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(30) 天空家族

「パパ、人間達が騒いでいるよ」

「ああ…お前がほうきで掃いた風とジョウロの打ち水のせいだろう」

「下界では台風とかいうそうだね?」

「ああ、そうだ。私達は有史以前より自然の営みをしているだけなんだが、どうも最近の人間は身勝手な者が増えたからな。異常気象、温暖化とか言ってるが、すべては人間がしたわざだ」

 天空王と天空王子が話し合っているところへ天空のきさきが現れた。

「二人とも、そろそろ食事よ。今日はいいかすみが流れ込みましたわ」

「そりゃいい! 美味そうだな」

 王は楚々とした風を舞わせながら答えた。

「ええ。でも、少しお気の毒ね、下界の人たち」

 妃は薄雲のカーテンを少し開け、下界の惨状を眺めながら呟いた。

「それはそうだが、私達のせいじゃない。人間が自然を壊し始めて250年ばかりになるが、彼等はもっと早く気づくべきだった。だから、自業自得さ」

「そりゃ、そうだけど…」

「なんとかならないの?」

 王子も下界の惨状を垣間見ながら言った。

「これから立ち直るもついえるも彼ら次第さ。私達はそれを見守るしかない。ただ一つ、彼らには地球の全生命を守る責務があるということだ」

「滅亡した種も多いそうね」

「ああ、絶滅種はかなりいる。それに危惧される種も増え続けているからなあ」

 王は溜息ためいき混じりの風を少し悲しげに舞わせた。

「だから身勝手なんだね」

「そう…。だが、彼らを信じて、もう少し様子を観よう」

「あと100年ほどね?」

「…だな。それで、すべての結果が出るだろう。地球生命が自滅していないことを望むばかりだ」

 天空家族は風に棚引たなびいて舞い去った。


               THE END

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