表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/146

(13) 解毒<7>

「お待たせしました…」

 篠口は歩き始めた。篠口の前方に1名、後方に1名のSP風男がいかめしくガードして歩く。篠口の右横には藤堂がいて、歩調を合わせる。

「もっといつものようにお威張り下さい。今日の総理は少しおかしいですよ?」

 藤堂はニンマリとした。俺が総理で、いつも威張っているだって…。篠口は現実から乖離かいりした展開に、思わず笑い転げた。前後の男はギクッ! と驚いて歩を止め、藤堂も停止して篠口をうかがった。 

「ど、どうかされましたか?! 総理!」

「いや、失敬。なんでもない。ちょっと想い出したことがあったんだ…」

 篠口は、なるに任せるしかないな…と半ばあきらめた。

 やがて、連れていかれた・・と表現していい状況で高級車の後部座席に乗せられた篠口は、車中の人となった。横に添乗する藤堂は終始、押し黙っている。そのとき篠口にまた、一つの疑念がよみがえった。

「総理って、公邸住まいじゃなかったのかな、普通は…」

「えっ? ああ、そのことですか。幽霊は嫌だから引っ越さないって言ってられたじゃないですか。私と一緒に住もうってご冗談も…」

 俺、そんなこと言ったか?・・とは返さず、篠口は黙ってうなずいた。

「ああ、そうだったね…」

 車は永田町界隈へ入り、速度を幾らか落とした。

「まもなく公邸です」

「私はどうしたらいいの?」

「いつものように公邸でしばらく、ゆったりして戴いて、首相官邸へお送りさせて戴きます。その後は、総理のご意向のままに。官房長官とご相談を…」

「ああ、そうだよね」

 秘書官の藤堂は一瞬、顔をそむけ、これが総理か? という不信の表情をあらわにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ