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(87) 本当に?

 勤務休みの昼過ぎである。牧場まきばは書斎でウトウトしたあと、居間へ移って湯 みの茶を飲んでいた。そして、煎餅をかじりながらテレビのリモコンを押すと、観たかった民放番組が映った。科学捜査ドラマの再放送だった。

 牧場が観続けていると、犯人の牛草が綿密な鑑識の捜査によって割り出され、ついに逮捕されるクライマックス場面となった。牧場は画面へ身を乗り出していた。この手のドラマはサスペンスとは一線をかくす・・と牧場は思っていたから、よく観ていた。綺麗な女優のファンでもあったから尚更なおさらだった。最後のエンドロールと音楽が流れる中、主演の刑事と鑑識の女性研究員が雑談を交わして終わった。CMが流れ始め、牧場はリモコンでテレビを消した。毎回のパターンながら、周到な犯行も、ついには科学捜査のメスによって切られて解き明かされる・・というプロットである。今回も、そうなったな…と、牧場は思った。しかし次の瞬間、本当に? と、牧場はふと、思った。まあ、これはドラマだとして…果たして牛草は犯人だったのだろうか? と。現実の通り魔殺人とかには動機がない。だが、犯行に至った者は捕えられる訳である。牧場がふと、思ったのはその点だった。見えざる犯人は存在するのか? ふと、魔が刺す・・といわれる犯罪にしてもそうだ。こんな見方をすれば、今日のドラマも、通りすがりの参考人、乳出の犯行かも知れないではないか…と牧場には思えた。ここはひとつ、乳ではなく知恵を絞ってみよう…と思った。小腹がいた牧場は、即席麺を食べることにした。何もしないで食べるのも如何いかがなものか…と思え、空腹感を我慢がまんして、労働に汗することにした。労働といっても、植え木の整枝と鉢ものの水遣みずやり程度だった。植え木に水を遣っていると、ふと、本当に? とまた思えた。牛草ではなく、北条氏に仕えた風魔一族の犯行かも…。牧場は昨夜観た歴史大河ドラマの影響を多分に受けていた。次の瞬間、本当に? いやいやいや…それはない、それはないと、牧場は発想を修正した。


               THE END

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