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(42) 人材あります![14]

「いいえ。不景気で、そう電話もかかりませんから。そちらの景気は、いかがですか?」

『まあ、昨日のソチラという状況で考えて戴ければ…』

「さほどは変わらないと」

『ええ、まあ…。似たり寄ったりということです。この前も言いましたように、コチラは少し大きめに仕事を展開しておりますから、店員への給与支払いで多少は稼がせて戴いてますが。収支で黒字は、さほど…。』

「そうですか…」

『ええ。では、また電話を入れるか、現れるかします。現れる方は私の意志ではありませんから、いつになるか分かりませんが…』

 アチトクは語尾を濁して携帯を切った。戸倉としてはアチトクの話を聞いた以上、そのままのんびりとくつろいではいられない。この家のどこかに異次元に通じる空間の穴があるというのだから調べない訳にはいかない。煙を立たせる手立てを幾つか考えた挙句、身体を動かした。新聞紙を燃やしてくすぶらせ、家中を煙で満たすというアイデアも浮かんだが、どうも火事っぽくて嫌だな…と思え、案を却下した。最後に選んだのが蚊取り線香である。煙の立ち昇り具合から見て手間がかかりそうだったが、この方法が一番、安全に思え、戸倉はそうした。幸い、買い置いた予備の蚊取り線香があり、新しく買いに出る必要はなかった。

 蚊取り線香に火をつけ、それを手に持って家の空間をくまなく探して回った。疲れたところで、しばらく停止し、また移動していく。小一時間して立ち止った瞬間、戸倉は自分がアホに思えた。馬鹿というのではなく、自分のやっていることが三枚目的なアホに感じられたのだった。

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