだ。布は表面の汚れを落とせる。大体どんな汚れでも落とせるが、消耗品だ。汚れを落とし終わったら1枚が溶けて消える。防具の方はそれなりの穴でも補修できるぞ。汚れは帰ったときに装備屋にみてもらえって感じだな!」


「わかった。ありがとう。」


「初心者セットは1回限りだ。いつもは回復薬1本100ゴールド、簡易修理セットは各1,000ゴールドで売ってるからな!要るならいつでも買いに来るといいよ!」


「ああ。では。」


ちょっと時間つぶせたかなっと思いつつ、店を出て。依頼カウンターの様子を伺う。まだ人がいるみたいだ。人が完全に居ないときの方が気が楽だから、もうちょっと待ちたい。


さて。昨日ゴルドン氏にしごかれてるときに疑問に思った、というより引っかかってるんだけど。

体捌きは思ったようにできる。でも武器の動きは思っているのとは逆。これ。

そして、この世界に飛ばされる前の設定できるっていう台詞。設定は誰がするのか?もしかしたら自分で設定できるのじゃないか?

脳内で十字キーと、A、B、C、D、L、Rのボタンを思い描く。そしてそのまま、ここは《カリウド》ではなくて、『攻撃は剣を持っている手、ガードは盾を持っている手で行う』と強く念じてみる。


ギルドの入り口をいったん出て少し歩き、周りに人が居ないことを確認して、右手に剣を持ちAボタン!


勢いよく剣が振り下ろされた。剣スキルレベル2に頼った自分自身よりも綺麗に・・・。

スキル換算だとどれくらいの数値になるんだろうか・・・。


そして左手に盾を装着してBボタン!


勢いよく左フックが繰り出された。目の前の目標に対して拳でも肘でもなく、盾を当てる軌道。成功だ!


これで《カリウド》のように動けると思われる。ここは似たようで違う世界っぽいけれど。



うん。簡単だった。問題は無かった。依頼を受けに行こう。昨日のウサミミの受付さんが待ってるはず。


ギルドから3パーティくらいが出るのを遠目にみて、もう一度建物内へ入る。



さっきとはうってかわって静かだ。酒場は外にあるからたむろったりはしないんだろう。


いざ受付へ!


「おはようございます。依頼を受けたいのだが。」


「おはよーございますー!新人さんー待ってましたよー!これがお勧め依頼です、ドン!」


こちらのスペックとかは把握されているようだ。カウンターの上に一枚の紙が出された。


「えっと、野良イノシシの狩猟?」


「そうですよー!ここ最近数が増えてきてですねー、大地のエレメントを吸ってグラウンドファングになる前に減らしたいのですよー!」


《カリウド》では野生動物が八種類のエレメント(世界に存在する謎のエネルギー)のいずれかを吸収してモンスター化するという設定だったが、この世界でもそれは変わらないらしい。ちなみに肉体そのものが変異するので、モンスター化したほうがいい素材が取れる。


狩人ギルドで行うのは野生動物やモンスター狩猟のみで、薬草採取や鉱石採掘等は『魔法薬ギルド』『採掘ギルド』の管轄である。《カリウド》ではプレイヤーのランクによって買える物が変わる店という位置づけだった。


「グラウンドファングになってから狩猟した方がいいのでは?」


「なる数が増えると困るのですよー。具体的には大地のエレメントが吸われすぎて、農地まで影響が出たりするのですねー」


「なるほど。えっと、何頭狩猟すれば?」


「これはギルドからの依頼なのでー、10頭以上なら何頭でもいいですよー!」


「えっと10頭でも魔法鞄に入りきらないのだが?」


「あ、毎日夕方に回収班が向かいますのでー証明の頭だけ持ってきていただければオッケーとなりますー」


頭・・・。切り落とすのはしんどそうだが。剣を振り下ろすのは半自動だからだいじょうぶかな?


「それとですねー。魔法鞄はちゃんとコーティングされているので、裏返して水をかければ血とかは気にならなくなりますよー」


そういうの全く気にしていなかった。一応リアル世界なんだなぁ・・・。

とりあえず受けるのは受けるから、条件を読んでみるか。


「期限が3日後まで。1頭あたり1,000ゴールドで10頭以上狩猟成功で+2,000ゴールド、20以上なら+3,000ゴールド。総額の10%を魔法鞄レンタル代へ、か。」


「どうですかー?わるくないでしょー?」


「えっと、これ本当に新人用の依頼?」


「そうですよー?イノシシは狩人なら楽に狩れますしー。」


この世界性善説を信じてみたい。信じてみよう。


「わかった、この依頼を受ける。」


「はいはーい。ありがとーございますー。狩人A様、野良イノシシ狩猟受注ありがとうございますー」


「あ。出発前にひとつだけ。」


「なんですかー?」


「ウサギのお姉さん、名前教えて欲しい。」


「ああ!そういえば名乗って無かったですねー。私はアリスですよー。A様、よろしくお願いしますー」


「ありがとう、よろしく。行ってきます。」


「いってらっしゃいませー!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ