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065話「ストームラビリンス」





 ストームラビリンス内の嵐達が軒並み収束したのを確認した私たちは嵐の世界に足を踏み入れる。大隊はそれぞれ防御魔術を内包した魔道具を装備して嵐に対して絶対的な防御誇る、はずだがそれすらもお構いなしに私たちに向けて暴風は当てられる。


 (軽減されていて、尚且つ一番収まって時期だというのに。)


下手をすれば足が離れて飛ばされてしまう。そんな危険さえも感じてしまう暴風である、おまけにここには魔暴が多く出てきている、出てくる。私たち大隊は基本的に集団行動を心がけている、しかしこのストームラビリンスないでは各自の単独行動が認められている。その理由はストームと魔暴によって安定して進むことができないからだ。


各員が優秀であることはすでに周知の事実だからこそできる判断である。


 (おかげで私はひとり。)


いやというわけじゃない。一人の方は何かと気楽であることが多い、しかしそれに見合うほどの自信が中途半端なだけだストームラビリンス内では敵が闊歩しているのに加えて、暴風域がわたしの進行の妨げとなっている。


 「……!」


敵がわたしに気づいたのを確認して、足に取り付けられていた魔道具を起動する。本来こうした不安定で足が離れそうな時に使うものである。スパイクが地面に突き刺さり足と地面が一体になったような手応えを感じる私は刀を引き抜く。


 目の前に現れたのは口が体の半分を担っている魔暴と、目が身体中につき手足が人間のように器用な魔暴の二体だった。片方が感知や役、もう片方がこの過酷な環境での前衛を担っている。この足の装備の関係上、私の得意な抜刀術の半分が使えない、踏み込みと胴体の捻り両方の技術が抜刀術には必要だからだ。


 「………。」


それでもこの魔暴達をやっつける術はある。何も踏み込みを使用するプラノード抜刀術を使わなければいいだけのことだ、基本的な守りの型であるならば足を使わずとも使うことができる。


 『⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎!!!』


二体の魔暴が咆哮をあげてこちらに迫ってくる。だが私もただ棒立ちで迎え撃つほど愚か者でもない。


 「プラノード抜刀術───マサシベンケイ!!」


相手の少しのリアクションも見逃さずまっすぐ縦に打ち込む、本来刀は技術を要して振るうものであり力技は刃全体に負荷がかかるためやってはいけない。それこそ卓越した技術でなければ、だがわたしの抜刀術はそれを可能にする。


魔暴は魔物と違ってそもそも力も速さも違う。相手が動いたと気づいた時にはこちらは手痛い攻撃をもらっているほどだ、半秒先を読んで私は刀を大きく振り上げそしてまっすぐ縦方向に振り下ろす。


魔暴の体は鋼のように硬い、本来ならば傷一つも入れられないが私の刀は特注性のため魔暴相手にも通用する強度を持つ、問題はそれを攻撃に転じて一撃で屠ることができるかどうかであるが、それも今は心配はいらない。


 私の一撃は鋼鉄な鎧によって一度火花を散らすが、その鱗を砕き刃は魔暴の肉体を一刀両断した。紫色の気持ち悪い液体が週一飛び散るも嵐がそれを持って行き去った。


 「⬜︎!」


 「無駄───プラノード抜刀術、シンクウ。」


相方がやられたことによってすぐに退却しようとする魔暴に対して私は容赦なく真空刃を飛ばし、これを切断する。この嵐が吹き荒れる大地ならば風を刀に纏わせて飛ばすこともさほど難しくない。シンクウは本来魔術や魔法などのサポートがないと上手く扱えないのだがここならば別だ。


しかしこの技のためにここにいとどまるわけにはいかない。私は魔暴の血を振り切ると嵐の中をひたすらに進み続けた。


 道中休める岩陰に身を置きながら、時計を確認する。集められた情報からストームラビリンスが再び活性化する時間までのタイムリミットは約3時間ほどだった、今がどの辺にいるか見当もつかない以上は先を急ぐことべきだと判断し、私はその後も嵐の中を突っ切った。

沈静化状態がだんだんと過ぎ、活性化に向かっているのを肌で感じるコンパスを頼りにひたすらに追い風に打ち付けられながら進んでいく。


長い時間だった。その間も魔暴達は私を見つけたは餌を見つけたような様子でこちらを攻撃してくるものだからひたすらに大変だった。


 「………?」


時計を確認して最後の1時間ほどになったのにも関わらず風が収まっているのを感じ私はストームラビリンスを抜けたのだと理解した。コンパスに従ってその後私は目的地の座標である133GDへと辿り着いた。ここまで三日間飲まず食わずだった私がようやくこの時一休憩を入れることができたのである。




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