捨てられる前
私は、うまくやってきたはずでした。
なのに―
捨てられてしまいました。
保育園の時からもう、壊れていました。今思えば、確実にあれはいじめだったけど、
『よーこちゃんも、ゆいちゃんも、ちょっといじわるなだけ。』
そう心の中で、どこかあの人たちの優しさに、慈悲に、期待していました。
こころのそこで、ひどいことをしたって、おもってるはず。
そんなこと、無いよ。
今だから言える。
『友だちなんていらない。どうせまたうらぎられるから。』
うん、これさ、小1の言葉じゃないよな。
そんなとき、私の心に一筋の光がさしました。
それは、人生はじめての『親友』でした。
その子の名前、とてもきれいでした。ただの凪じゃないの。夕方の凪で、『夕凪』でも夕は読まないで『なぎ』素敵な名前です。
『れいちゃんは、私の親友!』
『なぎちゃん、大好きだよ!』
いいね〜青春。青い春〜横棒が多いですけれど。
まぁ、そんなこんなで、万年いじめられっ子でしたけど、親友が心の支えでした。
何回も喧嘩したけれど、もう一度会えば、笑顔で笑いあえる。
そんな、絵に描いたような理想の親友でした。
そう、あの人が変わってしまうまでは。