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(13) 解毒<5>

「そんなこと、私にかれましても…」

 工藤は迷惑顔で返した。よく考えれば、確かに工藤が言うように、どう社内が変化しているかが先行き不透明なのである。分からないまま数秒、沈黙が続き、チ~ンと音がした。続いて静かにドアが開き、二人はエレベーターを降りた。

「とにかく、お前は専務室へな。俺は社長室だ!」

「はい!」

 緊張した声で工藤が返し、二人は別れた。まるで、ビルへ突入した特殊部隊だ・・と篠口は、しばらく前に見た映画を思いだしていた。

 篠口が社長室へ入ると、秘書室長の山崎茉莉やまざきまりがいた。

「おはようございます、社長」

 一、二度、出会った記憶はあったが、名前は知らなかった。篠口は名札をジッと見た。

「どうかされましたか?」

「い、いや…なんでもない。それより川辺社長…いや、川辺君は?」

「川辺? …でございますか? …あのう、社の者でございましょうか?」

「あっ! いや、間違えた。なんでもない。いいんだ、いいんだ…」

 篠口は慌てて取り消すと、社長席へドッカ! と座った。昨日までの課長席とは数段、心地よかった。社長って・・こうなんだな…と少なからずテンションが高まった。

「今日のご予定は、十時から取締役会、正午から帝都ホテルで鈴木グループの鈴木会長との会食、その後、懇親会が予定されております」

「…懇親会?」

「いつものゴルフ場でございますが…」

 茉莉は怪訝けげんな表情で篠口の顔をうかがった。篠口としては、それ以上、訊けなかった。社長なら当然、知っているからだったが、ゴルフはグランドゴルフを青年会でかじった程度の篠口なのだ。

「今日は体調がすぐれん。懇親会は日延べさせてもらうよ。そう、連絡しておいてくれたまえ」

 咄嗟とっさに出た自分の言葉ながら、上手い! と篠口は、ほっとした。

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