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(13) 解毒<18>

「ははは…確かに。だが工藤、この現象には一定のサイクルがあるぞ」

「どういうことです」

「いや、詳しくは閣議のあと、話そう。秘書官がすぐ呼びにくるだろう」

 篠口の予想どおり、その数分後、藤堂秘書官がふたたび現れた。

「総理、お時間です。官邸へお送りいたします…」

 篠口は席を立った。工藤も篠口に続いた。いつの間にか工藤の後ろには秘書官らしき男が数名、付き従っていた。

 官邸へ到着後、エレベーターで昇った篠口は、閣議応接室へと入った。工藤は藤堂に促され、ひと足早く閣議応接室へ入っていた。閣僚全員で総理を迎え入れるという慣例があるようだった。テレビニュースでよく映る光景である。

 閣議の内容は藤堂から歩きながら事前に概要を聞かされていたから、当たりさわりなく適当に流した。終わったとき、これじゃ日本はだめだぞ…と、篠口は自責の念に駆られていた。ただ一つ、これは別世界の出来事だ…という救いはあった。

「少し歩こうか…」

 閣議終了後、しばらく時間をくれと藤堂に言い、工藤とともに孟宗竹が素晴らしい二階の中庭を歩いた。人払いを告げたから、篠口の傍には工藤しかいない。遠目に見られても、総理と官房長官が歩いているのだから、なんの違和感もなかった。

「さっきの話だが…」

 篠口は穏やかに切りだした。

「一定のサイクルがあるって言われましたが…」

「そうなんだよ。私は課長から社長、社長から総理、そして総理からまた元の課長と循環しているんだよ。工藤、君だって同じだ」

「…そういや、そうですね。僕の場合だと、係長から専務、専務から官房長官。で、官房長官からまた元の係長ですか…」

「そういうことだ。ただ、原因がわからん。未知の見えない力・・としか言いようがない。しかも、なぜそれが私と君だけに起きるのか、ということもな」

「もう、僕はどうでもいいです。どちらにしろ、自分の力じゃどうにもならないみたいですし…」

 工藤は半ばあきめたように言った。

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