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狩りゲー転移でオレTUEEEEE!(予定)  作者: 霜月早唯
第1章:チュートリアル
1/51

情報を確認してみよう

「はい、新規の狩人登録ということなので、こちらに必要事項をご記入ください。代筆も可能ですよ?」


気がつくとどこかの建物の中で、受付らしきものの前に座っていた。目の前には眼鏡の美人さん。どこかの秘書って言われても納得しそう。銀色のロングヘアーで、日本人とは思えない顔立ちをしているが。

紡がれる日本語はすごく流暢だ。


超混乱中。落ち着くんだオレ。落ち着いてどうしてこうなったかを思い出すんだ。


======

名前→逆村サカムラ エイ

年齢→20歳

職業→フリーター


これはちゃんと覚えている。問題は状況だ。


えっと。確か昨日は・・・。

そうだオフ会だ。THE KARIUDOカリウド ONLINEオンラインのオフ会に行ったはずだ。


THE KARIUDOカリウド ONLINEオンライン

剣と魔法の世界でモンスターを狩り、得た素材で武器や防具を作ったり拠点(家とか村とか)を豪華にしていったりしていくアクションゲームだ。

防御力の高い前衛職(武器職)と、防御力は低いが少し移動が早い後衛職(魔法職)に分かれている。

もちろんオンラインなので協力して狩りをすることもできる。村で引きこもりながらチャットに徹したりもできる。


で。そこでよく遊ぶグループとリアルで会おうってことになり。オフ会に参加したわけだが。


参加者は10人くらいで全員20歳を越えてたので2次会に行こうという話になったんだ。もちろんアルコール有りで。


その帰り道。酒のせいか、


「ちょっとお話いいですか~?」


なんていう、いつもなら無視するキャッチセールスの相手をしたんだ。そうだ、それだ。


うろ覚えだったが150cmくらい?ショートカットだったか。顔は良く覚えていない。胸はそこそこ。


「ん?オレ?いいですよ?あ、でも宗教の勧誘なら勘弁して(笑)」


「違いますよ~(笑)。お兄さんゲーム好きそうだなぁって思ってですね~。ご機嫌そうだしナンパみたいなものですよ~。」


「それは光栄だわ(笑)。まぁ見てのとおりゲーム好きの非モテ青年だから超うれしい(棒)。」


いっちゃなんだが本当にモテない。

身長は160cmちょいで体重が80kg。顔はまぁ普通と自負したい(願望

眼鏡はかけていないが言動はややヲタク寄り(やや?って言葉が聞こえてそうだが無視する

うん、だめか。アクションゲームは得意だが運動はダメダメだ。


「そんな警戒しないでくださいよ~。怪しい話じゃないんですって~」


間延びしているしゃべり方だけどすごい怪しかったのは覚えている。しかしそこはアルコールパワー


「まぁこれから帰って寝るだけだから別に話を聞くのはいいんだぜ?お姉さんはオレに何の話をしたいんだ?」


なんて話に乗ってしまう。


「んふ~。大きな声では言えないんですけどね~ちょっとこっち来て下さい~」


そして人気のない路地裏へ。


「お兄さん《ザッカリ》ってわかります?」


「あ~。《カリウド》のこと?実はそのオフ会帰りなんだわ。」


THE KARIUDOカリウド ONLINEオンラインはだいたい《ザッカリ》もしくは《カリウド》と略される。彼女は前者派、オレは後者派なわけだ。


「わ~すごい偶然ですね~なんか求めてた人材ぴったりってかんじです~!」


「人材?」


「そうですよ~。お兄さん《ザッカリ》の世界に行ってみたくないですか~?」


「まぁ行けるもんなら行きたいけど。あーでも自分の体動かすの苦手だからなぁ・・・。」


「そこはご都合主義の世界なので~思ったとおりというか、そうですね~頭の中のコントローラーを動かせばそのとおりに体が動くように設定できますよ~?」


「おお!それなら面白そう!あ、一応こっちとの連絡手段とか残しておいてね。いきなり消えたらオフ会メンバーとか疑問に思うし。」


親兄弟は居ないし、仕事もまぁばっくれたと思われるだけだからどうでもいいし(よくない)


「そこは心配ないですよ~?」


「そっかー。じゃあ行ってみたいってことで。準備とかどうすれば良い?」


「それも心配ないですよ~。では行ってらっしゃいませ~!」


「え!?」


そして光に包まれて急激に眠くなり・・・。そうだ、うん。あれ本気の話だったんだな。

=====


「あの、きこえていらっしゃいますか?」


おっといかん。思い出すのに少しかかってしまったみたいだ。目の前の美人さんが怪訝な顔をしている。


「ああ、大丈夫だ。代筆も大丈夫だ。さらさらさら~っとこれで。」


なぜか日本語で大丈夫なようだ。異世界って気はしないが。雰囲気はもろに《カリウド》世界だから異世界転移したんだろう。


「はい。本名:逆村 栄様。狩人名:エース、前衛志望で間違いございませんか?」


登録に本名以外に狩人名が必要らしく、良く使うハンドルネームにした。昨日の話が本当ならアクションゲーム感覚で戦えるんだろうし、慣れている前衛を志望してみた。


「ああ。間違いない。」


「ではエース様、武器適正を見せていただくのであちらの部屋へどうぞ。」


「武器適正!?」


「そうですが。どうされましたか?」


どうしよう。《カリウド》にはなかった概念だ。いやしかし、プレイヤースキルをみるってことかもしれないしな。


「いや、なんでもない。そこの部屋に行けばいいんだな。」


「そうです。では行ってらっしゃいませ。」


立ち上がり、指示された部屋の前に行き、ノックを三回。


「失礼する。」


と入ってみると中には仁王立ちのマッチョがいた。2mはあるだろうか。実用的な筋肉で不自然な感じはしない。スキンヘッドで眼光は鋭く、体中と眉間に傷跡がある。そしてブーメランパンツ一丁だ。


「おう!武器部屋へようこそってな!俺様はゴルドンだ!それにしてもえらい丸っこいのが来たな!前衛志望ってことはその体型で武器の扱いに自信有りってことか!ガハハハハ!おもしれぇな!」


「逆村詠、エースだ。武器は多分なんでも扱えると思いたい。」


「おう!大した自信だな!まぁいい。とりあえずステータス見せてみな!話はそこからだ!」


「ステータスを見せる?」


またしても《カリウド》にはなかった概念だ。


「ん?簡単だろ?ステータスオープンって言やあいいんだ。そのあと俺に閲覧許可くれりゃあいい。」


もしかしたら似たようで違う世界に飛ばされたのかもしれない。というか異世界確定だなこれ。とりあえずやってみるか


「ステータスオープン」

======

名前  :逆村 詠

年齢  :20

性別  :男

職業  :



体力  :100

魔力  : 20

スタミナ:100


筋力/攻撃力    : 50/50

耐久/物理防御力  : 70/75

器用   : 90

敏捷   : 30

魔法技能/魔法攻撃力: 30/15

精神/魔法防御力  : 80/45


スキル :


装備

右手 :

左手 :

頭部 :

上半身:トレーナー(2)

下半身:ジーンズ(2)

脚部 :スニーカー(1)

======

うん、ほんとにステータス見えたが基準がわからん。で、閲覧許可っと。


「おう。これはまた・・・。武器スキル一切無しか。ふむ・・・。」


ゴルドンが黙ってしまわれた。まずいだろうか。武器スキルという単語が聞こえたが、《カリウド》には武器を扱うためのスキルは無かった。基本的には全ての武器種を扱え、各人の腕前で上手い下手が決まる。それをプレイヤースキルという。


「どうするか。とりあえずこれ振ってみな」


と手渡されたのは刃渡り1mほどの両刃の剣と直径50cmほどの丸盾ラウンドシールド


「ステータス何かまずかったか?」


「ふっ。まずいのまずくないのってな!今のままじゃオマエ何の武器も満足に扱えないぞ?」


「マジで!?」


「おおマジだ。というか狩人登録するやつぁ基本的に武器スキルの一つや二つ持ってるんだがな!てなわけで慣れるまでこの部屋で訓練だな。まずは基本の剣の素振りからだ。慣れてきたら俺と対人戦だ!さぁやれ!」


「お、おう!」


プレイヤースキルはスキルじゃなかったみたいだ。

しかしな。《剣と丸盾》は一番よく扱っていた武器種だからおそらくは問題ないはず・・・。

剣を右手に、盾を左手に装着し。脳内にコントローラーを思い描き、Aボタン!


勢いよく盾が振り下ろされる。あ。《カリウド》では剣は左手に装備されるんだったか。


「今の動きはすげぇよかったが剣の素振りをしろっていってるのに何で盾を振り下ろすんだ?オマエは左利きなのか?」


「いや、違う。右利きだ。今のは体操みたいなものと思ってくれ。」


「そうか。ひとつ忠告すると丸盾は手首で固定させた方が良い。」


「やってみる。」


さて。これはまずいかもしれない。《剣と丸盾》でゲーム内とは動きが逆っていうことは、脳内コントローラーが役に立たないってことで。

今からでも左利きですって言ったほうがいいのかもしれないが、自信満々に装備した後だとそれも気が引ける。


いや、まて。おそらくここは《カリウド》ではないがゲームの世界。一心不乱に素振りをすればシステム的なものの補助を受けられるのではないか?

あと、脳内コントローラーも移動では役に立つのではないだろうか。


よし。素振りは自力でやろう。運動神経はほぼ0だが、剣を振るくらいならできそうだ。


まずは一振り、上から下へ。


「ふむ。さっきに比べるといまいちだが、素人にしてはまぁまぁだな。もうちょっと全身の動きを意識してみろ!」


「了解。」


ゲームでは体がどう動いていたかを思い出しながら、二振り目。上から下へ。


さらに思い出しながら三振り目、助言を受けて四振り目、五振り目・・・十振り目。


<~スキル:剣レベル1を習得しました~>


突然頭の中に声が流れる。


!?


「ゴルドン氏。」


「おう!なかなか様になってきたところだがどうした。」


「剣スキルを習得した、と声が流れたのだが。これでスキルを習得したのだろうか?」


《カリウド》ではスキルは防具に付随するものでしかなかったし、スキルのレベルなんてのいうのもなかった。


「おう!そうか!それはインフォメーションっていう神の声だ!スキルを習得したときに教えてくれるんだぜ?これで対人訓練に移れるな!次は主に盾の使い方の訓練だ。どう攻撃を受け流すかってな!」


自分のチャット欄に表示される代わりに、直接脳内に流れるのか。なるほど。


「よろしくお願いする。」


「おう!俺も武器は同じのを使う。当然だな。それにしても丸っこいのに息が上がったりしねぇんだな。」


そういえば運動は長らくぶりだが、疲れたり息が上がったりがない。異世界だからだろうか。


「ああ、そうみたいだ。」


「スキル覚えるのも思ったより早いしよ!なかなか有望じゃねぇか!」


「そうなのか。ありがとう」


「まぁ有望ってこたぁな!気合入れて訓練できるってこった!さぁ構えろ!戦闘訓練だ!」


ゴルドンが剣と盾を装備する。あれ?けっこう本気っぽくないか?


「お手柔らかに。」


「なまっちぇれぇことぬかすなよ!もちろん本気は出さんが気合入れて防がんと怪我ぁするくらいの攻撃はするからな!」


「あ、ああ。」


「あとだな。攻撃するときは剣を使ってるって意識をしっかり持ちゃぁ剣スキルはそれに応えてくれるぜ!」


「わかった。」


そして戦闘訓練が始まったのだが。


「その盾は受けるんじゃなくてはじくための盾だ!しっかり受け流せ!」


「剣に腰が入ってねぇぞ!腰引いてどうすんだ!」


「そこは左足を引いて回避しろ!回避できないときやする必要のないときだけの盾だ!」


などの助言をいただきつつ、しごかれる。

もちろん持ち前の運動神経ではどうすることもできないので、脳内コントローラーの十字キーが大活躍だ。

移動に関しては問題なさそうだ。


すごく手加減はされてるんだろうけど、ボロボロにされた。さすがに息も上がるし辛い。

ひとつ言わせてもらいたい。2mスキンヘッドが襲い掛かってくるのはそれだけで怖い。


そして戦闘訓練後

<~スキル:盾レベル1を習得しました~>

<~スキル:回避レベル1を習得しました~>

<~スキル:剣レベルが2に成長しました~>

<~スキル:盾レベルが2に成長しました~>


「はぁ・・・はぁ・・・。ゴルドン氏・・・。」


「おう!お疲れさん!どうした。」


「はぁ・・・。盾スキルと回避スキルを得て、はぁ・・・。剣スキルと盾スキルが成長した。」


「おう!そうか!オマエもいっぱしの《剣と丸盾》使いになったんだな。これで安心して狩人業ができるな。」


「ああ・・・。ありがとうゴルドン氏」


「おう!ほかの武器種が扱いたくなったらいつでも来いよ!というか剣レベルが5になったら《両手持ち長剣》の扱い方を教えてやるから来い!」


「あ、ああ。」


そういって部屋を出た。


今日はもう疲れたから働く気はないんでもう寝たい。


そういえば泊まるところと所持金はどうなってるんだろうか。

細部変更。ステータス画面が狩人仕様っておかしいですね

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