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(42) 人材あります![2]

 その一時間後、戸倉は依頼先の中庭で脚立に乗って松の剪定をしていた。それは、必然的にそうなる。前にも言ったが、係の者といっても戸倉の他に依頼先へ行く者は、いないのだから…。

「ごくろうさま! ちょっと一服して、お茶にして下さいまし~!」

 戸倉が手を止めて声がした方を見遣ると、この家の若嫁が微笑んでいた。

「やあ、どうも! いつも、すみませんなぁ~!」

 この依頼先は戸倉のお得意先で、今回で三度目だった。プロ技の庭園管理士の資格も独自の勉強で修得し、技も独自で身に付けた戸倉だったから、出来上りはプロの造園業者と遜色なかった。しかも料金が格安だったから、人手間のそういらない小口の庭仕事は他の業者と比較して格安となり、今年も依頼されたという訳だ。

 菓子とお茶で一服したあと、戸倉は続きの作業を終えて昼にした。昼はいつも買う弁当屋の弁当持参だが、その冷えたものをこの家のレンジでチン! してもらい食べた。

「奥さん! 終わりました!」

 夕方前に作業は終了した。

「有難うございました。はい、これ! 今日の分です。ちょっと、色つけときましたから、それで美味おいしいものでも食べて下さい」

「いや~、返って気を使わせちまいましたね。では、遠慮なく…。またご贔屓ひいきに!」

 戸倉が軽四輪を始動したとき、空はすっかり暮れなずんでいた。家へ戻った戸倉は、2万3千円入った封筒を確認し、フゥ~っと溜息を一つ吐いた。戸倉にとって、今日は運転中に携帯が震えなかったのは幸いだった。バイブ設定にしてあるが、時折り運転中に携帯が震え、戸倉に冷や汗をかかせることがあった。

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