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>殺伐とした空間に一枚の扉が!<
一度投稿された内容は、本人以外の者が修正することは無しとする。
扉とは本来、壁の一部の〔穴〕として作られているものである。
木製、鉄製──種類はあれど、それらは必ず壁と一体となって存在するべき物である。
空間と空間を隔てる一枚の板。俺たちはその板を押し引きし、隣の空間へと入るのである。
だがしかし、今、俺の目の前にあるこの扉は、どういうわけか──何もないただの空間にひっそりと佇んでいた。
何かに立てかけられているわけでもなく──。
どこかに釘打たれているわけでもなく──。
空間を隔てている様にも見えず──。
その扉には、文字が刻まれていた。
『This is one of the story that many of the messenger produce.』
俺の翻訳が果たして正解であるのかはわからないが、何にしてもこの扉をくぐる他に、事態を進める手段はなさそうだった。
そして俺は、まるで吸い寄せられるかのように、その扉に手をかざし──
『────!』
「…っ!?」
──力いっぱい、開いたのだ。