第七話「予定」
「明日から夏休みか...」
「そうだけど?あんたならもっと嬉しがると思ってた」
「いやだってさ、夏休みだってのに、なんで勉強しに学校こなくちゃいけねぇんだよ」
「まぁうちの高校は進学校だからしょうがないでしょ」
「そうなのか〜」
そう言ってタクミは机に突っ伏した
「ほら、そんなだらしない格好しない」
「うぃー」
そう言ってタクミは体を起こす
「そういえば、補習ない日はどうする?」
「私は生徒会で忙しいわ」
マキが言う
「僕は部活あるし」
ケンが言う
「私は特に何もないよ」
「え〜?アリスと遊ぶの〜?」
「なによ!私じゃ駄目なの?」
「いやそういう訳じゃなくてだな」
どうせならみんなでどっかに行きたい
タクミはそう言った
「...そうだな。来週一週間
どこか海のあるところに行こう」
ケンが言う
「え?部活は?」
「なに、無理やりでも空けるさ」
「そうね、私も会長に言ってみようかしら」
「マキまで...」
「よ〜し!決まりだ!」
「来週一週間...そうだな。北の方に行こう。きっと涼しい」
「そうね、比較的涼しいところに行きましょう」
「いいの?そんなに簡単に決めちゃって?」
私は疑問に思う
「別にいいじゃないか」
ケンが言う
「二年になったらもっと忙しくなるだろうし、」
マキが続く
「一年のうちに思いで作ろうぜ」
タクミはいい笑顔をうかべる
「...そうね、そうだよね」
私たちの夏休みが始まった
楽しみが増える一方で
少しばかりの不安が心をよぎった