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(13) 解毒<最終回>

「課長! …係長!」

 二人は眠たげに身体を起こした。

「工藤、もどったようだな」

「そうみたいですね…」

 両腕を伸ばし身体をほぐしながら、工藤は軽く言った。

「どういうことです?」

 由香は怪訝けげんな表情で二人を見た。

「いや、なんでもないさ、ははは…。有難う、席へ戻りなさい」

 由香は自席へ戻った。時間は始業開始前辺りらしかった。少しずつ課員達が出勤してきていた。

「工藤、この分だと、今日は平凡に過ぎ、明日は平林にエントランスで社長と言われるだろうな」

「はい! 僕は専務ですか?」

「ああ、私が言ったサイクルならな」

「ずっと、この繰り返しが続くんでしょうか?」

「それは分からんが…。まあ、運命とあきらめて気長にいこう」

「僕達二人だけが、なぜなんです?! よりにもよって!」

「興奮するな、工藤。どうにもならんことだ…」

 篠口は工藤をなだめた。

 その思いに至った途端、篠口も工藤もスゥ~っと胸のつかえがとれたように楽になった。神秘な力によって二人は解毒されたのだった。以降、篠口と工藤を襲った不思議な現象は鳴りをひそめた。


                  THE END


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