人も、瓦礫も
朝の倉庫は静かだった。
だが、食料の減り方、水の残量、簡易燃料のストックを見れば、ここにいつまでも留まることはできない。ホームセンターは完全に崩壊し、外部からの補給は望めない。俺たちがこのまま籠城を続ければ、確実にジリ貧だ。
「……行きますか?」
彼女が小さく問いかける。肩にかけた毛布がわずかに震えている。
「よし、行こう」
俺は倉庫の奥に積まれた物資を見ながら答えた。
「この倉庫があるから安心していたけど、食料はあと数日分しかない。外に出なければ、次の物資が手に入らない」
彼女は俯き、小さな息を漏らした。
「……怖いです。人も、瓦礫も、全部……」
「俺も怖い」
自然と声が低くなる。
「でも、怖がってるだけじゃ、食べ物は増えないし、守れる命も守れない。だから一緒に動くしかないんだ」
彼女の目が少し光った。
「……あなたと一緒なら、なんとか……」
「そうだ。二人でなら、きっとやれる」
俺は彼女の肩にそっと手を置く。触れた瞬間、互いの温もりが伝わる。言葉に出さなくても、同じ覚悟を抱いていることが分かる。
倉庫の扉を開けると、街の空気は昨日より冷たく、霧が薄く漂っていた。
瓦礫の街路に足を踏み入れ、視界に入る建物を一つずつ確認する。廃屋、倒れかけの商店、地下に伸びる階段。すべてが新しい拠点候補だ。
「まずは物資の確保。水と食料、できれば燃料も」
「……分かりました」
彼女はうなずき、手袋をしっかりと締める。
二人は静かに歩き出す。
瓦礫を踏み、倒れた看板や車の残骸を避けながら、次の拠点へと向かう。
静寂の中、時折遠くで崩れた建物の音が響く。外の世界はまだ危険に満ちている。
だが、互いの存在がある。
危険も不安も、二人で分け合える。
今はまだ小さな不安と希望だけが、霧の街を包む。
「次の拠点、見つけられるといいですね」
彼女の声が、かすかに震えていたが、力強さも混じっている。
「必ず見つける。二人で、生き延びるために」
俺は胸の奥で誓った。
瓦礫の街を抜け、次の拠点探索が始まる。
二人だけの生存戦略は、まだ序章に過ぎない。
☆☆☆☆☆で、道でラッキーな発見があります。
押さないと、靴下が片方ずつ消えます。
※もう思い浮かばないので今回で終了です




