表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/146

(23) 食欲前線

 海鮮は堀田家の食卓を自分がいろどるというテーブル上の野望に燃えていた。しかもそれは、飽くまでも楚々として、至極自然であらねばならなかった。そのためには肉盛が邪魔だった。唯一、それが可能となるのは中立の御飯の動向である。御飯はどちらの派閥にも属さず、中立を保っていた。海鮮は肉盛派を切り崩そうとはかっていた。御飯に連携できる料理を提案したのだ。

『なんといっても、秋サンマにはカボスやスダチ、レモン、ユズ汁。醤油のオロシ大根。で、あなたでしょ? お寿司の新鮮なネタにはシャリ!』

『はあ、まあ…』

 御飯は返事を濁した。肉盛も密かに携帯で御飯に打診していたのである。

『ジュジュっとなった焼き肉に特製タレです。そして、あなたが…。どうです? スキ焼なんかも、いいなあ』

『はあ!』

 御飯は乗り気になっていた。そこへ海鮮の提案だった。御飯は迷って親友の味噌に相談した。

『どうなんだろうね、味噌君。僕はどちらに付いた方がいいんだろう』

『それは君が決めることだ。僕は中立の立場だから、海鮮さんにも肉盛さんにも呼ばれてるんだが…』

『君のように今までどおり中立でいこうかとも思うけど、小麦君が迫ってるからな』

『だよな…。彼はあなどれない。野菜君の意見も聞いた方がいいよ』

『それは大丈夫なんだ。彼は部下の大根、カボス、レモン、スダチ、ユズを使ってくれ、と応援してくれたんだ』

『でも、レタス君は肉盛派に付いたぞ。焼き肉君を包むそうだ』

『耳寄りな情報を有難う』

 秋の食欲前線たけなわ。堀田家の派閥争いは混沌こんとんとしていた。

「ママ、今夜は?」

「今日は、時間がなかったから店屋物てんやもの。パパは接待で遅くなるしね」

「そうなんだ…」

『…』『…』


            THE END

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ