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(13) 解毒<11>

「軽率だったな。だが、これで判明するぞ、現実離れした世界のすべてが…」

 篠口はトーンを下げて、前に座る係長の工藤に言った。

「はい…」

 工藤は机の書類に目を通しながらの姿勢で、そう返した。

「ただいま、秘書室の山崎から特別応接室の方へ藤堂専務をお通しした、とのことでございます」

 ふたたび、平林が課長席へ近づいて言った。山崎? …聞きおぼえがある名だ、と篠口は思った。

「秘書室長の山崎茉莉君か?」

「えっ? 山崎は今年の入社でございますが…」

 平林はいぶかしげに篠口を見た。秘書の山崎は存在するか・・ただ、秘書室長ではなく新入りの秘書として…。篠口は頭が混乱しそうだった。

「課長、お待たせしては…」

 考え込む篠口に工藤が忠言した。

「分かってる…」

 篠口は課長席を立つと特別応接室へと向かった。

 篠口が特別応接室のドアを開けると、応接セットのソファーに座る藤堂の後ろ姿が見えた。

「いや、どうも…。お待たせしました!」

 篠口は早足で藤堂の正面へ回った。その顔は、やはり秘書官の藤堂だった。一瞬、躊躇ちゅうちょした篠口は、冷静になろうとみずからに言い聞かせながら藤堂の対面の椅子へ腰を下ろした。

「お初にお目にかかります。私、このたび着任いたしました開成銀行の藤堂です…」

 そう言いながら藤堂は、背広から名刺入れを取り出し、その一枚を篠口に手渡そうとした。篠口も背広から名刺入れを取り出し、二人は同時に名刺を交換した。おいおい、お前は首相秘書官じゃなかったのか? とは思ったが言えず、篠口は[開成銀行・専務取締役]と印字された名刺を見た。

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