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じゃあ、どうするか


割れた窓から吹き込む風は冷たく、音も響きやすい。

俺は壁に残されたカーテンレールを利用して、倒れた棚板をはめ込む。


「ここも塞いで……よし、外から見ると中は真っ暗になる。はめ込んだだけだから、すぐに外すこともできる」


「隠れるため、ですね」


「ああ。明かりをつけても外に漏れにくいように」


彼女は板を手早く外せることを確認してから窓の外を覗き込み、


「……この高さ、もし逃げるときは?」


「ロープを作る」


「ロープ……?」


俺は周囲を見渡し、古いシーツを取り上げる。


「布を裂いて結んでいけば、使える。

 こういう古い建物は、それなりに素材が残ってる。ロープを伝って上るのは訓練が必要だけど、降りるだけなら意外と簡単に出来るそうだ。それでも普段から練習をしてないと、とっさに出来るもんじゃない。つまり、俺達がロープで逃げる練習をしてスルスル降りることが出来れば、誰も追ってこられない」


「本当に、全部考えてるんですね」


「”じゃあ、どうするか”だよ。出かけようと思ってて、いきなり外に雨が降りだしたからって嘆き悲しんだり、天に唾を吐きかけたりしてもしょうがない。そういう時は傘を差すだろ?でも、天気以外のことになると、傘を差さずにただ不運を嘆くだけの人ってのは、案外多いんだ」


「……なるほど、そうかもしれません。”じゃあ、どうするか”、かぁ。それも本に書いてあったんですか?」


「いや、俺の考えだよ。あの軍事オタク向けサバイバル本に書いてあったわけじゃない」


二人で、フフフと笑い合う。こんな状況でも、前向きになれば笑顔すら生まれるものだ。そう、傘を差せば。

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