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(18) 金盗り村

 頃は大正半ばと申しますから、今からかれこれ百年ばかりも前のお話ということになります。実は、このお話、私が祖父から直接、聞かされた本当の話なのでございます。祖父は私が成人になる頃、他界したのでございますが、このお話は私が子供の頃、寝物語に枕元で聞かされたお話なのでございます。

 実名をお話しするのははばかられますから、ただ村と呼ぶだけでお話を進めて参りたいと存じます。祖父の話によりますと当時、この村は六十戸足らずの小さな村だったそうでございます。小さな村と申しましても一応、役場もあったそうでございますが、なんとも暮らしにくい村だったと申します。私の祖父は当時、竹細工の小売りをして生計を立てていたそうにございますが、まあそれなりに暮しておりました。本当なら、儲けも程々、あったそうでして、生活のゆとりも出来たはずだったと申しましたが、どういう訳かこの村は村税が高く、祖父は金盗り村だ! と不平不満を私に申しておりました。幼い私は、ただ聞かされるばかりでございましたが、今こうして考えますと、ひどい村もあったもんだ・・と、ただただあきれるばかりでございます。しかし、報いはあるようでして、現在、この村は一戸すら存在いたしません。私も一度、この村が存在した所へ行ってみましたが、六十戸足らずの家すべてが廃墟となっておりました。当時の村人がどこへ消えたのか・・怖いお話になりますから、散り散りばらばらになったと考えるのが妥当なのでございましょう。では、祖父達が納めた村税がどこへ消えたのか? このなぞは、今も残る金ピカの村人寄合所がそれを物語るだけでございます。金ピカの村人寄合所・・廃墟の家々・・。比較すれば怖いお話でございます。

 このお話、今の時代の箱モノと呼ばれる国の公共事業にも通じるものがあるのでは? と考えさせられた次第でございます。もう少し言わせて戴きますと、豊かな日本の暮し? これに反比例するかのような国の債務の大きさでございましょうか。百年後、この国は? と考えますと、怖いお話でございます。

 そんなことを、ふと想いに浮かべた訳でございます。


                  THE END

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