表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/146

(63) 資格

 資格を取るのが生き甲斐がいという男がいた。元来、資格は生活するための仕事にく手段なのだ。そういう意味では、資格を取ることを生き甲斐にするのは・・妙と言えば妙なのである。自己顕示欲が強い人間はそうした傾向が強いのだが、彼の場合はそうではなく、純粋に楽しみとしていた。資格を取るため勉強するプロセスが好きなのであり、資格を取ってしまえば、そんな資格、取ったか? と、忘れるような男だった。かといって、彼の行為が法律で罰せられるのか? といえば、まったくNo,だ。まあ、知らぬが仏・・で、どうでもいい話ではある。

「あなたは、確か…?」

 男は偶然、隣り合わせたベンチの若者に声をかけられた。

「はあ…。こういう者です」

 男は便宜べんぎ上、作った名刺をポケットから出し、若者に手渡した。名刺には[資格の王者  ○○○○]と印字されていた。

「ああ、あなたがあの有名な資格の王者さんですか? この前、テレビで…」

「ははは…少し前でしたね」

 俺も有名になったな…と、男は恐縮した。

「で、今はなにをなさってるんです?」

「えっ?」

 男はギクリ! とした。とても『次の資格を取ろうと勉強中です』とは言えなかった。

「はあ、まあ…」

 男は言葉を濁した。俺はなんのために資格を取ってるんだろう…? と、素朴な疑問が男にいた。

「じゃあ、僕、行きますので…。頑張って下さい!」

「どうも…」

 若者はベンチを立つと、どこかへ消え去った。男は茫然ぼうぜんと 立ち去る若者を見送った。

 そのひと月後、男は資格取得の通信教育会社、アイキャンへ就職し、働いていた。


               THE END

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ