102半身だけ異世界転移しちまったよ
ここからは、転移した男視点ですよ〜
防火水槽どうたらこうたら、は
ホラー小説「キメラ心中」で書いています。
ん?アピールしつこい?
目を覚ますと、知らない景色だった。少し前を振り返って思い出す。
そうだ、確か俺は、防火水槽になった神隠しの池に右半身を漬けて……それから?
少し思いを巡らせていると。
「もう、ナニよコレ。股間に心臓があるみたいじゃない」
頭の中で声がする。毎朝、男にとってはアタリマエの感覚。股間のイチモツは今日も元気。
「はっ?男って、毎朝こうなの?」
「そうだ。って、何が起こっているんだ」
混乱する頭を持ち上げて、体を見る。
自家発電で見慣れてた右手は、いつもどうり。左手が全然違う。少し柔らかでふんわりしている。
「なっなんだ」
起き上がると、左の胸には、女性のオッパイがあった。
「あ〜もう。混乱しないで。私まで頭痛いじゃないの」
頭の中で声が……いや、男と女の二重奏のような声が知らない部屋で発せられた。
「声まで、こうなるんだ」
「だから、何が、どうなって」
ガバリと毛布をめくって自身を見ると。右半身は俺で、左半身は女性の体だった。
「うん……全身入れ替わる予定だったんだけどね。なんで、半身なんだろね」
「半身?ってことは」
俺は、左右に二つあるタマタマを触って確認した。よかった。二つともある。右半身を水につけた時、重力に負けて、両タマ共、水中だったからだろう。
「コレがタマタマなのね。そう……これが必要なのよ。2コともあってよかったわ」
「……どういう?」
そう尋ねようとしたとき……
「ニメット!?目覚めたんか!?」
女性の声がしてガチャリと扉が開いた。
入って来た途端、股間を凝視されて
「隠さんかぃ。そんなモン」
俺が、毛布をかぶせて、いそいそと隠すと。
「男って、毎朝こうなるらしいよ」
俺である右半身も使って勝手にしゃべられた。
「そんなん……ウチは昼間のブラブラしてるのんしか知らんわ」
「私は、昼間も知らなかったけどね」
ニメットと呼ばれた、俺の左半身女性は、そう答えた。少し恥ずかしがっているのが、左の脳から伝わってくる。
「せやけど、良かったわぁ。半分だけでも、ニメットがコッチに残ってくれてんなぁ。しかも股間のアレ一式まで異世界から来てるやん」
「タマ、ふたつあるよ。だからタマタマ?」
「ええわぁ、寝かせるときに半身だけやったさかい、タマも片方だけかと思ってたで。戦力充実するやんか」
「そうね。目的は果たせたわ。私の技もそのまま使えそうだから、目的以上ね」
まったく話が見えない。
女子2人?1.5人?の話が落ち着いたところで、俺も右半身男をベースに声をだした。
「すまないが、状況を教えてくれないか」
「えぇ、わかったわ」
まず、服を着て、俺達は別室に移動した。
体の半分だけ異世界にいっちゃった。
脳味噌も半分ずつだから、話してる言葉もそれなりにわかる……ハズwww
今後の展開?おおざっぱに言うと、異世界「あしゅら男爵?キカイダー?氷炎将軍?」です。