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現実が見えぬチーターにこの世は救いを差し伸べぬ  作者: 夜明け
死者は物を言わず、されど何かを訴える
9/18

領主の悩み

この小説を見に来て下さりありがとうございます。

不定期で小説を投稿していきます。

どうぞよろしくお願いします。

「あっ!」

目が覚めた。今日も悪夢から逃れた様だ。ここ数日、と言うか二人が亡くなってから、二人が消える悪夢を見ている。二人が川を渡って行くのだ。私も後を追おうとするのだが、これ以上先は行ってはならぬと感じるのか体が重くなる。そうこうしているうちに夢から覚めるのだ。今の私にとっては考えうる限り最も恐ろしい悪夢であった。

しかしながら、これで立ち止まる訳には行かない。本日は大事な用があるのだ。


実は王家に書状を送るのと同時に送った家が二つだけある。その一つが私の母の生家であるホーエンシュタイン家、もう一つが今日来る私の婚約者がいるロレーヌ家だ。どの様な会話になるだろうか、想像上で会話をしながら食事をしているとセバスチャンが話しかけて来た。

「大丈夫ですかな」

「何がだ」

「今日の会談です」

何なのだろうか、準備は過不足無くした筈だ。客間の掃除、食事の準備、贈り物の準備、万が一の無いように通り道の安全の確保までやった。相手の好みも把握しているし、準備は盤石と言っても過言では無い筈だが。

もろもろ考えていてふとセバスチャンを見ると頭を抱えていた。

本当に見落としが有るのだろうか。聞いてみようとすると彼の口が開かれた。

「鏡は見たのですかな」

鏡か。客間にあった筈だが割れてでもいただろうか、それともロレーヌ家に鏡が嫌いな人が居ただろうか。

「後で見ておこう」

そう伝えるとやはり彼は頭を抱えていた。

「最終確認です。本日会談を行うのですね。」

「何で念を押すかは分からないがそうする以外ない。

ドタキャンなど失礼なことこの上ない。」

そう伝えるとセバスチャンは下がっていった。

何なのだろうか。


そうこうしているうちにロレーヌ家が到着した。

来たのは二人で当主のカール・ロレーヌと私の幼馴染兼婚約者のアンジェ・ロレーヌだ。

私は二人をソファーに座る様に促したが、私の顔を見たアンジェはセバスチャンとアイコンタクトを何故か取っている。

そして、彼女は口を開いた。

「お父様、ここは私が先に話しても宜しいでしょうか。」

「…ああ」

そんなやり取りをした後、カールさんはセバスチャンに連れられ客室の外へ出て行く。

私はそんな様子を見ていると後ろから声が掛かった。

「早く座りなさい。」

振り向いてみると彼女は優雅に紅茶を飲んでいた。

彼女の仕草は様になっていた。

読んで下さりありがとうございました。

また、次の話が投稿された時に読んで下さると幸いです。

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