0.プローローグ的なモノローグ
魔法小女青年
【0、プロローグ的なモノローグ】
水色の大きなリボンのついたフリフリのエプロンドレス。
なんとも少女趣味で可愛らしいではないか。
張り子で作られた、狐の面。
ちょっとミステリアスな感じが、なんだか素敵。
さて、これら2つを身につけた少女が居たとしよう。若干コスプレチックな感じになっちゃうけれど、それはそれで、なんともミステリアスな感じがして、とても可愛らしいと思うのだ。他の人はどうだか知らないけれど、とりあえず私は好きだ。抱きしめたい。
さて、しかし、この2つの衣装を身につけた青年が目の前に現れたら、どうだろうか?
たぶん、大抵の人は罰ゲームだと思うと思う。もしくは、変態だと思うだろう。狐の面は良いとしても、エプロンドレスが致命的だ。好青年のすらりと伸びた長い脚が、フリフリのスカートの下からすね毛を覗かせている様は犯罪的だと思う。というか、犯罪だと思う。どんな罪状か知らないけれど。
それはきっと、とてつもなく悲しい生き物なのだろう。
東京や大阪みたいな大きい町に行くと、そういった悲しい生き物がたびたび目撃されるらしいのだけれど、くそ田舎に居を構えたる女子高生たる私は、今までそんな生き物に出会ったことはなかった。
そう、あれは、出会ってはいけない出会いだった。
高校二年生の夏。
私は、魔法少女(十八歳・♂)に恋をした。
――はい、プロローグ終了。