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(94) 星

 西暦2014年5月のある日、朝から、ああでもない…こうでもないと、議員諸氏が討論会を繰り広げていた。地球上の日本という小っぽけな国にかかわる集団的自衛権と呼ばれる問題についてだった。2340年のα星団から派遣され捨てられたすぐるは施設で育てられた。そして、異星人として持ち合わせた能力をひた隠して育っていった。そして今、こうして朝のテレビを冷めた目で観ているのだった。彼の思考による地球星という観点に立てば、集団的自衛権とは世界各国、人類のすべてが、地球上のいかなる地域がUFOによって攻撃を受けようとも一致結束して地球防衛のために出動し、地球星を守る…ということを意味した。この大義名分の前には、日本の集団的自衛権などの小さな諸問題は吹っ飛んでしまうのだ。異星人の攻撃となれば、これはもう、他国からミサイルが飛んでくる・・とかの話ではなくなる。人類存亡、いや地球生命体、すべての存亡の危機であった。

 そして、優がもっとも恐れていた日が巡った。西暦20××年、異星人の襲来が開始されたのである。優は、やはり人類では無理なようです・・とだけ、星団へ通信をしていた。編隊が飛来する一年前だった。UFO編隊は、地球を遥かにしのぐ高度な文明をもって舞い降りた。世界各国で編隊機飛来の着陸報告が錯綜さくそうした。国際連合はパニックにおちいっていた。近代兵器を使用した様々な攻撃は、編隊の見えないシールドの前にね返され、まったく歯が立たなかった。さて、どうしたものか? との物議が国際中継をはさみ、討論され続けた。もちろん、この時点で地球語は完成しておらず、世界同時通訳をかいしての討論だった。その間も、UFOは様々な実験攻撃を試みた。それは、人間の思考方法を探る攻撃で必要最小限のものだった。彼等の能力を持ってすれば、地球を死の星にすることなど、いとも簡単だった。だがα星団は、生物が生存できる貴重な地球環境を欲した。その前には、殺戮さつりくと自然破壊を繰り返す人類は邪魔だった。人類をすべて抹殺まっさつせよ! というα-1番星の提言はα星団全体の結論で先送りにされた。人類の思考方法の優劣により、攻撃か否かを決しようという条件であった。

 人類はUFO編隊に白旗を掲げた。無条件降伏である。世界各国がUFO編隊の命令のもと、武装解除した。UFO編隊の母船から国連ビルの前に降り立ったのは、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥ではなく、α星団群最高司令官????だった。


               THE END


 ※ 末尾の軍と群の相違は間違いではございません。^^

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