第四話「プライド」
ここはとある教室(生徒会室)
そこは少し薄暗く、奥の人物はこちらに背を向けているため顔が見えない
「よくいらっしゃいました。マキさん」
声からして女性と判断できた
「で、私になんのようですか?」
さっさと要件を聞いて帰りたい
マキはそう思った。
「おや?私が誰なのかは聞かないのですか?」
こちらに顔を向けずに彼女は言った
「その必要はないです。私は貴方が誰なのか知っていますから」
マキがそういうと、彼女はこちらを向いた
「三年、生徒会長で特待生の映姫先輩ですよね」
「知っているのなら話は早いですね」
そう言って映姫は話し始めた
「私たち三年生は今年で卒業です
勿論生徒会も終わってしまいます。
長年続いてきたこの生徒会をここで終わらせたくないのですよ」
そう言って映姫は壁に掛けてある
生徒会の写真を眺めた
「それで、引き継いでくれる人を探していると?」
「まぁ、そういうことですね」
「なぜ私なのですか?二年の先輩がいるでしょう」
「それが適任だと思う方にことごとく断られましてね。
それで一年の貴方にバトンが渡ってきたということです」
映姫は溜息をついた
しかし言った言葉と裏腹に残念そうではない
「それでは、本題に入りましょう」
「嫌です」
「まだ何も言ってませんが...」
映姫はすこし、ほんのすこし驚いたようだ。
「生徒会?なぜ私がそのようなものに入らなくてはいけなのですか?」
映姫は少しの間、黙る
何か考えてるようだ
「・・・生徒会に入れば、この学園の文化部、運動部、そして各行事全てを支配できます。」
「支配?そんなものに興味はありません」
私はキッパリと言った
「そうですか...それは残念ですね....では別の方に頼むことにしましょう」
「別の方?」
「えぇ、断られた時の為にあと二人ほど決めていたんですよ」
「その二人とは誰ですか?」
私は妙に気になって聞いて見た
「アリスさんとタクミさんですよ」
私は心の中で舌打ちをした
「マキさんに断られたので仕方ありませんね」
「小町、二人を探してきてくれませんか?」
「いいですよ」
私はその時何かに負けたような気がした
「・・・やります・・・」
「本当ですか?」
「えぇ!やります!やってやりますよ!」
私はなにを意地張ってるのだろう
「ありがとうございます」
「映姫先輩、あれは卑怯じゃないですか?」
「おや?私は何もしてませんよ?
今のは貴方の意思ですよ」
イライラする。こんなにもイライラするのは何故だろう
「では、今日の放課後、来て下さいね。」
私は身をひるがえし生徒会室から出た
すると、タクミたちがいた
「おいマキ、どこ行ってたんだよ
もうすぐ授業始まるぞ。」
「で、何があったの?」
アリスが聞いてくる
「生徒会への勧誘」
三人はすこし驚いたようだ
「で、断ったのか?」
タクミが聞いてきた
「・・・入ったわ・・・」
三人はまた驚いた
「何でまた生徒会なんに...」
「別にいいでしょ?それより教室に戻りましょう」
「あぁ、そうだな」
取り敢えず私たちは教室に戻った